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妊娠と出産

妊娠初期に生理痛があるのはなぜ?原因と適切な対処法を解説

公開日:2024.03.27
更新日:2024.03.27
妊娠初期に生理痛があるのはなぜ?原因と適切な対処法を解説
女性の体は、妊娠をきっかけとしてさまざまな変化が起こります。そのなかでも不安に思いやすいのが、生理痛のような痛みや出血です。妊娠している可能性があるけれど出血が起こった場合、このまま放置しても問題ないのか心配に思ってしまうこともあるでしょう。 そこで今回は、妊娠初期に生理痛や出血がある理由について解説します。出血や痛みの原因や対処法、妊娠初期の過ごし方なども説明するので、参考にしてみてください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 妊娠初期の着床出血と生理の違い

2 妊娠初期には生理に似た症状が出やすい

3 妊娠初期に生理痛のような痛みが起こる原因

4 妊娠初期に生理のような出血や痛みがある場合の対処法

5 妊娠初期に生理痛がある場合は病気の可能性も

6 妊娠初期の過ごし方のポイント

7 まとめ:妊娠初期に生理のような症状がある場合は、慎重に行動しよう

妊娠初期の着床出血と生理の違い

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妊娠初期に、出血や生理痛のような痛みがあり、妊娠継続に問題がないかと心配になってしまう女性は少なくありません。妊娠初期には、着床出血という生理とよく似た出血が起こることがあります。着床出血なのか生理なのか見分けるのは難易度が高いですが、以下のポイントに注目すれば判断しやすいでしょう。

出血量や血の色

妊娠初期の着床出血と生理の経血は、量に違いがみられることが多いです。一般的に、生理時の出血よりも着床出血のほうが血の量が少ない傾向があります。生理の際は血の塊が出る場合もありますが、着床出血では血の塊が出ることはほとんどありません。

ただし、出血量には個人差があるため、量だけで判断するのは難しいでしょう。着床出血の際にショーツやおりものシートがすこし汚れるだけで済んだ方もいる一方で、ナプキンが必要なほど多くの血が出た方もいます。

また、着床出血と生理では血の色も異なります。生理の血は赤から暗赤色であることが多いですが、着床出血の血の色は人によって大きく違うのが特徴です。おりものに血がすこし混ざったようなピンク色のこともあれば、真っ赤だったり茶色だったりすることもあります。人によっては生理と着床出血の血の色が似ていて、どちらか判断しにくいかもしれません。

出血が続く期間

着床出血と生理の出血は、続く期間にも違いがあります。生理の出血は、平均して3〜7日間で終了します。それに対し、妊娠初期の着床出血は平均1〜2日間、長い場合も3〜4日間で終了するケースが多いです。

普段の生理が1週間ほど続く方は、出血したものの短期間で終了した場合に着床出血かもしれないと判断できるでしょう。しかし、普段から生理の日数が短い方は、着床出血であると気づかないケースもあります。

腹痛のレベル

妊娠初期の着床出血と生理は、腹痛のレベルも違います。着床出血は、生理痛ほど強く痛むことはあまりありません。軽い生理痛と同じくらいの痛みと表現されることもあります。

着床出血と生理は、一般的には痛みの感じ方も違うものです。生理痛は下腹部が重く感じるズキズキとした痛みと表現されることが多く、着床出血はちくちくとした痛みがあるとよく表現されます。生理痛のように激しく痛むことはあまりないものの、普段の生理とはすこし違うような痛みがある場合は、着床出血の可能性があります。

妊娠初期には生理に似た症状が出やすい

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妊娠初期の女性の体はすこしずつ変化を始めているので、違和感を覚えることもあるでしょう。妊娠初期に出る症状の中には、生理に似ているものもあります。そのため、生理だろうと判断して妊娠に気づくのが遅れてしまうケースも少なくありません。妊娠初期に出る症状のうち、生理と似ているものを確認しましょう。

