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カラダとココロ

【梅宮アンナさんインタビュー】等身大の自分を知るために。がんになって気がついた自分の声

公開日:2025.10.08
更新日:2025.10.08
【梅宮アンナさんインタビュー】等身大の自分を知るために。がんになって気がついた自分の声
10代の頃からファッションモデルやタレントとして活躍している梅宮アンナさんは、2024年8月に、浸潤性小葉がんという乳がんであることを公表。闘病生活を積極的にSNSに綴るなど、乳がんサバイバーとして闘病内容やご自身の想いを発信しています。I'm OK?編集部では、梅宮アンナさんに乳がんがわかってから今までのご自身のことをお伺いしました。

PROFILE

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モデル/ タレント 梅宮アンナ
1972年8月20日生まれ 東京都出身 19歳よりファッションモデル・タレントとして活躍。2024年8月、乳がんの『浸潤性小葉がん』ステージ3であることを公表。抗がん剤治恭則療や右胸の全摘出手術、放射線治療などを受け、現在は投薬治療へ。『標準治療』を選択したこと、抗がん剤の副作用や治療のつらさなど自身の闘病生活についてリアルな想いをSNSで発信、多くの反響がある。また2025年にはアートディレクターの世継恭則氏と結婚し、人生の新たな章を歩み始めている。
INDEX

1 ひとりでは見落としていた自分の変化

2 “がんじゃないって言われた。でも、納得できなかった”

3 “検診を受けていれば見つかる”は、ちょっと違う

4 乳がんを経験して変わった毎日の見え方

5 自分を大切にするために必要な‟備え”

6 「私は大丈夫」なあなたへ、今しか言えないこと

ひとりでは見落としていた自分の変化

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I'm OK?編集部:まずは乳がんが発覚した経緯を教えてください。

梅宮アンナさん:私は毎日お風呂上りに自分の体を見る習慣があります。ある日、いつものように鏡を見ると、左右の胸の大きさが明らかに違う。24時間前に見たときと比べても違う気がする。でもそのときは、私の更年期障害はこうやって現れるんだな…という気持ちしかありませんでした。それで、海外に行っている娘に、そのことをなんとなくLINEで送ったところ、念のため胸の写真を送って!と言われたんです。恥ずかしいという気持ちはありつつも、娘の強い言葉に押されて写真を送ると「これは明らかに普通じゃないから、今すぐに病院に行って!」と言われました。

I'm OK?編集部:娘さんの言葉がなければ病院には行かなかったと思いますか?

梅宮アンナさん:私自身は不調があればすぐに病院にかかるようにしているので、その状態が続けばいずれ病院に行ったとは思います。でも、一定の間様子を見たかもしれません。その日のうちに病院の予約を取るなどアクションを起こせたのは、娘の助言があったからこそですね。先送りにしなくてよかったと思っています。

“がんじゃないって言われた。でも、納得できなかった”

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I'm OK?編集部:それからすぐに病院に行ったんですか?

梅宮アンナさん:乳がんの検査はすぐにはできなかったので、まずはその日に予約を取りました。でも、どんなに早くても検査ができるのは10日後だと言われて、気が気じゃないのもあって、その間にすぐに検査ができて結果も早くわかる他の病院でも検査をしました。

I'm OK?編集部:それで乳がんがわかったということですか?

梅宮アンナさん:実はそうじゃないんです。その病院ではがんではないと診断され、一緒に暮らしている母も、その結果を喜んでいました。でも、自分では違和感が残っていました。まだ安心できない、乳がんなのかもしれない、そういう気持ちで、最初に予約した病院での検査を待っていたところ、ステージ3の浸潤性小葉がんという乳がんだということがわかりました。

“検診を受けていれば見つかる”は、ちょっと違う

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I'm OK?編集部:ステージ3というのは結構進行していますよね。それまでにも乳がんの検診は受けていたんですか?

梅宮アンナさん:はい。毎年人間ドッグに行っていたので、それで一通り検査はしていましたが、異常を指摘されたことはありませんでした。でも、医療も100%ではないし、見つかりにくい場合もあります。私のように浸潤性小葉がんは、マンモグラフィーでは見えづらいがんでもあります。何がいけないということではなく、私にとってはこれより早く気がつけるタイミングはなかったと思っています。検診だけでなく、日々自分で確認する習慣があったので、それでもまだ早く気がつけた方なのかもしれません。

I'm OK?編集部:乳がんを早く見つけるために重要なのはどんなことだと思いますか?

