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妊娠と出産

臨月の前駆陣痛は一日中続くことがある?病院受診の目安を解説

公開日:2025.09.10
更新日:2025.09.10
臨月の前駆陣痛は一日中続くことがある?病院受診の目安を解説
「前駆陣痛」は、本格的な陣痛の前に現れることがある症状の一つです。ただし、その感じ方や現れ方には個人差があり、「この痛みはもう出産の始まり?」と不安になる方も少なくありません。特に初めての妊娠では、前駆陣痛と本陣痛の違いがわかりにくく、戸惑うこともあるでしょう。 本記事では、板橋中央総合病院 医長の阿部一也先生にお話を伺い、臨月に起こりやすい前駆陣痛の特徴や本陣痛との見分け方、受診の目安、そして前駆陣痛中の過ごし方について解説します。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 臨月に起こりやすい前駆陣痛とは?

2 前駆陣痛と本陣痛の違い

3 前駆陣痛が起きたときの病院受診の目安

4 前駆陣痛中の過ごし方

臨月に起こりやすい前駆陣痛とは?

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前駆陣痛とは、出産が近づいた時期に子宮の収縮によって起こる痛みのことです。
感じ方は人によって異なり、おなかの下のほうが重く感じる方や、生理のときのような鈍い痛みを覚える方もいます。アンケートによると、出産経験のある女性の55.9%の人が、臨月期に一日中前駆陣痛を体験したと回答しています。

【アンケートデータの調査概要】

調査方法:インターネットアンケート

調査対象:全国 出産経験のある女性

アンケート母数:303名

実施日:2025年7月1日~7月4日

いつから起こる?

前駆陣痛は、妊娠36週以降に起こることが多いとされています。ただし、早い段階から何度も経験する人もいれば、まったく感じない人もいます。
体の変化に敏感になりすぎず、穏やかな気持ちで日々を過ごすことが大切です。

どれくらい続く?「一日中」続くことはある?

前駆陣痛が続く時間も人によってさまざまです。数分で治まることもあれば、何時間も続いたり、ときには一日中痛みを感じる方もいます。実際に、先ほどと同様のアンケートでは、臨月に入ってから一日中前駆陣痛を感じたことがあると回答した人は、27.5%という結果でした。

前駆陣痛と本陣痛の違い

前駆陣痛と本陣痛は、どちらも子宮の収縮によって起こる痛みですが、その特徴には明確な違いがあります。

痛みの強さ

前駆陣痛の痛みは、生理痛のように鈍くて重いことが多く、痛みの強さもそれほど強くありません。中には、下痢のような痛みとして感じる方もいます。
一方で、本陣痛の痛みは強く、だんだんと増していきます。日常の動作がつらくなるほどの痛みになることが多く、息を整えるのが難しいと感じる場合もあります。
押し寄せるように痛みが規則的に続くときは、本陣痛の始まりを疑い、早めに医療機関に相談しましょう。

間隔の違い

前駆陣痛は、痛みの間隔がバラバラなのが特徴です。数分〜数十分おきに痛みがあったかと思うと、しばらく感じなくなることもあります。痛みの強さや間隔があまり変わらないまま続く場合は、前駆陣痛の可能性が高いです。
反対に、本陣痛では痛みの間隔がだんだん短くなっていきます。最初は10分おきだったのが、5分、3分と少しずつ間隔が狭まり、痛みも強まっていきます。このように間隔が規則的に変化していく場合は、本陣痛が始まっているサインです。

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中には前駆陣痛と本陣痛の判別が困難なこともあります。迷ったら病院に連絡してみて問題ありません。

前駆陣痛が起こる原因

前駆陣痛の主な原因は子宮の収縮です。
妊娠後期になると、赤ちゃんが通る道である産道を整えるために、子宮が少しずつやわらかく広がろうとします。その過程で子宮の筋肉がゆるやかに動き始め、前駆陣痛として痛みを感じることがあります。
また、出産が近づくと、ホルモンの分泌が活発になることも、子宮の動きに影響を与えるといわれています。

前駆陣痛が起きたときの病院受診の目安

次のような症状が見られた場合は、迷わずかかりつけ医に相談しましょう。

陣痛の間隔が規則的になった

前駆陣痛では、痛みの間隔が不規則ですが、本陣痛になると痛みが一定の間隔で起こり、だんだんとその間隔が短くなっていきます。
例えば、10分おきに強い痛みがくるようになれば、本陣痛が始まっている可能性があります。
特に初めての出産の場合は、余裕をもって病院へ連絡し、医師や助産師の指示を仰ぐようにしましょう。

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痛みの間隔が短くなり、痛みが強くなって来ている場合は前駆陣痛から本陣痛になってきている可能性があるので、まず病院に連絡してください。

出血がある

臨月になると、少量の出血が見られることがあります。これは「おしるし」と呼ばれ、子宮の入口にある卵膜が、出産に向けて子宮の壁から少しはがれることで起こるものです。
おしるしがあったからといって、すぐにお産が始まるとは限りません。数日後に本陣痛が始まる方もいれば、もっと時間がかかる方もいます。
ただし、出血の量が多い場合や、鮮やかな赤い血が続くようなときは注意が必要です。おしるしかどうかを自分で判断するのは難しいため、不安を感じたときは、迷わずかかりつけの病院に連絡して、医師の指示を仰ぐようにしましょう。

破水した

破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、羊水が外に流れ出ることをいいます。羊水は通常透明か白っぽい色をしていますが、ときにはおしるしが混ざって、薄いピンク色になっていることもあります。
急に水が流れ出たり、「ぴちゃっ」という音とともに何かが破れたように感じた場合は、破水の可能性があります。
感染を防ぐため、清潔なナプキンをあてて、すぐにかかりつけの病院に連絡しましょう。

胎動を感じない

臨月になると赤ちゃんの頭が骨盤に下がって固定されるため、胎動が以前より少なく感じることがあります。
ただし、赤ちゃんの動きが急に少なくなったり、まったく感じなくなったりしたときは注意が必要です。気になるときはすぐにかかりつけ医に相談してください。

前駆陣痛中の過ごし方

前駆陣痛中は焦らず落ち着いて過ごすことが大切です。ここからは過ごし方を紹介します。

リラックスする

前駆陣痛が始まっても、本格的な陣痛に進むまでには時間がかかる場合があります。
慌てて行動する必要はなく、まずは心を落ち着けましょう。
音楽を聴いたり、アロマをたいたり、深呼吸や呼吸法を取り入れることで、心と体の緊張をほぐすことができます。

楽な姿勢でしっかりと休む

前駆陣痛が起きたら、無理に動き回らず、できるだけ楽な姿勢でゆっくりと体を休めましょう。
横になったり、クッション等を使って体を支えたりすることで痛みが和らぐ可能性があります。

入院前の最終確認をする

出産が近づくと、いつ病院へ行くことになるかは予測できません。そのため、入院前の最終確認をしておくと安心です。
入院バッグの中身を確認し、必要な書類や着替え、赤ちゃん用品がそろっているかをチェックしましょう。
また、病院までの移動手段や、緊急時に連絡する人の連絡先も整理しておくと、いざというときに落ち着いて行動できます。

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