生理痛みたいな痛み以外に起こる、身体的な症状

妊娠初期に起こることが多い身体的な症状として、以下のようなものが挙げられます。

● 腹痛や下腹部痛
● 腰痛
● 乳房の張り
● めまい
● 立ちくらみ
● 食欲の変化

生理痛に似た腹痛や腰痛以外にも、このような症状があれば妊娠の可能性があります。ただし、生理時にもこのような症状があった場合は生理なのか妊娠なのかわかりづらいでしょう。

生理でも妊娠初期でも起こりやすい、精神的な症状

妊娠初期には、以下のような精神的な症状が出ることもあります。

● イライラ
● 不安感
● 眠気
● だるさ

これらの症状は生理のときも起こりがちなので、生理か妊娠かを自己判断するのは難しいかもしれません。あくまでも判断材料のひとつとして、体調や精神の症状や体温なども細かく確認してみましょう。

妊娠初期に生理痛のような痛みが起こる原因

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妊娠初期に生理痛のような痛みがあると、大丈夫なのか心配に思ってしまうこともあるでしょう。妊娠初期の痛みの原因を知れば、過度な不安を抱えることも少なくなるかもしれません。ここで、主に考えられる痛みの原因を見ていきましょう。

着床出血

妊娠初期に生理痛のような痛みがある原因として、考えられるのが着床出血です。着床は、子宮の中に到達した受精卵が子宮内膜にもぐりこむこと。このときに子宮内膜の血管を傷つけてしまうことで少量発生する出血が、着床出血です。着床出血は、着床が完了したと示すサインとも考えられています。

着床出血は生理予定日と同じくらいのタイミングで起こるので、生理との区別がつきにくいものです。生理痛のような痛みが発生することもあるので、自己判断は困難といえるでしょう。また、
着床出血は誰にでも起こるわけではありません。着床出血が起こるのは、妊娠した方の約25%といわれています。

※参考:マイピルオンライン

絨毛膜下血腫

妊娠初期に生理のような出血がある場合は、絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)の可能性があります。絨毛膜下血腫は、胎児を包む袋である胎嚢付近に出血した血液が溜まり、血腫ができている状態のこと。できる場所によっては不正性器出血が起こるので、生理と間違える可能性もあります。

安静にしていれば自然に治るケースが多い一方、早産や流産につながる可能性もゼロではないため、医師の指示に従って対応することが大切です。

子宮の拡大によるもの

妊娠によって子宮が大きくなっていくことで、子宮を支える靭帯が引き伸ばされてお腹の痛みが発生することがあります。これは円靭帯痛や牽引痛などと呼ばれる症状で、子宮が成長している証。妊娠初期から中期にみられることが多いですが、子宮に異常があるわけではなく、胎児に悪影響はありません。

とはいえ、妊娠中はお腹の痛みがあると不安に思ってしまうものです。円靭帯痛かもしれないと思っても、心配な場合は気軽に婦人科に相談してみましょう。

妊娠初期に生理のような出血や痛みがある場合の対処法

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妊娠初期はデリケートな時期なので、体を労わって過ごすことが大切です。生理のような出血や痛みがある場合も、以下のような対処法を実践してみてください。

安静に過ごす

妊娠初期に出血や腹痛といった生理に似た症状がある場合は、とにかく安静に過ごすようにしましょう。椅子に座ったりベッドに横になったりして、なるべく楽な姿勢で過ごすのがおすすめです。自宅にいるときはもちろん、職場でもできるだけ軽作業や座り仕事などを担当できないか交渉するのがいいでしょう。

痛みが落ち着いたとしても、すぐ活動的になるのは避けるべきです。仕事や作業をすぐに再開するのではなく、体調を注意深く確認しましょう。激しい運動を控え、ゆったりと過ごすのがおすすめです。

体を温める

妊娠初期に生理痛のような痛みがある場合は、冷えを改善するためにも体を温めましょう。体が冷えると、痛みが悪化することがあります。カイロや湯たんぽ、膝掛けなどを使ったり、温かい飲み物を飲んだりしてください。カフェインは妊娠初期に摂りすぎると胎児の発育に悪影響を及ぼすことがあるので、ノンカフェインの紅茶などを飲むのがいいでしょう。

