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カラダとココロ

生理痛がひどいときはどうする?原因や対処法をわかりやすく解説

公開日:2024.03.27
更新日:2024.05.13
生理痛がひどいときはどうする?原因や対処法をわかりやすく解説
同じ女性でも、人によって痛みの強さが異なる生理痛。1カ月のうち数日だけだからと気にしないようにしていたものの、だんだんと痛みによって日常生活に支障が出始めて困っている方もいるのではないでしょうか。 ひどい生理痛がある場合、我慢せず適切な対処をすることが大切です。この記事では、生理痛がひどくなる原因や対処法を紹介します。

PROFILE

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専門家/エキスパート 馬場 敦志
筑波大学医学専門学類卒業/現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 ひどい生理痛は我慢しないで

2 生理痛がひどくなる5つの原因

3 生理痛がひどいときの5つの対処法

4 生理痛がひどい人は知っておくべき制度

5 生理痛がひどい際の気になる疑問

6 まとめ:ひどい生理痛は我慢しない!セルフケアや病院で改善しよう

ひどい生理痛は我慢しないで

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生理痛は、生理の直前から生理中の期間に起こる痛みです。生理中は子宮が収縮するため、下腹部を中心にお腹や腰に痛みが発生。子宮が強く収縮すると、生理痛もひどくなってしまいます。

生理痛の原因は、後ほど紹介するようにさまざまなものがあります。原因によっては、痛みを我慢し続けると不妊のリスクが高まることも。つまり、ひどい生理痛を我慢していては、将来的に悪影響を及ぼす可能性が高いといえます。

生理痛は個人差があるため、男性だけでなく女性同士でも理解してもらえないこともあるでしょう。しかし、自身がつらいと感じるのであれば、我慢は禁物です。ひどい生理痛を我慢せず、原因を探って適切な対処をする必要があります。

生理痛がひどくなる5つの原因

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生理痛がひどくなる原因は、ひとつではありません。人によって原因は異なるので、自分の生理痛は何が原因でひどくなっているのか理解することが大切です。生理痛がひどくなる原因として考えられることを、ここで確認しましょう。

誰でもありえる「ストレス」

生理痛がひどくなる原因として、ストレスが挙げられます。

生理になるときは、不要な子宮内膜を体外へ排出するために、子宮内膜でプロスタグランジンという物質が作られます。プロスタグランジンは、はがれた子宮内膜を血液と一緒に経血として体外へ出すために重要な働きをする物質ですが、増えすぎると子宮の収縮が強くなり、生理痛がひどくなるのです。

心理的・身体的なストレスがかかると、生理痛が強くなります。これはストレスによって体が緊張状態になり、血流が悪くなることでプロスタグランジンが過剰に分泌されるからです。

ストレスと聞くと日々の仕事や人間関係等が原因だとイメージされる方も多いですが、転職や引っ越しといった環境の変化もストレス源となり得ます。知らず知らずのうちにストレスを抱えて生理痛の悪化を招いている可能性もあるということを覚えておいてください。

思春期特有の「成長の未熟さ」

生理痛のひどさは、年齢によるものかもしれません。ひどい生理痛の原因のひとつに、子宮の成長の未熟さが挙げられるからです。

若い女性は子宮が未熟であり、子宮口も未発達なことがあります。そして子宮頸管という子宮の下側にある部分が狭いので、経血がスムーズに流れません。狭い通路を子宮内膜や血液が無理に通過しようとするため、痛みの原因物質であるプロスタグランジンが子宮をぎゅっと収縮させることで外に出そうとします。その結果、子宮口に圧力が加わって強い痛みが発生するのです。

特に病気がない思春期の方や妊娠を経験したことがない方は、子宮の未熟さが原因で生理痛がひどくなっているケースが多いようです。この場合は、出産を経験すると生理痛が軽減する可能性があります。

女性に多い「血行不良」

女性に多くみられる血行不良が、ひどい生理痛を招いていることがあります。血行が悪くなると、生理痛を強くする原因物質であるプロスタグランジンが骨盤の内部に溜まりやすくなるため、痛みが強くなってしまうからです。

女性は男性に比べて、筋肉が少なく脂肪が多い体つきです。筋肉は熱を生み出しますが、女性は筋肉が少ないため熱量が下がり、体温を低下させてしまいます。体温が下がって冷え性になると血行が悪くなるので、生理痛が悪化しやすくなります。

