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カラダとココロ

PMSの対策に4つの栄養素!調理方法の工夫もして不足を避けよう

公開日:2024.03.27
更新日:2024.05.24
PMSの対策に4つの栄養素!調理方法の工夫もして不足を避けよう
PMSで体調が悪くなる、イライラするなどの症状が出てしまう方は、必要な栄養素が不足している可能性があります。PMSで調子が悪いのは仕方がないことだと諦める前に、栄養素を意識した食事を摂ってみるのはいかがでしょうか。 この記事では、PMSのセルフケアに効果的な4つの栄養素を紹介します。それぞれの栄養素がどの食品に多く含まれているのか、どのような調理法で食べればいいのかも解説するので、食生活改善に役立てて下さい。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 PMS対策栄養素①「カルシウム」

2 PMS対策栄養素②「ビタミンD」

3 PMS対策栄養素③「ビタミンB6」

4 PMS対策栄養素④「ビタミンE」

5 PMS対策で栄養素を考慮する際の疑問

6 PMSでよくある症状一覧

7 まとめ:PMS改善に必要な栄養素を積極的に摂ろう

PMS対策栄養素①「カルシウム」

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カルシウムは、丈夫な骨を作るのに必須の栄養素です。子どもの頃に学校や自宅でカルシウムの重要性について聞いたことがあり、牛乳などカルシウムが豊富に含まれた食品をよく摂っていた方もいるでしょう。実は、カルシウムはPMS対策にも有効な栄養素です。まずは、カルシウムについてくわしく見ていきましょう。

カルシウムで疲れや気分の落ち込み対策

カルシウムは、疲れや気分の落ち込みといった精神的なPMSの症状改善に必要な栄養素です。これは、実験によって証明されています。

2009年に台湾のジャーナルに掲載された、カルシウムが女性のPMSにどのような効果をもたらすか実験した論文があります。こちらでは、一定期間カルシウムを摂取したグループは摂取していないグループよりも疲れやすさや食欲の変化、憂うつな気分が抑えられたという結果が出ました。

※参考:Effects of calcium supplement therapy in women with premenstrual syndrome」

また、カルシウムはカリウムやマグネシウムといったほかのミネラルと同様、不足するとむくみが出やすくなります。PMSのむくみは黄体ホルモンが体に水分を溜め込むことで生じますが、カルシウムが不足していると症状が悪化することもあるので注意が必要です。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人女性が1日に摂取すべきカルシウムの量は大体650mgです。しかし、多くの女性は1日に必要なカルシウム量を摂取できていないため、PMSの改善を目指すのであればカルシウムが豊富に含まれた食品を積極的に食べる必要があります。

※参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

カルシウムが豊富に含まれる食品一覧

カルシウムは乳製品に多く含まれているとよくイメージされますが、乳製品以外の野菜や豆類、穀物、小魚などにも豊富に含まれています。カルシウム含有量が多い食品を、いくつか確認しましょう。

食品名

カルシウム含有量(100gあたり)

煮干し

2,200mg

いりごま

1,200mg

プロセスチーズ

630mg

うるめいわし丸干し

570mg

切り干し大根(乾燥)

500mg

生揚げ

240mg

鯖缶詰(味噌煮)

210mg

小松菜(ゆで)

150mg

普通牛乳

110mg

※参考:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

カルシウムが豊富だとイメージしにくいような野菜や魚にも、カルシウムが含まれています。幅広い食品を取り入れることでカルシウム以外の栄養素も効率的に摂取できるため、さまざまな食品を食べることを心がけましょう。

カルシウムを逃さない調理方法

チーズや牛乳などの乳製品は、調理しなくても手軽にカルシウムが摂れる優秀な食品です。忙しい女性も、間食にチーズを食べたり朝コップ1杯の牛乳を飲んだりすればカルシウムを摂りやすいでしょう。

カルシウムは熱に強いので、牛乳を温めて飲んだり煮込み料理に使ったりしても問題ありません。ただし、PMSの症状に悩んでいる方は冷たいものを食べることで体が冷え、症状を悪化させることもあるので食べ過ぎは禁物です。

野菜や豆類、魚などからカルシウムを摂る場合は、ビタミンDが豊富な食品と組み合わせて調理するのがいいでしょう。ビタミンDは鮭や秋刀魚、干し椎茸、卵などに含まれており、カルシウムの吸収をサポートしてくれます。

PMS対策栄養素②「ビタミンD」

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ビタミンDも、PMS対策に効果的な栄養素です。ビタミンD自体の働きも優秀ですが、カルシウムと合わせて摂取することでさらなるPMS対策効果が期待できるので、チェックしましょう。

ビタミンDでカルシウムの吸収促進

PMSの症状を改善するためにビタミンDを摂取したほうがいいと言われるのは、ビタミンDがカルシウムの吸収を促進する働きを持つからです。カルシウムは、炭水化物やたんぱく質などに比べると消化吸収率が低いのが特徴。牛乳のカルシウム吸収率は40%とやや高めですが、小魚の吸収率は33%、野菜は19%と少ない量しか吸収できません。
※参考:一般社団法人 Jミルク