冷房を使いすぎたり、シャワーだけで済ませたりすることでも体は冷えてしまいます。冷房に当たりすぎないようカーディガンを羽織る、ゆっくり湯船に浸かるといった行動を心がけてください。

お腹のトラブルを解消できる食事を摂る

妊娠初期は生理痛のような痛みが発生するだけでなく、腸の動きが鈍くなって便秘による痛みが起こることもあります。お腹のトラブルを解消できるよう、食事の内容に気をつけてみましょう。

おすすめは、水溶性食物繊維が豊富に含まれた食材を摂取することです。水溶性食物繊維は大麦や納豆、ごぼう、おくら、きのこ類、海藻などに多く含まれており、便通の改善効果が期待できます。水溶性食物繊維は摂りすぎると下痢になることもあるので、体調を確認しながら摂取する量を調整してみてください。

水分補給をする

妊娠初期は生理と同じように、下痢をしやすくなります。腹痛や出血に気を取られている内に下痢を起こし、いつの間にか脱水症状になることもあるため、意識的に水分補給をしましょう。一度に大量に飲むのではなく、少量の水を少しずつ飲むようにしてください。

また、つわりが原因で水分の摂取量が減ってしまうこともあります。つわりがあると食事量が低下して栄養の摂取が難しくなることもあるため、栄養と水分の両方を摂取できる味噌汁を取り入れるなどの対策をしてみましょう。

病院を受診する

気になる症状や違和感がある場合は、迷わず病院へ行きましょう。軽い腹痛や出血があるというだけで受診していいのか迷ってしまうかもしれませんが、気になることがあるなら早めに相談することが大切です。

妊娠初期に腹痛や出血があっても、多くの場合赤ちゃんに影響はありません。しかし、不安な気持ちが強まるとストレスがかかることもあります。婦人科を受診してよくある症状だと判明すれば、その後は安心して過ごせるでしょう。

また、以下のような症状がある場合は、早めに病院へ行って医師に相談してください。

● 出血がある
● 1時間で何度も痛みがある
● 痛みが徐々に強くなっている
● 生理痛よりも強い痛みがある
● 痛みだけでなくむくみがある
● 発熱している

病院を受診する場合は、痛みや出血などの症状をできるだけわかりやすく伝えることが大切です。どのようなときに痛むのか、痛みの強さはどれくらいか、出血がいつから続いているのかなど、症状をメモしておきましょう。

出血を生理だと自己判断して放置するのは危険

着床出血と生理は症状が似ているため、自分で正確に判断するのは難しいものです。着床出血が起きているのに生理だと自己判断し、妊娠だと気づかないまま時間が経過して適切な対応が取れなくなってしまうこともあります。着床出血なのか生理なのかわからない場合は、自己判断で完結せず病院を受診するのがおすすめです。

なお、着床出血なのか生理なのかがわからず市販の妊娠検査薬を使い、陰性だったから妊娠していないと判断するのも良くありません。市販の妊娠検査薬は手軽に妊娠の可能性を知れる便利な道具ですが、確実な検査ではないと知っておきましょう。妊娠しているかどうかを確実に判断するためにも、婦人科を受診してください。

妊娠初期に生理痛がある場合は病気の可能性も

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妊娠初期に生理痛よりも強い痛みがある場合、病気が隠れている可能性もあります。以下の病気を発症すると母体や胎児に影響を及ぼす危険性もあるので、確認した上で気になることがあれば病院を受診しましょう。

子宮筋腫

子宮筋腫があると、生理痛のような痛みを感じることがあります。子宮筋腫は子宮の壁にできる良性の腫瘍のことで、発生する数や大きさは人によってさまざまです。子宮筋腫が大きくなると痛みをともなう傾向があり(変性痛)、できている場所や大きさによっては早産につながることもあります。検査を受けて子宮筋腫がみられる場合は、医師と相談して対処法を決めましょう。

