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カラダとココロ

更年期はいつからなのか?目安や終わりまでの対策を徹底解説

公開日:2024.08.30
更新日:2024.08.30
更年期はいつからなのか?目安や終わりまでの対策を徹底解説
年齢を重ねてきて、そろそろ「更年期」というものが気になっている方もいるのではないでしょうか。しかし伝え聞く更年期がいったい、いつからなのかと疑問に思っている方もいるかもしれません。 そこで本記事では迫る更年期に疑問をお持ちの方に向け、更年期が始まる目安や終わりまでうまく付き合っていく対策をご紹介します。更年期のセルフチェック方法も解説するので、すでに気になる症状を自覚している人も参考にしてください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 佐藤 綾華
2018/3北海道大学医学部医学科卒業 2018/4-2020/3石巻赤十字病院初期研修修了 2020/4-2021/3石巻赤十字病院産婦人科勤務 2021/4-2022/3東北公済病院産婦人科勤務 2022/5-2023/3東北大学病院産婦人科勤務 2023/4-2024/3仙台市立病院産婦人科勤務
INDEX

1 更年期はいつからいつまでか

2 更年期に実感しだす特徴的な症状

3 更年期の症状をチェックする方法

4 更年期症状の3つの対策

5 更年期障害に関わるよくある疑問

6 更年期がいつから始まるかは個人差がある

更年期はいつからいつまでか

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更年期は個々の体の変化によって左右されるため、人によって始まる時期が異なります。ただ、更年期になる人が多い年齢帯はわかっているため、目安として見ることが可能です。

45歳から55歳が目安

女性の更年期は45歳から55歳が目安です。女性の場合、更年期症状は閉経に向けての10年間で発現します。閉経で女性ホルモンが減少するため、体に多くの変化が訪れるのです。

そこで日本人女性の閉経の平均年齢の50歳から前後5年間を計算し、45歳から55歳が一般的な更年期の年齢としてみられています。

男性は50歳から60歳

男性にも更年期は存在します。男性の場合、更年期は50歳から60歳が目安です。女性と異なり一定年齢でのホルモンの急激な減少はありませんが、男性も男性ホルモンであるテストステロンが徐々に減少していきます。

50歳から60歳はホルモンの減少やライフステージの変化等の影響を受け、最も不調を感じやすくなるといわれています。

なお、日本母性保護産婦人科医会では、男女の更年期障害の治療は40~60歳を基準としています。

プレ更年期は30代後半から

女性の更年期については、「プレ更年期」というものも存在します。プレ更年期とは、更年期を迎える前の30代後半から40代半ばまでの期間のことです。

30代後半から40代半ばは、20代より女性ホルモンの分泌量が減少してくるため、更年期ほどではないものの、さまざまな症状が現われだす場合があるといわれています。

ただし、プレ更年期は医学的なメカニズムが解明されておらず、症状を自覚する人もいますが実際にホルモンの変化があるとは限りません。早期の更年期症状に似た症状はストレスや甲状腺異常等も疑う必要があります。

更年期に実感しだす特徴的な症状

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更年期は身体的・精神的なさまざまな症状が現れます。複数の症状が現れる時もあれば、部分的な症状を自覚することも珍しくありません。

ここからは女性更年期の特徴的な症状をご紹介します。

肩こり・腰痛

更年期では、肩こりや腰痛がより多くなることがあります。

更年期は女性ホルモンが減少することで、ホルモンバランスが崩れます。ホルモンバランスが崩れることで自律神経が乱れ、血液循環を停滞させてしまうのです。

血液循環が悪くなることで老廃物が蓄積し、肩こりや腰痛が起きやすくなります。更年期あたりの年代は加齢による筋力の衰えもあるため、症状を自覚しやすい傾向があります。

ホットフラッシュ・発汗

更年期は、暑くないのに顔がほてるホットフラッシュや発汗の症状もみられます。

これは、ホルモンバランスが崩れることで自律神経が乱れ、適切な体温調節が行われなくなるためです。涼しい場所で暑くないのにのぼせたり、顔がほてったり、逆に気温が寒くても異様に発汗しすぎることがあります。