これをサポートするのが、ビタミンDです。ビタミンDは腸管からカルシウムを吸収する際に助けてくれるので、同時に摂ることで効率的に栄養素を取り込めます。

また、ビタミンDはホルモンのような働きをして代謝や免疫にかかわる栄養素でもあります。細胞活性化ビタミンとも呼ばれており、免疫機能を調整して風邪や感染症などの発症や悪化を予防すると考えられています。PMSの症状改善だけでなく、日頃から健康で過ごすためのサポートをしてくれる栄養素といえるでしょう。成人女性の1日のビタミンD推奨量は、8.5μgといわれています。
参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンDが豊富に含まれる食品一覧

ビタミンDは、魚やきのこ類に多く含まれています。以下のような食品を摂り、効率的にビタミンDを摂取しましょう。

食品名

ビタミンD含有量(100gあたり)

いくら(生)

44.0μg

しろさけ(焼き)

39.0μg

べにざけ(焼き)

38.0μg

うなぎ(蒲焼き)

19.0μg

鯖缶詰(水煮)

11.0μg

まいたけ(油炒め)

7.7μg

エリンギ(焼き)

3.1μg

ぶなしめじ(ゆで)

0.9μg

※参考:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

含有量は魚のほうが多いですが、幅広い食材からビタミンDを摂取するために魚ときのこを組み合わせて献立に入れるのがおすすめです。

ビタミンDを逃さない調理方法

ビタミンDは脂溶性のビタミンであり、油に溶けやすく水に溶けにくい性質があります。そのため、ビタミンDはサラダ油やオリーブオイルといった油を使って炒め物や揚げ物にしたり、和え物に油を加えたりして食べるのがおすすめです。加熱調理で栄養が失われないので、安心してレパートリーを増やせるでしょう。きのこや魚の中には脂質があまり含まれないものもあるため、油と一緒に調理することでおいしさもアップします。

PMS対策栄養素③「ビタミンB6」

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PMS対策に効果的な栄養素として、ビタミンB6が挙げられます。ビタミンB6は、病院でPMSを改善するための薬として出されることもある重要な栄養素です。どのような働きをするのか、豊富に含まれる食品は何か確認しましょう。

ビタミンB6で口内炎や貧血対策

ビタミンB6は、PMSの症状として表れるむくみや貧血などの対策に効果的です。また、女性ホルモンであるエストロゲンの代謝に関わることで、ホルモンバランスを整えてくれるのもビタミンB6の特徴。たんぱく質や脂質、炭水化物の代謝もサポートし、エネルギーを作るために必要な要素です。ビタミンB6が不足すると口内炎ができることもあるので、口内炎ができたら栄養不足を疑ってみて下さい。

そして、ビタミンB6は心を安定させるビタミンともいわれています。ビタミンB6は神経伝達物質と深い関わりがあるため、十分に摂取することでイライラや情緒不安定といったPMSによくある症状の改善効果が期待できます。ビタミンB6の1日あたりの推奨量は、成人女性の場合1.1mgです。

※参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンB6が豊富に含まれる食品一覧

ビタミンB6は、動物性の食品に多く含まれています。動物性食品よりも100gあたりの含有量は少なくなるものの、植物性食品にも含まれているため、どのような食品を摂ればビタミンB6を摂取できるか一覧で確認しましょう。

食品名

ビタミンB6含有量(100gあたり)

びんながまぐろ(生)

0.94mg

くろまぐろ(赤身)

0.85mg

かつお(生)

0.76mg

豚ヒレ(焼き)

0.76mg

鶏むね皮付き(焼き)

0.60mg

バナナ

0.38mg

アボカド

0.29mg

さつまいも(蒸し)

0.27mg

※参考:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

上記で挙げた食品以外にも、鮭や秋刀魚、鯖、はまちなどの魚や玄米などにもビタミンB6は含まれます。その日の気分や価格によって食べるものを選べば、飽きずにビタミンB6の摂取を継続しやすくなるでしょう。

ビタミンB6を逃さない調理方法

ビタミンB6は水溶性なので、水に溶けやすい性質があります。また、光や熱などに弱いので、できれば生のサラダやお刺身で食べるのがおすすめです。加熱必須の食材であれば、炒め物や蒸し物など長時間水につける必要のない調理法がいいでしょう。冷凍食品や加工食品ではビタミンB6が減少するといわれているため、新鮮なものを購入してその日にすぐ食べることをおすすめします。

PMS対策栄養素④「ビタミンE」

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ビタミンEもPMS対策に効果的な栄養素です。ビタミンEはもともと不妊を予防する効果のある栄養素として注目されており、PMSに対しても効果を発揮すると考えられています。ビタミンEが持つ働きや、豊富に含まれる食品を見ていきましょう。

ビタミンEでホルモンバランスの調整

ビタミンEは、ホルモン分泌をコントロールする脳下垂体という場所に作用する栄養素です。分泌されるホルモンを一定に保つことで、生理の安定につなげます。また、ビタミンEは自律神経にも作用するため、PMSによって乱れやすい感情を安定させる効果も期待できます。

