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カラダとココロ

更年期を我慢で乗り切らない。からだとこころを労わるための適切な対策は?

公開日:2026.03.10
更新日:2026.03.10
更年期を我慢で乗り切らない。からだとこころを労わるための適切な対策は?
更年期の症状は、ほてりや発汗、不眠、動悸といった体の変化だけでなく、気分の浮き沈み、やる気の低下、不安感等心にも現れます。症状の出方やつらさは人それぞれで、周囲に理解されにくいことも少なくありません。以前の自分と違うことに不安を感じる人も多い更年期症状への、適切な対処法を理解しておきましょう。

PROFILE

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久保田産婦人科病院 医員 西野 枝里菜
名古屋大学医学部医学科卒業。現在は久保田産婦人科病院に勤務。産婦人科専門医。
INDEX

1 更年期の期間や症状

2 医師が勧める更年期対策

3 年代別の対策

4 更年期を少しでも楽にするための考え方のヒント

5 更年期に関するよくある質問

更年期の期間や症状

更年期は、女性の体と心に大きな変化が訪れる時期です。閉経を挟んだ数年間、女性ホルモンの急激な変動により、さまざまな不調を感じやすくなります。まずは更年期の期間と、代表的な症状について正しく知ることが大切です。

更年期は閉経の前後5年間

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更年期とは、一般的に閉経を迎える前後5年間、合計10年の期間を指します。この時期、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量は、なだらかに減るのではなく、大きく揺れ動きながら急激に低下していきます。イラストで見ると、これまで安定して分泌されていたエストロゲンが、ジェットコースターのように上下しながら減っていく様子が分かります。このホルモンバランスの乱れに、体や脳がうまく対応できず、不調が起こりやすくなるのが更年期の特徴です。

更年期に現れる症状と更年期障害

更年期には、ほてりや急な発汗が起こるホットフラッシュをはじめ、頭痛、めまい、動悸、肩こり等の身体症状がよく見られます。また、理由もなくイライラしたり、気分が落ち込んだり、不安感が強くなる等、心の変化を感じる人も少なくありません。

これらの症状の現れ方や程度には個人差がありますが、日常生活に支障を来すほど症状が重い場合は「更年期障害」と呼ばれます。我慢せず、適切な対処やサポートを考えることが重要です。

医師が勧める更年期対策

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更年期の不調は「年齢のせい」と我慢する必要はありません。日々の生活習慣を少し見直すだけでも、症状が和らぐケースは多くあります。ここでは医師も勧める、更年期を穏やかに乗り切るための基本的な対策を紹介します。

栄養バランスのとれた食事

更年期対策の基本は、栄養バランスの整った食事です。特に注目されるのが、大豆製品に含まれる大豆イソフラボン。エストロゲンと似た働きを持つため、豆腐や納豆、豆乳等を積極的に取り入れるようにしましょう。

また、カルシウムやたんぱく質、ビタミン類も意識したい栄養素です。一方で、更年期以降は基礎代謝が徐々に低下するため、若い頃と同じ量を食べていると体重が増えやすくなります。腹八分目を意識し、カロリーはやや控えめにすることも大切です。

質の良い睡眠

睡眠は、自律神経やホルモンバランスを整えるために欠かせません。更年期は寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりしやすい時期ですが、理想的な睡眠時間は6〜9時間程度とされています。

長さだけでなく「質」も重要で、就寝前にスマートフォンを見続ける習慣は控えたいところです。ぬるめのお風呂に入る、照明を落とす等、眠りに入りやすい環境づくりを意識しましょう。毎日同じ時間に寝起きすることも、体内リズムを整える助けになります。

軽い運動

更年期の不調対策には、無理のない運動を習慣にすることも効果的です。激しい運動をする必要はなく、ウォーキングやストレッチ等、体に負担の少ないもので十分です。10分程度でも構わないので、できるときにコツコツ続けることがポイントです。

体を動かすことで血流が良くなり、肩こりや冷えの改善、気分転換にもつながります。完璧を目指さず、通勤時に一駅分歩く、寝る前に軽くストレッチをする等、日常生活の中に自然に組込むと続けやすくなります。