頭痛・倦怠(けんたい)感・うつ

女性ホルモンの減少によって不安定な気持ちになりやすくなり、頭痛や倦怠(けんたい)感、うつ等の症状が出ることもあります。40~50代は仕事や家事、育児または介護等のストレス要因も抱えやすいため、症状が強くでやすいともいわれています。

皮膚の乾燥・ドライアイ

ホルモンバランスの変化により、自律神経が乱れ、皮膚や粘膜を潤すための分泌系の器官がうまく働かなくなることがあります。その結果、皮膚の乾燥やドライアイが起きやすくなります。

なお、皮膚や目だけではなく、口内の乾燥や逆に唾液の異常分泌が起きることもあります。

更年期の症状をチェックする方法

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更年期による症状が出ているかどうかの判断は、セルフチェックや病院で診断する方法があります。ここからは、それぞれの判別方法と特徴を解説します。

更年期のチェックシートを活用

「簡略更年期指数(SMI)」というチェックシートを使って更年期かどうかをセルフチェックすることができます。

自覚している各症状と程度をチェックし、合計点数を算出する方法です。合計した点数を「更年期指数」と呼び、更年期を評価します。点数によって評価基準が定められており、いまの更年期の状態を推測することが可能です。

ただし、セルフチェックの結果は自己採点なため、実際に更年期障害かどうかは断定できません。実際の判断は病院で診断を受けるのが確実です。あくまで自身の状態を把握し、次の対応を決めるための材料として使用してください。

下記は更年期チェックシートの一例です。症状が気になる方は一度診断してみてください。

症状

症状が強い

症状は中くらい

症状は弱い

症状はない

点数

顔がほてる

10点

6点

3点

0点

汗をかく

10点

6点

3点

0点

腰や手足が冷える

14点

9点

5点

0点

動悸(どうき)・息切れがある

12点

8点

4点

0点

寝つきが悪い・眠りが浅い

14点

9点

5点

0点

怒りやすい・イライラする

12点

8点

4点

0点

憂うつな気持ちになる

7点

5点

3点

0点

頭痛・めまい・吐き気がある

7点

5点

2点

0点

疲れやすい

7点

4点

2点

0点

肩こり・腰痛・手足が痛む

7点

5点

3点

0点

合計

更年期指数の自己採点の評価法は次のとおりです。

【0~25点】・・・これまでの生活を続けて問題なし
【26~50点】・・・食事、運動に注意して無理のないように生活するとよい
【51~65点】・・・医師の診察・生活指導・カウンセリング・薬物治療の必要あり
【66~80点】・・・長期的な治療が必要
【81~100点】・・・精密検査を受ける必要がある/更年期障害である場合は長期的な治療が必要である

参考:厚生労働省

病院で医師による診断

病院で医師による診断を受ける場合は、血液検査・問診・更年期障害以外の病気の調査等が行われます。そのため、より正確に「更年期障害」かどうかを判断することができます。

病院では必要に応じてホルモン療法や薬物療法、医師による生活指導等を受けられるため、症状の改善が期待できます。また、更年期障害と診断された場合は、保険適用の治療を受けることが可能です。症状が辛い方は無理をせず、医師に相談しましょう。

なお、更年期は、婦人科・更年期外来・女性外来で診断してもらえます。精神的症状が辛い場合は、心療内科・精神科の活用もご検討ください。

更年期症状の3つの対策

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更年期を穏やかに過ごすためには、日常生活で体を労わっていくことが大切です。そこで、更年期症状の3つの対策をご紹介します。

生活習慣を改善してセルフケア

更年期はホルモンバランスが崩れるため、生活習慣を改善することが大切です。

例えば食事は主食・副菜・主菜を3:2:1で構成し、規則正しく3食取って、健康的な生活を心掛けましょう。栄養バランスの良い食事を摂取することで、自律神経や体内バランスを整えるのを助けることができます。

また食事には大豆イソフラボンやビタミンEを取り入れるのがおすすめです。

大豆イソフラボンは女性ホルモンの働きを補い、ビタミンEはホルモンバランスを整える等の効果があります。まさに更年期の方におすすめの栄養素です。大豆イソフラボンは豆腐・豆乳等、ビタミンEはかぼちゃ・アボカド等で摂取できます。