女性の1日のビタミンE摂取目安量は、6.0mgです。ビタミンEは体内に蓄積されることが少ないので、一般的な食生活であれば過剰摂取になるケースはほぼありません。

※参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンEが豊富に含まれる食品一覧

ビタミンEは、ナッツやオイル、魚などに豊富に含まれています。効率的にビタミンEを摂取できるよう、含有量の多い食品を知っておきましょう。

食品名

ビタミンE含有量(100gあたり)

サフラワー油

27.0mg

アーモンド(フライ味付け)

22.0mg

あんこうきも(生)

14.0mg

いくら(生)

9.1mg

いわし缶詰(油漬け)

8.2mg

たらこ(生)

7.1mg

西洋かぼちゃ(ゆで)

4.7mg

赤ピーマン(油炒め)

4.4mg

※参考:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

アーモンドは間食にも取り入れやすいので、手軽にビタミンEを摂取できるでしょう。紹介した食品のほか、オリーブオイルや卵、鯖の缶詰、はまち、うなぎなどにもビタミンEが含まれています。

ビタミンEを逃さない調理方法

ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、油に溶けやすい性質があります。油と一緒に摂取すれば吸収率も高くなるため、油を使って炒め物にするか、マリネやサラダにしてオイルと一緒に食べるのがおすすめです。ビタミンEには酸化しやすいという特徴もあるので、鮮度のいいものを食べるのも効果的な摂取の秘訣です。

PMS対策で栄養素を考慮する際の疑問

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PMSの症状は、食事で必要な栄養素を摂取することにより改善できる可能性があります。しかし、PMS改善効果が期待できる栄養素はかならず食事で摂らなければならないのか、PMS症状があるときに摂らないほうがいいものはあるのかなど、気になるポイントは出てくるものです。
ここで、PMSと栄養素に関するよくある疑問を解消しましょう。

サプリメントで栄養素の摂取は十分?

PMSの改善につながる栄養素を摂れるサプリメントを飲めば、食事に気を付ける必要はないのではと考える方もいるかもしれません。しかし、サプリメントは医薬品ではなく健康食品であり、あくまで食事の補助にすぎません。

サプリメントを摂取したからといって、PMSの症状が即効で改善されるわけではありません。毎日必要な栄養素を食事で摂取するのが難しい場合に、補助としてサプリメントを活用しましょう。

食事の内容によっては、サプリメントを利用すると栄養素の過剰摂取につながることもあります。栄養素によっては過剰に摂ることで健康被害につながるケースもあるため、必ず1日の栄養バランスを考えた上でサプリメントを取り入れましょう。

PMS中に摂取を減らしたほうがよいものは?

PMSの症状を改善するために日頃から摂取したほうがいい栄養素がある一方で、PMS中は避けたほうがいい栄養素や食品などもあります。

例えばカフェインは神経を高ぶらせてしまうため、PMSの精神的な症状が悪化するおそれがあります。コーヒーや紅茶、チョコレートなどカフェインを含む食べ物や飲み物は、PMS中はできるだけ控えましょう。

また、塩分を取りすぎると体内に水分が溜まってしまい、むくみにつながります。PMS中のむくみが気になる方は、塩分を控えた食事を心がけてみて下さい。

ほかに、糖分は過剰に摂取するとビタミンB類の欠乏につながるので、PMS悪化の原因になり得ます。甘いものを食べて血糖値が上がると一時的に気分が落ち着きますが、その後急激に血糖値が下がって疲労感や憂うつ感を招いてしまうことも。我慢しすぎるとストレスになるので、量を減らしたり洋菓子より和菓子を選んだりして血糖値の変動を抑えるようにしましょう。

PMSでよくある症状一覧

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PMSで表れる症状は、人によってさまざまです。身体的な症状が強く出る方も、精神的な症状が強く出る方もいます。どちらの症状も出てしまい、毎月PMSが不快だと感じる方もいるでしょう。生理前に以下のような症状がある場合は、PMSによる症状の可能性があります。

身体的な症状

精神的な症状

・動悸

・腹痛

・頭痛

・乳房の張りや痛み

・便秘

・疲労

・食欲の変化

・不眠

・吐き気

・むくみ など

・イライラ

・不安

・涙もろくなる

・憂うつ感

・集中力の低下

・もの忘れ

・興奮

・気分の変動

・感情的になる

・引きこもり など

食事から得られる栄養素は、肉体だけでなく精神にも大きな影響を与えます。PMSの症状がつらいと感じているなら、対策に効果的な栄養素が豊富に含まれた食品を日々の食事に取り入れてみて下さい。

まとめ:PMS改善に必要な栄養素を積極的に摂ろう

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カルシウムやビタミンB6、ビタミンD、ビタミンEなどの栄養素を摂取することで、PMSによる症状の軽減が期待できます。現代の女性は忙しく、慌ただしい毎日の中で食事が疎かになりがちです。食事の栄養について考える余裕がなく、本来摂るべき栄養素が不足してしまうことも少なくありません。

自分に足りていない栄養素がどの食品に含まれているか把握し、取り入れられそうなものがあれば積極的に献立に加えましょう。

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