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妊娠と出産

妊娠7カ月で気を付けることは?おなかの張りや体重増加等母体の変化も解説

公開日:2024.07.30
更新日:2024.07.30
妊娠7カ月で気を付けることは?おなかの張りや体重増加等母体の変化も解説
妊娠7カ月は妊娠24週目から27週目にあたり、赤ちゃんもどんどん大きくなる時期です。赤ちゃんの成長に伴い、母体にも体重増加等の変化が起こりますが、具体的にどのように変わっていくかよくわからない方もいるでしょう。 そこで今回は、妊娠7カ月の赤ちゃんの様子や母体の変化を解説します。妊娠7カ月頃に注意したいことや過ごし方のポイントも紹介するので、参考にしてみてください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 妊娠7カ月の赤ちゃんの様子

2 妊娠7カ月の母体の変化

3 妊娠7カ月頃に注意すべきこと

4 妊娠7カ月の過ごし方のポイント

5 妊娠7カ月の注意点や過ごし方を知り、出産に備えよう

妊娠7カ月の赤ちゃんの様子

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妊娠中期と呼ばれる期間の最後の1カ月にあたる妊娠7カ月には、赤ちゃんもどんどん成長します。妊娠7カ月頃の赤ちゃんの大きさや成長具合を、具体的に確認しましょう。

妊娠7カ月目の赤ちゃんの大きさ

妊娠7カ月頃の赤ちゃんは、体長35cmほどの大きさです。体重は妊娠24週目には460gほどですが、妊娠27週目には1,300gほどに。多少の違いはありますが、妊娠7カ月の終わりには1kgを超えることが多いです。

※参考:
妊娠7ヶ月(妊娠24週、25週、26週、27週)の胎児と母体の状態-おむつのムーニー 公式 ユニ・チャーム

妊娠7カ月の赤ちゃんの成長具合

妊娠7カ月の赤ちゃんはどんどん成長しており、生まれるときの見た目に近づいていきます。全体的に脂肪がついてふっくらとし、皮膚が厚くなって透明ではなくなるのもこの頃です。手足もしっかりとしてきて、指や足首、くるぶしの形もわかるようになってきます。

体は大きくなっていますが、まだ子宮の容積に余裕がある時期なので、赤ちゃんは自由に体勢を変えられます。脳が複雑に発達し、体の動きを自分でコントロールできるため、頭を下にしたり上にしたりくるくると姿勢を変える状態が、妊娠9カ月頃までは続くでしょう。

妊娠7カ月になると、体の機能の発達も顕著です。妊娠25週目頃には、眼球が働くようになって物を見ることができます。妊娠27週目頃には光の明暗も感じられるようになり、まつ毛も生えるので見た目も産まれる頃の赤ちゃんの様子に近くなっていきます。鼻の穴も開通するため、呼吸のトレーニングも開始されます。聴覚もほぼ完成といえるほど発達するので、母体の中で響いている音や母親の声を聞くことが可能です。

妊娠7カ月の母体の変化

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妊娠7カ月になると赤ちゃんはどんどん大きくなるので、母体への負担も大きくなります。妊娠中期最後の1カ月で、出産間近の妊娠後期に向けて体がどのように変化するのか具体的に確認しましょう。

体重増加と体型の変化

妊娠7カ月頃には、子宮の大きさは22〜25cmほどになります。子宮の位置がおへそより6〜7cm上がり、大きくなったおなかがどんどん前に出るように。大きくなった子宮が内臓を圧迫するため、大小さまざまなトラブルが起こります。

妊娠してからうつ伏せ寝はできなくなりますが、妊娠7カ月頃のおなかの大きさでは、あおむけ寝でも苦しくなり始めます。寝るときは横向きになる等、楽な姿勢を探さなければいけません。

赤ちゃんの成長に伴い、母親の体重も増えますが、体重増加のしすぎには注意が必要です。1週間に300〜500gほどの増加となるよう、体重管理をしましょう。

妊娠7カ月に起こりやすいトラブルを以下で紹介するので、チェックしてみてください。

※参考:
妊娠7ヶ月(妊娠24週、25週、26週、27週)の胎児と母体の状態-おむつのムーニー 公式 ユニ・チャーム
妊娠中の適切な体重増加量について

貧血を起こしやすい

妊娠中は赤ちゃんに酸素や栄養を届けるため、骨盤に血液を送ることになります。そのため、妊娠中は血液量が増えますが、血しょうと呼ばれる液体が増加する一方で赤血球はあまり増えず、血液が薄まった状態に。赤血球を増やすために多くの鉄分が使われるので、貧血に悩まされる妊婦は多いです。