もし食事で栄養を取るのが難しそうなら、部分的にサプリメントを活用するのも良いでしょう。

また、食事に加えて適度な有酸素運動を取り入れるのもおすすめです。運動によって筋力の維持、血液の循環、ストレス発散を促すことが期待できます。ウォーキングやヨガといった簡単な有酸素運動で問題ないので、週に3~4回、1回あたり20~30分程度行ってください。

かかりつけ医で定期検診

かかりつけ医で定期健診を受けることも大事です。最初は症状に悩むことがなかったとしても、更年期の10年間の間に症状が悪化することもあります。

少しずつ我慢しているうちに症状が重篤になり、更年期障害と呼ばれる状態まで悪化すれば、日常生活がままならなくなってしまいます。定期健診を受けていれば、状態の変化に早く気がつくことも可能です。迅速に治療できれば、重篤な状態になる前に対策を講じることができるかもしれません。

職場で利用可能な制度を活用

体調が悪いときは、職場で利用可能な制度を活用していきましょう。近年、国では長く働きやすい職場作りを推進しており、多様な働き方の導入をすすめてきました。

例えば遠隔で業務ができるリモートワークや、1カ月で労働時間をコントロールするフレックスタイム制といった働き方の選択肢があります。導入しているかは企業によりますが、もしある場合は活用して働くほうが体調面で楽になります。

また、会社によっては相談窓口が設けられている場合もあります。自身が働きやすくなる制度がないか、相談してみてください。

更年期障害に関わるよくある疑問

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最後に更年期障害に関わるよくある疑問を集めました。今回は3つの疑問に回答していくので参考にしてください。

▼その他、更年期に関する詳細はこちらの記事でも紹介しています。
更年期とはどのような期間か?よくある女性の症状と対策を紹介

自身は更年期障害になりやすいか?

事前にどのような人が、更年期障害になるのか、ならないのかと断言することはできません。更年期にどれだけ症状が強く現れるかは人により個人差が大きいためです。

ただし、傾向として更年期は社会的因子からも影響を受けやすいといわれています。そのため、特に「真面目で完璧主義な人」「絶え間なく頑張っていることがある人」等は更年期障害になりやすいとみられています。

例えば「真面目で完璧主義な人」はストレスを正面から受け取ってしまうため、精神的ストレスの影響を受けて調子が悪くなりやすいです。また、「絶え間なく頑張っていることがある人」も、社会的責任やストレスが大きく、症状に影響を与えやすいです。

発症するかの断言はできませんが、影響を受けやすい傾向として認識しておくとよいでしょう。

閉経時期の計算方法は?

無月経が1年以上続いた場合に、最後の月経の時期を閉経時期として判断します。あらかじめ閉経を計算することはできません。

ただし、子宮摘出をしている方の場合に限っては、ホルモン値によって閉経を判断します。

更年期から注意が必要な病気は?

更年期に入ったら、骨粗しょう症・糖尿病・高血圧・動脈硬化・脂質異常症等に注意が必要です。病気の症状と発症しやすくなる理由は次のとおりです。

病名

症状

更年期に発症しやすい理由

骨粗しょう症

骨量が減り骨折しやすくなる

女性ホルモンの減少で骨を強く保てなくなるため

糖尿病

インスリンが不足し高血糖が慢性的に続く

女性ホルモンの減少でインスリンの働きが弱まるため

高血圧

血圧が高くなる

女性ホルモンの減少や加齢で血管が硬くなるため

動脈硬化

血管の弾力性が無くなる

女性ホルモンの減少で血管の保護作用が失われるため

脂質異常症

悪玉コレステロール、中性脂肪が増加する

女性ホルモンの減少でコレステロールを操作できなくなるため

更年期がいつから始まるかは個人差がある

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女性の更年期は、平均的な閉経年齢の「50歳前後の10年間」が目安です。まれに加齢によるホルモンの減少傾向を受け、30代後半からプレ更年期として体調不良が現れることもあります。そのため、40代が近づいてきたら更年期の可能性を考えておくとよいでしょう。

ただし、更年期が始まっても、更年期の症状がどれほど現れるかは人により異なります。症状を自覚したら病院で更年期かどうかの診断を受け、体調不良の原因を確定させましょう。他の病気の可能性も懸念されるため、不調は医師に相談しておくと安心です。

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