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妊娠と出産

妊娠すると基礎体温はどうなる?排卵との関係性も解説

公開日:2024.07.02
更新日:2024.07.02
妊娠すると基礎体温はどうなる?排卵との関係性も解説
妊娠すると、体にさまざまな変化が現れます。体の変化により、「妊娠したかもしれない」と考える女性も少なくありません。妊娠に気づくきっかけの一つは、基礎体温の変化です。 特に毎日基礎体温を測っている場合は、その変化に気づきやすい傾向にあります。基礎体温に変化が起き、妊娠したか確認したい女性もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、妊娠しているときの基礎体温について詳しく解説します。 妊娠を自己判断する際には、基礎体温と生理周期、排卵との関係性を把握しておくことも大切です。基礎体温と生理周期、排卵との関係性も併せて解説するので、妊娠しているか気になるときはぜひ役立ててください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 妊娠しているときの基礎体温

2 通常の基礎体温と排卵の関係

3 妊娠時の体温に関して覚えておきたいこと

4 体のバロメーターとして基礎体温を活用しよう

妊娠しているときの基礎体温

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基礎体温は、妊娠の有無を判断する際の目安になります。妊娠すると、基礎体温に変化が起こるためです。妊娠にいち早く気づくためには、どのように基礎体温が変化するかを把握しておくことも大切です。

妊娠していると高温期が続く

女性の基礎体温は、約1カ月の周期で低温期と高温期を繰り返します。これは、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの影響を受けるためです。低温期と高温期が切り替わるタイミングは、排卵前後です。

生理周期が一定の場合、生理の初日から排卵までの約2週間は低温期と呼ばれる状態になります。排卵が起きると基礎体温が上がり、高温期と呼ばれる状態に入ります。低温期と高温期の基礎体温の違いは、0.3~0.5℃程度が目安です。

高温期が12~14日程度続いた後、基礎体温は再び低温期に入るのが一般的です。しかし、妊娠すると生理の時期が来ても低温期に入らず、高温期の状態が続きます。生理周期に反して高温期の状態が続いている場合、妊娠している可能性があります。

基礎体温と生理周期は妊娠の自己判断の目安になる

妊娠の確定診断がなされるのは、産婦人科を受診し、超音波検査で胎児の心拍が確認できたときです。しかし、産婦人科を受診する前でも、基礎体温と生理周期で妊娠を自己判断することも可能です。

基礎体温は、同じく女性ホルモンの影響を受ける生理周期にも深く関係します。生理周期には個人差がありますが、25~38日が一般的です。生理周期が一定の場合、排卵を境に基礎体温が低温期と高温期にわかれます。

排卵や生理を迎えても、低温期あるいは高温期のいずれかの状態が続くときには、何らかの異変が考えられます。妊娠の可能性が疑われるのは、生理予定日になっても生理がこず、高温期が続くときです。一方で低温期が続くときには、無排卵の可能性があります。

通常の基礎体温と排卵の関係

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生理周期が一定の場合、基礎体温の変化で妊娠に気づきやすくなります。基礎体温は、排卵前後で変化するのが一般的です。ここからは、通常の基礎体温と排卵の関係性を詳しく解説します。

基礎体温とは

まずは、基礎体温について理解を深めておきましょう。基礎体温とは、生命を維持するために最低限のエネルギーしか消費していない安静時の体温のことです。通常の体温は、日中の活動の影響を受けて変動します。

一方の基礎体温は安静時に測定するため、活動による影響を受けにくく、より正確な体温を把握できます。基礎体温を測るときは通常の体温計ではなく、基礎体温計と呼ばれるものを使用しましょう。

基礎体温計とは、小数点第二位までの測定に対応しており、基礎体温を測るのに特化した体温計です。正確な基礎体温を把握するためには、起床直後の体を動かしていないタイミングでの測定が必要です。

起床後は、寝たままの状態で舌裏の体温を測定します。近年は、アプリと連携できる基礎体温計も数多く登場しています。アプリ対応の基礎体温計なら測定結果が自動反映されるため、記録の手間が省け、基礎体温を管理しやすくなるでしょう。

基礎体温は生理周期に合わせて変化する

女性の基礎体温は女性ホルモンの影響を受けるため、生理周期に合わせて変動します。基礎体温の動きは、妊娠しているときと妊娠していないときで異なります。生理周期が一定の場合、生理の初日から約2週間は低温期です。

その後、排卵が起きると、高温期が約2週間続きます。妊娠に至らなかった場合、再び生理を迎え、低温期に入ります。基礎体温をグラフ化すると、生理と排卵のタイミングで低温期と高温期の二層が顕著に現れるでしょう。

基礎体温は、何周期にもわたって継続的に計測することが大切です。継続的に計測することで、自身の生理周期のパターンや排卵の有無、妊娠しやすい時期、妊娠の有無等を把握できます。

