臨月のお腹に起こる変化とは?張り・下がるサインと症状、過ごし方を解説
PROFILE
1 臨月はいつから?
2 臨月に起こるお腹の変化
3 お腹が下がる
4 臨月のお腹の変化にともなう症状
5 臨月のお腹の変化に合わせた過ごし方
臨月はいつから?
臨月という言葉は医学的な専門用語ではありませんが、一般的には「出産を間近に控えた最後の1カ月」を指します。具体的には、妊娠36週0日から40週0日頃までです。
この時期に入ると、赤ちゃんの成長がほぼ完了し、出産に向けての本格的な準備が始まります。
臨月の母体や胎児の変化については、こちらの記事でも詳しく説明しています。
臨月とは?赤ちゃんやママの状態、よくある不調、過ごし方を解説
臨月に起こるお腹の変化
臨月に入ると、赤ちゃんの成長がほぼ完了すると同時に、母体のお腹にも大きな変化が現れます。ここでは、代表的なお腹の変化について解説します。
硬く張りやすくなる
臨月になると、子宮の収縮が活発になり、お腹が張る回数が増えます。お腹に手を当てて硬さを感じる場合、それは張りが起きている状態です。この張りは、出産に備えた体の自然な準備であり、必ずしも陣痛とは限りません。
この時期には、「前駆陣痛」と呼ばれる不規則な張りを感じることがあります。前駆陣痛は、強さや間隔が一定ではなく、安静にすると落ち着くのが特徴です。
一方、いよいよ出産が始まる「本陣痛」は、時間が経つごとに痛みが規則的になり、その強さも増していくという違いがあります。
臨月の前駆陣痛については、こちらの記事でも詳しく説明しています。
臨月の前駆陣痛は一日中続くことがある?病院受診の目安を解説
お腹が下がる
出産が近づくと、赤ちゃんの頭が骨盤の中へ降りてくるため、お腹が下がったように見えます。これは分娩が近づいているサインの一つです。
ただし、お腹が下がる時期は人によって異なり、中には出産直前まで変化が見られない方もいます。
あくまでも傾向であり、お腹が下がらなくても赤ちゃんの発育や体の状態に問題があるわけではありません。不安を感じたときは、かかりつけの医師や助産師に相談するようにしましょう。
臨月のお腹の変化にともなう症状
臨月になると、お腹の大きさや位置が変わるため、体調にさまざまな変化を感じるようになります。これらはすべて母体と赤ちゃんが分娩に向けて準備を整えている証拠です。ここでは、代表的な症状とその対処法を解説します。
胃の圧迫感が軽くなる
臨月に入り、赤ちゃんの頭が骨盤に下がると、これまで胃を圧迫していた重みが和らぎます。これにより、食事がとりやすくなったと感じる方も多いでしょう。
ただし、一度にたくさん食べると消化に負担がかかるため、食事は数回に分けて少量ずつ摂るのがおすすめです。
頻尿や尿漏れが増える
臨月になると、お腹の重みで膀胱が圧迫され、さらに赤ちゃんが骨盤内に降りてくることで、膀胱にためられる尿の量が少なくなります。
そのため、頻繁にトイレに行きたくなるだけでなく、くしゃみや立ち上がりの際に尿漏れを経験することもあります。清潔を保ちやすい下着や吸水性の高いライナーを活用すると安心です。
便秘になる
子宮の拡大による腸の圧迫に加え、ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなり、便秘になることがあります。
便秘は、腹部の不快感や痔の原因にもつながるため、日頃から水分や食物繊維を意識して摂るようにしましょう。体調が良ければ、無理のない範囲でウォーキングなど軽い運動を取り入れるのも効果的です。
腰痛・恥骨痛・足の付け根が痛む
妊娠後期は、ホルモンの作用で骨盤周りの靭帯や関節が緩みます。その上、大きくなったお腹を支えるために、腰に負担がかかる姿勢になり、腰痛や恥骨、足の付け根に痛みを感じることがあります。
クッションを活用して腰を支えたり、正しい姿勢を意識したりするなどの工夫で、体の負担を減らすことができます。
胎動の感じ方が変わる
臨月に入ると、赤ちゃんは大きく成長し、子宮内で自由に動ける空間が少なくなります。そのため、これまでの激しい動きから、もぞもぞとした動きに変わるなど、胎動の感じ方が変化したり、回数が減少したりする傾向にあります。
ただし、胎動が全くなくなることはありません。もし胎動をほとんど感じられない場合は、すぐに医師に相談してください。
臨月のお腹の変化に合わせた過ごし方
臨月に入るとお腹の大きさや位置の変化により、衣服や靴の選び方、生活習慣に工夫が必要になります。無理なく快適に過ごすためには、体にやさしい工夫を取り入れることが大切です。
ここでは日常生活で意識したいポイントを紹介します。
締め付けの少ない衣服にする

臨月になると、お腹が張りやすくなるため、締め付けの強い衣服は不快感につながります。ワンピースやゆったりとしたマタニティ用の衣服を選ぶと良いでしょう。
ゆったりとした素材は、血行を妨げにくく、むくみ対策にもなります。季節に合わせて、通気性や保温性に優れたものを選ぶと、さらに快適に過ごしやすくなります。
ヒールが低い歩きやすい靴を履く
大きなお腹で足元が見えにくくなるため、臨月にはヒールの高い靴は不向きです。安定感のある低いヒールや、滑りにくい素材の靴を選びましょう。
妊娠中は貧血やめまいで、急にバランスを崩す可能性があるため、安全性を最優先することが重要です。
歩行をサポートしてくれる靴を選ぶことで、転倒を防止し、体への負担も軽減できます。
腹帯や腹巻でお腹を支える
臨月になると、お腹の重みで腰や骨盤に大きな負担がかかりやすくなります。腹帯や腹巻を使うと、お腹をしっかりと支え、姿勢が安定するため、腰痛の予防にもつながります。
腹帯にはさまざまな種類があり、それぞれ締め付けの強さやサポート範囲が異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。使用する際は、必要に応じて医師に相談しましょう。