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妊娠と出産

臨月のおりものの特徴|おしるしとの違いや注意が必要な症状を解説

公開日:2025.12.05
更新日:2025.12.05
臨月のおりものの特徴|おしるしとの違いや注意が必要な症状を解説
臨月に入ると、おりものやおしるしの変化が見られることがあります。これらは出産が近づいているサインである一方で、注意が必要な場合もあります。 本記事では、臨月に見られるおりものやおしるしの特徴、注意すべき症状、そして対処法について板橋中央総合病院 医長の阿部一也先生にお話を伺いし、詳しく解説します。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 臨月に見られるおりものの変化

2 おしるしとは?

3 注意が必要なおりもの・おしるしの特徴

4 臨月におりもの・おしるしがあったときの対処法

5 その他の出産兆候

6 臨月のおりもの・おしるしに関するよくあるQ&A

臨月に見られるおりものの変化

通常のおりものは、粘り気が少なく、さらっとしており、色は薄黄色や白色が一般的です。
しかし、臨月(妊娠36週0日から40週0日まで)には、女性ホルモンの分泌がさらに活発になります。これにより、腟や子宮頸部の分泌液が増え、おりものの量が増える、粘り気が強くなるといった変化が見られることがあります。

おしるしとは?

おしるしとは、出産が近づいているサインとして現れる少量の出血です。これは、子宮口が開き始める際に、赤ちゃんを包んでいる卵膜が子宮壁からわずかに剥がれることで起こります。
おしるしは一度だけでなく、赤ちゃんが生まれるまでの間に複数回見られることもあります。通常は軽度の出血であり、心配する必要はありません。

おりものとおしるしの違い

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おしるしは、おりものに血液が混ざったような状態で現れます。子宮頸管を通る際に血液が粘液と混ざるため、粘性を帯びた分泌物となります。
色調には個人差があり、ピンク色や鮮血のような赤色、または茶褐色とさまざまです。出血量もごく少量で、トイレ使用時にティッシュで拭いた際にわずかに確認できる程度が一般的です。
通常のおりものは粘液のみで血液は含まれていません。
このように、おりものとおしるしの違いを理解しておくことで、出産の兆候を見極めやすくなります。

注意が必要なおりもの・おしるしの特徴

次のような特徴が見られた場合は、感染症や異常出血の可能性もあるため、速やかに医師に相談しましょう。

黄緑や灰色、ポロポロ状

おりものが黄緑色を帯びていたり、泡状の場合は、トリコモナス腟炎の可能性があります。また、ポロポロとしたカッテージチーズ状や、強いかゆみを伴う場合は、カンジダ腟炎が考えられます。
さらに、灰色で生臭いような悪臭を伴うおりものは細菌性腟症の可能性があります。これらはいずれも治療が必要なケースが多いため、早めの受診が重要です。

鮮血・出血量が多い・痛みを伴う

おしるしと区別すべき異常な出血もあります。
● ナプキンを頻繁に交換しなければならないほどの多量の出血
● サラサラとした鮮血が長時間続く場合
● 血の塊を伴う出血
● 強い腹痛を伴う出血
これらは、前置胎盤や常位胎盤早期剥離など、すぐに処置が必要な異常のサインである可能性があります。このような場合は迷わず産院に連絡し、指示に従ってください。

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感染症や不調ではありませんが、おりものが水っぽくなった場合は破水の可能性があるということも覚えておいてください。

臨月におりもの・おしるしがあったときの対処法

臨月におりものやおしるしが見られた場合は、落ち着いて状況を確認することが大切です。

ナプキンをあてて出血量を確認する

おりものや出血が見られたときは、まずナプキンを使用してその量や状態を確認しましょう。ティッシュでは正確に把握しにくいため、清潔なナプキンで観察します。
1時間程度の短時間でナプキンがいっぱいになるほどの出血があれば、通常のおしるしではなく異常の可能性が考えられます。少量であっても不安が強い場合は、自己判断せず速やかに産院へ連絡するのが安心です。

入院の準備をする

おしるしは出産が近いサインであるため、このタイミングで入院準備を整えておいてください。母子手帳や保険証、着替えや衛生用品など必要なものをバッグにまとめておきましょう。
産院までの交通手段を確認しておくことも大切です。タクシー会社の電話番号を控えておいたり、家族に送迎を頼んだりと、いざというときに慌てないよう段取りを確認しておきましょう。

家族・パートナーと連携を図る

おりものやおしるしが見られた時点で、家族やパートナーとも連携を取っておくと安心です。陣痛や破水が始まった際の連絡手段や、立ち会い出産を希望する場合の流れを共有しましょう。
また、上の子がいる場合には預け先をあらかじめ決めておくと、出産時に慌てずに対応できます。
必要とするサポートの内容によっては、家族やパートナー以外にも、産前・産後の母親をサポートする産後ドゥーラを活用するという手段もあります。

産後ドゥーラについてはこちらの記事で詳細をご確認ください。
出産後の不安に寄り添う「産後ドゥーラ」を知っていますか?

その他の出産兆候

臨月には、おりものやおしるしの変化以外にも、体が分娩に向けて準備をしていることを示すサインが現れます。

前駆陣痛

前駆陣痛は、子宮が収縮することで起こる症状です。本陣痛と異なり、収縮の間隔が不規則で痛みも一定ではありません。強さも比較的弱く、休んでいるうちに治まることも多いのが特徴です。
これは出産が近いことを知らせる自然な現象であり、体を本番に慣らす役割を果たしています。

破水

破水とは、赤ちゃんを包む卵膜が破れて羊水が外に流れ出ることです。通常は陣痛が進んで子宮口が全開に近づいたときに起こりますが、陣痛より先に起こるケースもあります。
破水は尿漏れと間違いやすいため、注意が必要です。下着が濡れているにもかかわらず、アンモニア臭がなく、生臭さを感じる場合(または無臭でサラサラした液体が続く場合)は、破水の可能性が高いです。
その際は、感染症を防ぐためにも、すぐに産院へ連絡しましょう。

臨月のおりもの・おしるしに関するよくあるQ&A

ここではよくある質問に対して、阿部医師に聞いてみました。

おしるしがないまま出産することはある?

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基本的には体が分娩に入っていく際には、おしるしが出てくることが多いです。しかし、必ず全員に見られるわけではありません。 おしるしがないからといって心配する必要はなく、他の兆候に注意を払いながら落ち着いて過ごすことが大切です。

おりものが増えたのは出産の兆候?

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おしるしは、子宮頚部付近で卵膜が子宮壁から剥離し、そこからの少量の出血が起こっている状態。その際には確かにおりものも増えることが多いです。出血が体の外に排出されるほどの量でない場合にはおりものだけが増えたと感じたり、そもそも卵膜が剥離しようとしている段階でおりものが増えたりということもよくあります。

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