また、筋肉が少ないという体質だけが問題というわけではありません。知らないうちに血行を悪化させる行動を取っている女性もいるため、注意が必要です。たとえば運動不足や水分不足は、血行を悪くしてしまいます。ほかに、窮屈な衣類や靴を着用することで体が圧迫されて血行が悪くなったり、ストレスや不規則な生活によって自律神経が乱れ、血行が悪化したりすることもあります。

経血を押し出す際の「子宮の収縮」

プロスタグランジンは、月経時に子宮を収縮させて、月経血を子宮外に押し出す役目があります。生理痛は子宮収縮の際の痛みが原因となるため、プロスタグランジンが過剰に分泌される人等は、子宮収縮が多く、痛みを感じやすい傾向があります。これは体質的なものが原因となるケースが多く、痛み止めの処方等で対策をする必要があるでしょう。

病気が原因の痛み

日常生活に支障が出るほど生理痛がひどいと、月経困難症と診断されます。月経困難症は、原因によって機能性月経困難症と器質性月経困難症に分けられます。

機能性月経困難症とは、子宮口が狭くなっていたり血行不良になっていたりするのが原因で、明らかな疾患はありません。病院を受診して特に病気が見つからなかったけれど生理痛がひどいという方は、機能性月経困難症に該当します。

一方、婦人科系の疾患が原因で生理痛がひどい場合は、器質性月経困難症となります。器質性月経困難症は加齢とともに増加していき、20代後半以降から多くみられるのが特徴です。病気が原因で生理痛がひどくなっているのであれば、病気の治療を優先させる必要があります。

生理痛がひどくなる婦人科系疾患として、以下の3つが挙げられます。

30代前半がピークの「子宮内膜症」

子宮内膜症は、本来であれば子宮内膜にしかない組織が子宮の内側以外の場所で発生し、育ってしまう疾患のことです。子宮の内側以外でできてしまった子宮内膜組織は、生理がくるたびにはがれて出血します。それが何度も繰り返されるうちに周辺の組織にくっついてしまい、はがれにくくなって強い痛みをもたらします。

子宮内膜症は20〜30代で発症するケースが多く、生理がある女性のうち10人に1人は発症するとされています。しかし、子宮内膜組織が子宮の内側以外の場所にできてしまう理由は明確になっていません。

子宮内膜症は生理のたびに進行するので、生理痛がどんどんひどくなっているという自覚がある場合は子宮内膜症の可能性があります。早めに病院を受診し、治療を始めることが大切です。

参考:公益社団法人日本婦人科腫瘍学会

子宮内膜症の主な症状

● 生理痛をはじめとする痛み
● 不妊

発生場所で痛みがひどくなる「子宮筋腫」

子宮筋腫は、子宮の内部に良性の腫瘍(こぶ)ができる疾患です。腫瘍といっても、悪性の腫瘍であるがんとは違います。小さく手術が不要なものも含めると、30歳以上の女性の2〜3割に子宮筋腫がみられるので、そこまでめずらしい病気ではありません。できる場所やこぶの大きさによって、症状はさまざまです。

筋腫は、卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなっていきます。閉経後には小さくなるため、こぶが小さく特に症状がない場合は治療の必要もありませんが、ひどい生理痛やその他の症状がある場合は手術や薬で治療をするのが一般的です。

子宮筋腫の主な症状

● ひどい生理痛
● 経血量の増加
● 貧血
● 腰痛
● 頻尿
● 不妊
● 流産

参考:公益社団法人 日本産科婦人科学会

40代で不安がある「子宮腺筋症」

子宮腺筋症は、子宮内膜と同じような組織が子宮の筋肉の内部にできる病気です。子宮筋腫と同じように、女性ホルモンの影響で組織が大きくなりますが、閉経後に小さくなります。子宮腺筋症は女性の2〜3割がかかり、子宮内膜症や子宮筋腫を合併していることもあります。

症状が軽い場合は治療の必要がありませんが、場合によっては子宮が正常な大きさの2〜3
倍になることも。ひどい生理痛を始め、疑わしい症状がある場合は、MRIを用いて診断したうえで治療が必要です。

子宮腺筋症の主な症状

● ひどい生理痛
● 下腹部の痛み
● 膀胱や直腸の圧迫感
● 貧血

参考:白山レディースクリニック

生理痛がひどいときの5つの対処法

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生理痛がひどい状態が続いているものの、忙しい日々に追われて何の対策もできていない方も少なくないでしょう。しかし、生理痛に効果的な対処法はいくつかあるので、取り入れることでつらい症状を緩和できる可能性があります。毎月の不調を乗り越えるためにも、以下の対処法を実践してみましょう。