性感染症

性感染症にかかると、妊娠初期に腹痛が発生することがあります。性感染症は子宮の収縮を強くして、流産や早産を引き起こす危険性があるため注意が必要です。生れてきた赤ちゃんに感染すると、赤ちゃんの健康にも悪影響を及ぼしかねません。性感染症は腹痛とともに発熱が起こることも多いので、気になる症状があれば早めに医師に相談してください。

異所性妊娠

妊娠初期に生理痛のような腹痛がある場合、異所性妊娠の可能性もあります。異所性妊娠は子宮外妊娠といわれることもあり、子宮以外の場所に受精卵が着床することです。初期は着床出血のような出血がありますが、診断が遅れると大量出血につながることも。大量出血が起こると母体の命が危険な状態になるので、早期の診断が重要です。

妊娠初期の過ごし方のポイント

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妊娠が判明したら、日々の過ごし方に気をつけなければなりません。また、妊娠したとわかっていなくても、生理なのか着床出血なのか判断できない場合などは妊娠初期と同じ意識で過ごすことが大切です。妊娠初期は、以下のようなポイントを意識して過ごしてみてください。

飲酒や喫煙はしない

妊娠しているとわかったら、飲酒をしないようにしましょう。妊娠中の女性がアルコールを摂取すると、胎盤を通じて胎児の体内にもアルコールが届いてしまいます。流産や死産につながったり、先天性の異常が起こるリスクが高まったりするため、妊娠中のアルコール摂取は控えてください。

また、妊婦の喫煙も胎児に悪影響を及ぼします。早産や流産、死産につながる危険性があるほか、赤ちゃんの体重が少なくなったり発育不全につながったりするおそれも。口唇裂や先天性心疾患といった胎児奇形のリスクも高まるので、赤ちゃんの健康のために妊娠中のタバコは辞めましょう。

お酒やタバコほどではありませんが、妊娠中に気をつけたいのがカフェインです。カフェインは適量であれば問題ありませんが、大量に摂取すると低出生体重児のリスクが高くなるおそれがあります。カフェインを多く含むコーヒーやエナジードリンク、紅茶、玉露などは摂取しすぎないようにしてください。

薬の服用は医師に相談する

妊娠中に薬を服用する場合は、かならず医師に相談してください。妊婦が服用すると、胎児の発育に悪影響を及ぼす薬があります。妊娠中に薬を処方してもらうときは、かならず妊娠していることを伝えて飲んでも問題がないか確認しましょう。

ただし、母体や胎児の安全のために妊娠中も継続使用が必要な薬もあります。この場合は薬の服用をやめることで母体や胎児に悪影響が出るおそれもあるため、自己判断でやめずに医師や薬剤師に相談してください。

葉酸を積極的に摂取する

妊娠初期は、葉酸を積極的に摂るようにしましょう。葉酸はビタミンB群の一種で、胎児の発育をサポートしてくれます。妊婦の葉酸摂取量が不足すると、神経管閉鎖障害という先天性異常が発症するリスクが高まるため、意識して摂ることが大切です。

葉酸が含まれる食品は、ほうれん草や枝豆、グリーンアスパラ、いちご、焼き海苔、レバーなどです。食事で必要量を摂るのが難しい場合は、サプリメントを利用するのもいいでしょう。

まとめ:妊娠初期に生理のような症状がある場合は、慎重に行動しよう

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妊娠初期には、着床出血で生理のような出血や痛みが出ることがあります。妊娠初期なのか生理なのか、判断できないこともあるでしょう。気になる症状が続く場合は、病院を受診するのがおすすめです。早めに医師に相談することで、適切な指導を受けられます。

妊娠初期に生理痛のような痛みや出血がある場合は、無理せず安静に過ごしましょう。体を温めたりお腹のトラブルを抑える食事を摂ったりして、体を労るのがおすすめです。

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