梅宮アンナさん:検診でわかりにくいがんもあるけれど、もちろん検診を受けて見つかるがんもたくさんあります。乳がん検診をしっかり受けることと、日々自分の胸に関心を持つ「ブレスト・アウェアネス」のどちらも重要だと実感しました。

▼ブレスト・アウェアネスの詳細はこちらの記事でご確認ください。
ブレスト・アウェアネスってなに?自分のために習慣化したい「健康のためのバストケア」

乳がんを経験して変わった毎日の見え方

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I'm OK?編集部:乳がんを経験したことで、ご自身の生活や価値観で変わったことはありますか?

梅宮アンナさん:私の場合は、決して悪いことばかりではありませんでした。もちろん乳がんにならなかった方が良かったのは確か。でも、乳がんになる前は、今思うと自分の生きがいみたいなものに対して、100%のエネルギーを注げていない状態でした。乳がんがわかった途端、自分にはやりたいことがたくさんあると再認識したし、一生懸命生きるエネルギーが湧いてきたんです。

I'm OK?編集部:人生観そのものに影響があったということですか?

梅宮アンナさん:まさにそうですね!乳がんだからといって鬱々とした毎日を過ごしたくないと思いました。今はがんに関することを発信して、あとに続く人たちのひとつの例として、こんな生き方もあるんだよって知ってほしい、ほんの少しでも何か参考になること、希望になることを伝えられたらと思っています。

I'm OK?編集部:力強さやポジティブさを感じますが、やっぱり闘病はつらいこともあったのでしょうか…?

梅宮アンナさん:もちろんです!抗がん剤がつらくて病院に行きたくないと思う日もあったし、治療に入る前も髪の毛が抜けてしまうかもと考えると、それが本当に嫌でした。でも、闘病に関しては人より切り替えが早かったかもしれません。自分がファッションの仕事をしてきたからこそ、髪の毛が抜けてウィッグになったとしても、ウィッグで素敵な自分になればいいんだ!と思うようになりました。見た目も心の中も、病気になる前の自分と同じではいられない。変わらないことを望むのではなく、乳がんになる前の自分を忘れないようにしつつ、でも病気を通して新しい自分になろう、と考えが変わっていきました。

自分を大切にするために必要な‟備え”

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I'm OK?編集部:数字でいえば、乳がんは日本人女性の9人に1人がり患する病気です。誰にでも起こりうることという側面で、早期発見や、乳がんになってもエネルギッシュに生きるための備えというのはどんなことがありますか?

梅宮アンナさん:私の場合は父ががんだったこともあり、いつか自分もがんになるだろうなと思っていました。そういう意味では人よりは心構えができていたと言えるかもしれません。自分ががんになってから知ったこともたくさんありますが、正しい知識があればパニックにもならず、闘病へと気持ちを切り替えるまでの時間も早くなります。

あとは保険。がんの闘病は長期間になることも多く、想像以上にお金がかかるということを痛感しています。私もたまたま入っていた保険にとても助けられました。年齢やライフステージに合わせて保険に加入したり見直したりという備えは大事だと思い知りました。

「私は大丈夫」なあなたへ、今しか言えないこと

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I'm OK?編集部:私自身も含め、どこかで危機感を感じながらも、なんとなくまだ大丈夫だろうと思ってしまう人はたくさんいると思いますが、アンナさんから伝えたいことはありますか?

梅宮アンナさん:例えば家族や親しい人にもがんの人がいなければ、なかなか自分ごとにできないのはある程度仕方ないのかもしれません。でも、誰にでも可能性はあるんだということを考えて、まずはどんなことでもいいから乳がんに対して興味を持ってほしいです。そして、日々自分の体に目を向けて、「私は大丈夫?」と問いながら、体の声に目を向けること。私の場合、自分が感じた違和感は、やはり何かのサインでした。

調べてみた結果、なんでもなかったらそれでいいんです。健康だということがわかった、というのも大きな発見。でももし病気だったら、病気というのは1分1秒待ってはくれず、がんのように進行していくものもあります。自分自身に違和感を感じたら、すぐに行動にうつすことが大切です。

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