妊娠7カ月やそれ以降になると、赤ちゃんの成長に多くの鉄分が必要とされます。母体に蓄えていた鉄分が赤ちゃんの成長に使われるので、貧血はより深刻に。貧血に伴う息切れや動悸(どうき)、倦怠(けんたい)感、立ちくらみ等が起きることもあります。

貧血がひどい場合は鉄剤が処方されるので、医師に相談してみましょう。日々の食事で補えるよう、鉄分を豊富に含む食材を取り入れるのも大切です。レバーや赤身肉、かつおやいわし等の魚、貝類には、ヘム鉄が豊富に含まれています。小松菜や豆類、海藻類に多く含まれる非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収効率が上昇。ブロッコリーやパプリカ、オレンジ、レモン、キウイ等も併せて摂取してみてください。

急に立ち上がらない、ふらつきを感じたら横になる等、できるだけゆっくりとした動作を心がけたり体を休めたりすることも大切です。

腰痛や背中の痛みが出やすい

妊娠7カ月はおなかが急激に大きくなる時期なので、重心が前気味になります。バランスを取るために背中を反らせた姿勢になりがちで、腰や背中に負担がかかり、痛みが出ることも珍しくありません。また、妊娠7カ月頃に大きくなった子宮は、血管を圧迫するようになります。血流が悪くなった結果、冷えが発生して腰痛がひどくなるケースも多いです。

1回20〜30分程度のウォーキングやストレッチ、マタニティーヨガ等の有酸素運動は、血流改善に効果的なので腰痛対策につながります。冷えによる腰痛が気になるときは、体を温めるために入浴したり、温かい食べ物や飲み物をとったりするのもいいでしょう。

おなかの重さのせいで腰痛や背中の痛みが気になるときは、マタニティーガードルのような妊婦用のサポーターを取り入れるのもおすすめです。腰や背中の負担が軽減されるので、医師に相談したうえで使ってみてください。

胃が圧迫されやすい

妊娠7カ月頃は大きくなった子宮が内臓を圧迫するので、さまざまな不調を感じるようになります。胃も圧迫されるので、胸がつかえたような感覚を覚え、一度に食べられる食事量が減少する方も少なくありません。

食べ過ぎを防げるのはメリットですが、妊娠7カ月は赤ちゃんに届けるための栄養も摂取しなければならない時期です。一度に十分な量を食べられないときは、食事の回数を多めにして少しずつ食べる等の工夫をしましょう。

胃の不快感があるときは、油っぽいものや固いもの等消化の悪い食べ物を避けてください。就寝前の食事も消化不良を引き起こして胃の不快感を強めるため、できれば就寝前の3時間は食事を控えましょう。

妊娠7カ月頃に注意すべきこと

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妊娠7カ月頃は母体に大きな変化がみられるため、いくつか気をつけたいポイントがあります。以下に注意しながら、無理なく過ごせるようにしてください。

妊娠線

妊娠7カ月頃はおなかが急激に大きくなるため、妊娠線ができやすい時期です。妊娠線は、急激な体型変化によって起こる肉割れのこと。おなかが大きくなることで皮膚の表面は伸びますが、真皮はそこまで伸びないため、裂けてしまいます。裂けた部分から毛細血管が透けるので、赤紫色の線に見えるのが特徴です。

真皮は一度裂けると完全には元に戻らないため、できてしまった妊娠線は出産後もそのまま残ります。色は赤紫色から白に近い色に変わるので目立たなくなりますが、肌の凹凸が気になる方も少なくありません。

妊娠線は、できないように予防するのが大切です。乾燥によって真皮が裂けやすくなるため、保湿が重要。保湿クリームやオイル等を使って、肌の乾燥を防ぎましょう。妊娠線防止用のクリームもあるため、使ってみてください。

また、妊娠線はおなかだけでなく、妊娠中に脂肪がつきやすいお尻や太もも、乳房等にできることもあります。食べ過ぎを防いで急激な脂肪増加を抑えながら、保湿ケアを徹底してください。

体重管理

妊娠中は赤ちゃんの分まで栄養を取るためにたくさん食べるべき、という考え方が昔はありましたが、現在では妊娠中の体重管理が推奨されています。

国立研究開発法人 国立健康・栄養研究所の発表によると、妊娠中の適切な体重増加量には体型ごとに差があります。妊娠前にBMI18.5未満の痩せ型だった方は、妊娠中の体重増加量目安が12〜15kg。BMI18.5〜25.0未満の普通体型の方は10〜13kg、25.0〜30.0未満の方は7〜10kgが体重増加量の目安です。