身体を冷やさない食事・生活

身体の冷えが、ひどい生理痛を引き起こしている場合があります。身体が冷えると血流が悪化し、プロスタグランジンが過剰に分泌されて強い痛みにつながることも。ひどい生理痛に悩んでいるのであれば、生理期間中はもちろん普段から冷えの改善に努めましょう。

ひどい生理痛がある場合は、下腹部や腰にカイロを貼るのがおすすめです。腹巻きやひざ掛け等を利用して、日頃から下腹部や骨盤周りを温めることも冷えの改善につながります。夏場の冷房の使用等で知らないうちに身体が冷えてしまっていることもあるので、できるだけ意識して温める行動を心がけましょう。

毎日シャワーだけで済ませることも、身体の冷えにつながります。できるだけお湯に浸かる習慣をつけることで身体の冷え防止になるほか、リラックス効果も期待できます。

冷え性の自覚があるなら、普段の食事にも気をつけてみましょう。食品には、体を温めるものと冷やす物があります。一般的に冬が旬で寒い地方で育つものや発酵食品は体を温めますが、夏が旬で暖かい地方で育つものや水分が多いものは体を冷やす傾向があるため、身体の状態をみながら適切に取り入れてみてください。

身体を温める食品の例
● 炭水化物:玄米、そば、全粒粉パン
● 肉類:牛、豚、鶏
● 魚介類:赤身魚、青魚
● 野菜:かぼちゃ、生姜、ネギ、ニラ
● 発酵食品:納豆、キムチ、味噌
● 調味料:唐辛子、黒酢、甜菜糖

身体を冷やす食品の例
● 炭水化物:白米、うどん、白いパン
● 野菜:キャベツ、レタス、大根、トマト、ナス、キュウリ
● 果物:スイカ、メロン、梨
● 乳製品:牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム
● 調味料:白砂糖、酢

日頃のストレスを発散

ストレスが溜まると生理痛の悪化につながることがあるので、日頃のストレスは適度に発散させましょう。最も手軽なのは、深呼吸を取り入れることです。深呼吸をすると副交感神経が刺激され、身体がリラックス状態になります。ストレス解消法は人によって異なるため、以下を参考にしながら自分に合う方法を取り入れてみてください。

ストレス発散方法の例
● 運動やストレッチで体を動かす
● ぐっすりと眠る
● 趣味に没頭する
● 親しい人と話してたくさん笑う
● 日光浴をする

ストレス発散のためにお酒を飲む方もいますが、アルコールは睡眠の質を下げたり酔いから覚めたときに反動で気分が落ち込んだりすることがあるため、飲み過ぎはよくありません。また、ストレスが溜まるとタバコの本数が増える方もいますが、喫煙後時間が経過するとニコチンの血中濃度が下がり、ストレスを増加させてしまうので注意しましょう。

生理痛向けのツボを指圧

ひどい生理痛を緩和させるためには、ツボ押しも効果的です。ツボを押すときはリラックスして、気持ちいいと感じる程度にやや強めの力で押しましょう。息を吐きながらツボを押し、力を抜くタイミングで息を吸うのが基本の呼吸法です。

生理痛に効果的なツボ
● 血海(けっかい):ひざの内側、ひざの皿から指4本分上
● 三陰交(さんいんこう):足の内側、くるぶしの1番高いところから指4本分上
● 気海(きかい):おへそから指1〜2本分下
● 腎兪(じんゆ):背中側、あばら骨の1番下のおへその高さあたり、背骨から左右指2本分

生理痛向けの市販薬を服用

ひどい生理痛を緩和したいのであれば、生理痛向けの市販薬を服用するのもよいでしょう。生理中の強い痛みを抑えるのは、鎮痛剤です。生理痛に効果的な市販薬の種類は大きく分けてNSAIDs(ロキソプロフェン、イブプロフェン)とアセトアミノフェンなので、いずれかを選ぶようにしてください。

種類

NSAIDs

・効果が強め

・胃腸の副作用が起きることがある

・15歳未満が服用できる市販薬はない

アセトアミノフェン

・効果が穏やか

・胃腸の負担が少ない

・15歳未満の方や授乳中の方も服用できる

病院で相談・治療

鎮痛剤を使っても強い痛みが続く、セルフケアに限界を感じるような場合は、病院で相談し、治療を受けるのがおすすめです。ひどい生理痛の影には、病気が隠れていることもあります。婦人科を受診することで、病気の早期発見や速やかな治療につなげることができるかもしれません。

病気によっては、10代や20代ではあまり発症せず、30代以降に発症する確率が上がるものもあります。以前ひどい生理痛で病院を受診し、特に病気が見つからなかった場合でも、年数が経っているのであれば病院で相談してみましょう。

