その不調、我慢してやり過ごしていませんか?職場や家族と共有するためのポイントを医師が解説

PROFILE

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2 不調時に家族や周りを頼れている人は全体の3割以下
3 女性特有の健康課題による不調は日常に影響
4 女性特有の健康課題で仕事がつらい場合
5 パートナーとの共有方法
女性特有の健康課題というのは、PMSや生理による不快症状、更年期症状などのことを表します。中には症状が一時的なものも多く、多くの女性がそれを自身の我慢で乗り越えています。
しかし、たとえば生理中の2日間の症状であったとしても、年間に数えると一般的に24日間=約3週間以上もつらさを抱えているということになります。症状が重たい場合はもちろん医療機関を受診するのが最善ですが、ちょっとした不調であれば周囲のサポートなどで負荷を減らすこともできるでしょう。
女性特有の健康課題による不調が日常にどう影響を与えるかということや、その解決策について、板橋中央総合病院の医長である阿部一也医師にお話を伺いました。
不調時に家族や周りを頼れている人は全体の3割以下

アンケートによると、そもそも女性特有の健康課題の経験がある人は全体の7割以上。さらに、その中でも不調時に家族や身の回りの人に頼っているという人は22.5%でした。たとえば仕事や育児にはできるだけ影響を出したくないと考える人でも、日常的な家事の部分でサポートがあれば、体や心への負担は大なり小なり軽減されることもあるでしょう。
しかし、周囲の人に頼っていると回答したわずか約2割の人でも、その相談相手の多くは母や姉妹といった同性の家族や、同性の友人という結果になりました。同性の家族と同居していない人や、すぐに頼れる同性の友人が近くにいない人は、なおさら不調を相談できる相手が見つけられず、自身で不調を抱え込んでいる可能性もあります。
女性特有の健康課題に関する不調は、女性にとって孤独に乗り越えなければならない悩みのひとつともいえるかもしれません。
女性特有の健康課題による不調は日常に影響

では、女性特有の健康課題による不調は、女性の生活にどの程度影響を与えるのでしょうか。アンケートでは、女性特有の不調によって仕事や学業、私生活に影響が出た経験を聞いたところ、いずれも半数以上の人が影響が出たことがあると回答しました。もちろん、影響が出た経験がないとする人でも、不調を自身の我慢によって仕事や学業に影響しないよう頑張っているという結果であるケースも考えられます。

女性特有の健康課題で仕事がつらい場合
特に仕事面では、責任感や立場的なことを鑑みて、女性特有の健康課題による影響を出したくないと考えている女性も多いようです。そこで、これらの不調の際にどうしたら仕事をいつものように乗り越えられるのか、阿部医師にアドバイスを伺いました。

生理やPMSの場合

更年期症状の場合

パートナーとの共有方法
家事や育児といった日常生活においては、不調時にパートナーに頼ることができるのが理想です。特に女性特有の健康課題による不調は、一時的なものであることも多いため、だからこそ、そのときだけでもサポートが得られれば乗り越えやすくなるものです。また、これらの不調はホルモンバランスによる影響が大きいと考えられていて、ストレスというのもホルモンバランスに大きな影響を与える要素です。そのため、頻度が高い不調を一人で抱えなければならないことがストレスになってしまうと、余計に悪循環にもなりかねません。
女性同士であってもなかなか相談しにくいことを、パートナーに相談するためのポイントはどのようなことでしょうか?