目安を考慮し、医師の指導も受けながら、妊娠7カ月頃も基本的には1週間500g以下の体重増加に抑えるといいでしょう。しかし、食べすぎて体重増加が止まらないと悩む方もいるかもれいません。体重が増えすぎてしまうなら、食事を小分けにして食べる、体調のいいときに少しずつ運動する等の対策が必要です。

ウォーキングやヨガ、スイミング等の有酸素運動は、妊娠中でも無理なく行えて体重増加を抑えられます。日本臨床スポーツ医学会 産婦人科部会では、1週間に2〜3回、1回60分以内の運動を推奨しているため、無理しない範囲で体を動かしてみてください。

参考:国立研究開発法人 国立健康・栄養研究所
参考:日本臨床スポーツ医学会 産婦人科部会

塩分と糖分の過剰摂取

妊娠7カ月頃は、塩分や糖分の過剰摂取にも注意しましょう。妊娠中はつわり等の体調不良の影響で、偏った食生活になりがちです。その結果、塩分や糖分を取りすぎてしまい、健康に悪影響を及ぼすこともあります。

塩分の取りすぎは妊娠高血圧症候群を招くこともあり、重症化すると脳出血や肝臓・腎臓の機能障害につながるだけでなく、赤ちゃんの発育が妨げられることも。糖分の取りすぎは体重の増加や血糖値の上昇を招き、病気を引き起こすリスクが高まります。

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人女性の食塩相当目標量は6.5gで、これは妊婦であっても変わりません。市販のお弁当でも1食分で3〜4gほどの食塩が含まれるので、塩分の取りすぎは意識して回避する必要があります。減塩調味料を活用し、煮物ではなく焼く・ゆでる・蒸す等の調理法を取り入れましょう。取りすぎた塩分を調整してくれるカリウムを多く含む、海藻類や芋類、きゅうりやブロッコリー等の野菜を食べるのもおすすめです。

糖分の取りすぎを防ぐためには、甘いものを買いだめしない方法が有効です。甘いものを食べるときは、血糖値の急上昇を抑えるために少しずつ分けて食べるようにしてください。

参考:厚生労働省

転倒

妊娠7カ月はおなかがどんどん大きくなる時期なので、足元の視界が悪くなります。ちょっとした段差や障害物でつまずきやすくなるため、注意して歩くようにしましょう。

おなかが大きくなってバランスが崩れるのも、転倒しやすくなる理由の一つ。転倒リスクを抑えるために、不安定なヒールではなく歩きやすいスニーカー等の靴を履くのがおすすめです。

おなかが大きい状態では、家事をしていても転倒リスクがあります。洗濯物を低い位置に干す、高いところのものは自分で取らず誰かに取ってもらう等、無理せず転倒リスクを下げる工夫をしてみてください。

妊娠7カ月の過ごし方のポイント

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妊娠7カ月は妊娠中期の最終月で、あと3カ月ほどで出産に至ります。妊娠後期に入る前にやっておきたいことを確認し、出産の準備を進めましょう。

赤ちゃんの名前を考え始める

妊娠7カ月頃には、赤ちゃんの名前を考え始めましょう。赤ちゃんの名前は、生まれてから14日以内に出生届に記入し、市役所や区役所に届け出なければいけません。出産間際になってから慌てないよう、あらかじめ名前の候補を決めておくのがおすすめです。

事前に名前を確定させず、生まれてから赤ちゃんの名前を決めるケースも珍しくありません。事前に決めない場合でも、読み方や画数、使いたい漢字等を絞り込んでおけば、生まれてからスムーズに名付けができるでしょう。

保育園に入れる予定があれば見学に行く

0歳児から保育園入園を予定しているなら、妊娠7カ月頃に保育園の見学を済ませるのがいいでしょう。

4月の入園を希望するなら、前年度の10〜12月頃には入園申込みをしなければなりません。出産後に保育園の見学をして書類を用意しても、申請期限に間に合わないことがあるので、妊娠中に入れたい保育園を選ぶ必要があります。

自宅から通える場所にある保育園の情報を集め、見学の申込みをしましょう。

妊娠7カ月の注意点や過ごし方を知り、出産に備えよう

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妊娠7カ月は妊娠中期の終わり頃であり、赤ちゃんの成長に伴って母体もさまざまな変化をする時期です。おなかが大きくなることによる内臓の圧迫や転倒リスク上昇等、妊娠初期とは異なることに気をつけなければなりません。妊娠7カ月ならではの注意点や過ごし方を理解し、無理なく生活しながら出産準備を進めましょう。

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