ストレスケア

日頃からストレスを抱えやすい人ほど、更年期症状が強く出やすい傾向があります。ストレスは自律神経の乱れを招き、ほてりやイライラ、不眠等を悪化させる原因になることも。意識的にリラックスする時間を持つことが大切です。深くゆっくり呼吸する腹式呼吸や、好きな香りを楽しむアロマテラピーは手軽に取入れやすいので、試してみてください。音楽を聴く、温かい飲み物を飲む等、リラックスできる習慣を見つけることが、体と心の負担を軽くします。

病院を受診する

症状がつらい場合は、我慢せず病院を受診することも大切な選択肢です。婦人科やホルモン外来では、更年期の状態に合わせた治療やアドバイスを受けることができます。代表的な治療法のひとつがホルモン補充療法(HRT)で、減少したエストロゲンを補うことで症状の改善を目指します。費用は治療内容にもよりますが、保険適用で月数千円程度が目安です。不安や疑問を医師に相談し、自分に合った対策を見つけましょう。

年代別の対策

更年期は「何歳から始まる」と明確に決まっているものではなく、閉経を挟んだ前後約10年間を指します。そのため、実際に閉経するまでは自分が更年期のどの段階にいるのか分かりにくいのが特徴です。ここでは年齢をあくまで目安として、年代別に意識したい対策を紹介します。

40代前半:プレ更年期のケア

40代前半は、目立った症状がなくてもホルモンバランスが少しずつ変化し始めるプレ更年期と呼ばれる時期です。この段階で大切なのは、生活リズムを整えること。毎日決まった時間に寝起きし、3食をできるだけ規則正しくとることで、自律神経とホルモンの安定につながります。極端なダイエットや睡眠不足は、ホルモンの乱れを助長しやすいためおすすめできません。この時期から体調の変化に目を向け、無理をしすぎない習慣を身につけることで、将来の更年期症状を軽くする土台になります。

40代後半:症状が出始める時期

40代後半になると、ほてりやイライラ、不眠等、更年期特有の症状を感じ始める人が増えてきます。ここで我慢せず、早めにケアを取り入れることが重要です。大豆イソフラボンのようなサプリメントや、体質に合わせて処方される漢方薬も、症状緩和の選択肢のひとつとして覚えておいてください。また、少しでも不安があれば婦人科で相談するのもおすすめです。早期に自分の状態を知り、適切な対策をすれば、症状が重くなるのを防ぎやすくなります。

閉経期の体と心のケア

閉経を迎える頃にはエストロゲンの分泌が大きく減少し、体の変化がよりはっきりと現れます。特に注意したいのは、骨粗しょう症と代謝の低下です。しっかり骨密度を保つために、カルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動を意識しましょう。また、太りやすくなる時期でもあるため、食事の量や内容の見直しも意識してみましょう。また、メンタル面では気分の落ち込みや不安を感じやすくなる人もたくさんいます。体と心の両方をケアする視点を持ち、必要に応じて医療のサポートを受けることが大切です。

更年期を少しでも楽にするための考え方のヒント

更年期は、誰にとっても体が大きく変化する時期です。これまでと同じ働き方や生活リズムに無理が出るのは自然なことだということを、まずは自身が理解して、無理をしないことが大切です。仕事量や睡眠時間を見直し、今の自分の体に合った過ごし方を考えてみましょう。また、つらさを家族や周囲に共有することで、理解やサポートが得られ、心身の負担が軽くなることも多くあります。

更年期に関するよくある質問

更年期については、相談先や病院での治療が可能なのかといったこと等、分からないことも多いものです。ここでは、特に多く寄せられる疑問について分かりやすく解説します。

更年期症状はいつまで続くの?

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更年期症状が続く期間には個人差がありますが、一般的には閉経後数年で落ち着いていく人が多いとされています。数年で軽くなる場合もありますが、個人差があり長引く人もいます。症状が重く、つらい状態が続く場合は、我慢せず医師に相談することで楽になることもあります。

家族や職場への上手な伝え方は?

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更年期のつらさは見た目では分かりにくいため、誤解されがちです。更年期で体調に波があることや、最近疲れやすい、といった事実をシンプルに伝えるだけでも、理解が得られやすくなります。全てを説明しようとせず、困っている点を具体的に共有してみてください。

更年期の症状なのか、他の不調なのか判断できない場合はどうしたらいい?

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更年期の症状には本当にさまざまなものがあるので、他の病気の症状と重なることも少なくありません。年齢によるものと自己判断せず、不安があれば婦人科や内科を受診しましょう。検査で異常がなければ、更年期による不調の可能性が考えられます。
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