無排卵月経だと基礎体温が不規則になる

基礎体温は、体内リズムを把握するためのバロメーターの一つです。女性の場合、体の状態に女性ホルモンの影響を受けやすい側面があります。そのため、妊娠の有無にかかわらず、基礎体温を測定する習慣をつけることも大切です。

基礎体温に乱れがあるときには、体に何らかの異常が起きていることがあります。たとえば、定期的に生理を迎えていても低温期が続くときには、無排卵月経の可能性があります。

無排卵月経とは、排卵が起きていない状態のことです。原因としては、ホルモンバランスの乱れや他の疾患が考えられます。無排卵月経は不妊の原因にもなるため、早期発見・対処が必要です。

無排卵月経になると、生理不順や不正出血等の症状が見られることもありますが、自覚症状に乏しい傾向にあります。生理と次の生理までの間の基礎体温がほぼ横ばいで、低温期が続く場合、無排卵月経が疑われるため、産婦人科の受診を検討しましょう。

妊娠時の体温に関して覚えておきたいこと

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ここまでで解説したとおり、継続的に基礎体温を計測することで、妊娠の有無にいち早く気づける可能性があります。ただし、基礎体温はあくまでも妊娠を裏付ける材料の一つに過ぎません。妊娠の確定診断に至るためには、産婦人科の受診が必要です。

ホルモンバランスの乱れで妊娠していなくても高温期が続くことも

生理を迎える時期になっても高温期が続くと、妊娠を疑う人もいるかもしれません。しかし、高温期が続いても必ず妊娠しているとは限らないので注意が必要です。

妊娠していない場合でも、女性ホルモンの影響で高温期が続くこともあります。たとえば、ホルモンバランスの乱れや黄体依存症等です。ホルモンバランスに異常があると、生理周期が乱れ、高温期が続く原因の一つになります。

また、妊娠していないにもかかわらず、高温期が20日以上続くときには、黄体依存症が考えられます。黄体依存症とは通常よりも黄体の寿命が延び、生理が始まらない状態のことです。このように、高温期が続いても妊娠しているとは限らないことに留意しましょう。

妊娠している場合、基礎体温以外にも体に何らかの変化が起きることがあります。

▼妊娠初期症状に関する詳細は、こちらの記事でも紹介しています。
妊娠初期症状にはどんなものがある?生理前との違いもチェック

生活が不規則な場合は「熟睡した睡眠の後に」基礎体温を測る

基礎体温は、毎日ほぼ同じ時間かつ同じ条件で測定するのが望ましいとされています。体温は時間や条件によってズレが生じるため、正確な基礎体温を把握しづらい側面があるからです。

しかし、生活スタイルによっては、同じ時間かつ同じ条件で基礎体温を測定できないこともあるでしょう。特に睡眠時間が短いときには、十分に体温が下がらず、測定時の体温が高くなる傾向があります。


生活スタイルが不規則な場合は、熟睡した睡眠の直後に測定するのがベストです。測定時間が大幅にズレたときや睡眠不足のときには、基礎体温とともに測定時の状況も記録しておくようにしましょう。

妊娠しているかもと思ったら必ず産婦人科に行く

基礎体温は、妊娠の有無を判断する際の目安になります。しかし、高温期が続くからといって、必ずしも妊娠しているとは限りません。ホルモンバランスの乱れや黄体依存症により、高温期が続いている可能性もあるためです。

高温期が続き、妊娠が疑われるときには、市販の妊娠検査薬を試してみましょう。14日以上高温期が続き、妊娠検査薬で陽性が出た場合は、妊娠の可能性が高いといえます。ただし、これだけでは本当に妊娠しているかの判断はできません。

妊娠検査薬では、異所性妊娠や化学的流産でも陽性が出ることがあります。放置すると母体が危険にさらされるリスクもあるため、高温期が続いて妊娠の可能性が疑われるときには、早めに産婦人科を受診するようにしましょう。

体のバロメーターとして基礎体温を活用しよう

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妊娠の有無を判断する際には、基礎体温が参考になります。女性の基礎体温は、生理周期に合わせて体温が変動するのが一般的です。基礎体温には低温期と高温期があり、排卵を境に変化します。

高温期が14日以上続く場合は、妊娠している可能性があります。ただし、高温期が続いても、必ず妊娠しているとは限りません。ホルモンバランスの乱れや黄体依存症の影響で高温期が続くこともあるため、妊娠が疑われるときには妊娠検査薬を使用してみましょう。

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、早めに産婦人科を受診することが大切です。また、基礎体温は、妊娠以外でも体の状態を把握するバロメーターになります。継続的に測定する習慣をつけ、自身の健康管理に役立てましょう。

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