病気が見つからなかった場合でも、低用量ピル等つらい症状を緩和するための方法について説明を受けられます。医師のアドバイスをもとに自分に合った方法を試せるので、ひどい生理痛は我慢せず、病院で相談してみてください。

生理痛がひどい人は知っておくべき制度

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生理痛がひどいときでも仕事を休めず、つらい思いをしながら行動している方もいるでしょう。しかし、生理痛がひどいときに使える制度は存在します。つらいときは我慢せず、制度を活用してみてください。

就業者の生理休暇

ひどい生理痛がある女性は、生理休暇を使うことができます。意外と知られていませんが、生理休暇は労働基準法第68条で定められている労働者の権利です。生理痛がひどい女性が休暇を請求したときは就業させてはいけないと労働基準法で決められているので、就業規則で生理休暇について言及していない企業でも休暇を取得できます。

メールや電話で生理休暇の取得を伝えなければならないのか、システムから申請を行えばよいのかあらかじめ確認しておきましょう。とはいえ、生理休暇を使いたいと上司や勤怠管理担当者に伝えることに抵抗がある方もいるでしょう。しかし、生理休暇は女性が健康に働くために必要な制度です。生理休暇を取得した日に仕事をカバーしてくれた方に感謝を伝える、上司に通院する旨を説明する等、周囲に配慮しながら必要なときに利用しましょう。

ひどい生理痛の対処で保険適用

生理痛を緩和させる薬として、婦人科で低用量ピルが処方されることがあります。しかし、低用量ピルは毎日飲み続けなければならないので、種類によっては出費がかさんでしまうのが難点です。実際に、費用面で低用量ピルの使用を躊躇っている女性もいるでしょう。

しかし、病院で処方してもらえる低用量ピルには、LEPと呼ばれる保険適用のものがあります。保険適用のピルであれば費用を抑えられるので、無理なく続けることができるでしょう。ピルは種類によっては副作用が出る場合もあるため、医師と相談しながら処方してもらうものを決めることが大切です。

生理痛がひどい際の気になる疑問

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生理痛がひどいときは、一般的な痛みの程度や病院の選び方等が気になることもあるでしょう。ここで、ひどい生理痛に悩む方が覚えておいたほうがいいポイントを紹介します。

生理痛はどの程度からがひどいと考えられる?

生理痛のレベルは、大きく以下の3段階に分けられます。

生理痛レベル

特徴

・腹痛や腰痛、頭痛がある

・座ったり立ったりするのがつらいほどの痛み

・仕事や学校を休んでしまう

・鎮痛剤がなければ過ごせない

・腹痛や腰痛、頭痛がある

・痛みに耐えられず横になることがある

・鎮痛剤が必要になることもある

・腹痛や腰痛、頭痛等がない、あっても痛みが軽い

・日常生活に支障がない

・鎮痛剤は不要

ただし、上記の表やさまざまなサイトで紹介されているセルフチェックは、あくまでも参考情報です。自分が本当につらいと感じるのであれば、早めに病院で相談しましょう。

生理痛で相談する病院はどこがよい?

ひどい生理痛について病院で相談したい場合は、婦人科へ行く必要があります。婦人科を選ぶときは、以下のポイントに注目してみましょう。

● 女性の医師の方が安心な人は女性医師かどうかを確認
● 通いやすいか
● 評判が悪くないか

婦人科では内診を受けることになるため、女性医師に担当してもらったほうが緊張しないという方もいるでしょう。女医が勤務している婦人科でも担当曜日が決まっていることがあるので、あらかじめ女医がいる日を確認しておくのがおすすめです。

また、生理痛の治療をする際には、通いやすい場所に婦人科があることも重要です。低用量ピルを始めとする薬を処方してもらう場合は数カ月に一度通わなければならないケースもあるため、無理なく通える場所にある婦人科を選びましょう。

また、通い始める前に、婦人科の評判をチェックしておくと安心です。医院名で検索すると口コミを確認できることも多いので、安心して通えるかどうか見ておきましょう。

まとめ:ひどい生理痛は我慢しない!セルフケアや病院で改善しよう

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ひどい生理痛に悩んでいるものの、病気ではないという意識があるためつい我慢してしまう方は少なくありません。しかし、病気が隠れていなかったとしても、生理痛のせいで元気に過ごせないのであれば対策は必要です。

セルフケアを取り入れたり病院で薬をもらったりすることで、生理痛の症状は緩和できる可能性があります。ひどい生理痛は我慢しなくてもいいと理解し、早めに対処しましょう。

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