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カラダとココロ

生理の期間が長いのは過長月経?平均的な日数や受診目安を知ろう

公開日:2024.03.27
更新日:2024.12.05
生理の期間が長いのは過長月経?平均的な日数や受診目安を知ろう
生理で出血している期間が長いと、健康面に様々な影響を及ぼすことがあります。この記事では、あおばどおりかずみレディースクリニックの佐藤綾華医師に話を伺いながら、通常の生理とのボーダーラインや受診の目安等を紹介します。

PROFILE

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専門家/エキスパート 佐藤 綾華
2018/3北海道大学医学部医学科卒業 2018/4-2020/3石巻赤十字病院初期研修修了 2020/4-2021/3石巻赤十字病院産婦人科勤務 2021/4-2022/3東北公済病院産婦人科勤務 2022/5-2023/3東北大学病院産婦人科勤務 2023/4-2024/3仙台市立病院産婦人科勤務
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専門家/エキスパート 馬場 敦志
筑波大学医学専門学類卒業/現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 過重月経とは?8日以上続いたら要注意

2 生理の平均日数をリサーチ

3 過長月経を放置するリスク

4 生理が長い!過長月経の原因3つと対策

5 産後・更年期等ライフステージの変化によるもの

6 自分でできる対処法

7 「過長月経かも?」と感じたら受診を

8 生理が長いことに対するQ&A

過重月経とは?8日以上続いたら要注意

正常な生理期間は5日から7日とされていて、8日以上続く生理は「過長月経」と呼ばれる通常より長い生理にあたります。この状態だと、普通の生理よりも出血量が多く、貧血のリスクを高める可能性があります。貧血には頭痛、肌荒れ、倦怠感等の症状が現れ、過長月経が続くとこれらが悪化するおそれがあるため、早期に専門医の受診が重要です。

この記事のポイント

✓8日以上続いたら過長月経の可能性が高い

✓要因は「病気・医療行為による影響・ライフステージの変化」の3つ

✓放置すると様々なリスクが伴う

✓8日以上続く場合、もしくは少しでも気になったら受診をする


生理の平均日数をリサーチ

インターネットでのアンケートによると、生理の平均日数は5日間という人が最も多い結果となりました。5日間~6日間という人が半数以上を占め、8日間以上続くと答えた人は10%にも満たない人数です。

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医学的には8日以上出血が続く状態が過長月経にあたります。実際には、過長月経で受診する人はあまり多い印象はありません。

過長月経を放置するリスク

過長月経によって相対的な出血量が多いということになれば、貧血を起こしやすくなります。ただし、出血量自体は少ないまま生理の期間だけが長いということもあるので、必ずしも貧血リスクが高いということではありません。それよりも怖いのは、ホルモンバランスが乱れていることや、病気による症状のケースです。

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過長月経の原因としてがん等の悪性腫瘍や子宮筋腫、子宮腺筋症等の病気が考えられます。受診までの期間が長くなると、気付かないうちに病気が進行し、症状がよりひどくなる可能性も。治療が困難になったり、より高度な治療が必要になってしまうこともあるので、早期の受診が必要です。

生理が長い!過長月経の原因3つと対策

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過長月経の原因は、一つだけではありません。病気が隠れている可能性もあるため、原因を把握しておくことも大切です。原因がわかれば、適切な対処法を選択できるでしょう。

病気によるもの

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長い生理を引き起こす原因となる病気には、次のようなものがあります。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮の平滑筋と呼ばれる筋肉部分にできる良性腫瘍です。代表的な症状の一つが過長月経です。筋腫ができることで子宮の収縮機能が低下すると、子宮内膜を上手く排出できず、生理が長引く原因になります。

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープとは子宮内膜の一部が過剰に増殖し、こぶ状に盛り上がった良性腫瘤です。子宮内膜にポリープができることにより、子宮の表面積が大きくなります。これにより、子宮の収縮に時間がかかり、剥がれた子宮内膜を上手く排出できず、生理が長引くことがあります。

子宮内膜症

子宮内膜症とは、子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所に増殖する疾患です。子宮以外の場所に増殖した組織は、生理周期に合わせて増殖・排出します。その結果、剥がれ落ちる子宮内膜と出血の量が多くなり、生理が長引く傾向があります。

子宮腺筋症

子宮腺筋症とは、子宮内膜に似た組織が平滑筋の内部まで入り込んでしまう疾患です。組織は、生理周期に合わせて出血します。出血が繰り返されることで子宮筋層が厚くなり、子宮全体が十分に収縮できず、過多月経や過長月経の原因になります。

子宮頸がん

子宮頸がんとは、子宮頸部と呼ばれる子宮の入り口部分にできる悪性腫瘍です。癌化した部分はもろく、出血しやすい状態になります。進行すると生理期間中にも出血するため、生理が長引いているだけだと勘違いすることがあります。

子宮体がん

子宮体がんとは子宮体部と呼ばれる子宮の奥の部分にできる悪性腫瘍です。子宮体がんの代表的な症状の一つは、不正出血です。生理期間中に不正出血が起きると、生理が長引いているだけだと勘違いすることがあります。

産後・更年期等ライフステージの変化によるもの

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女性には、出産や更年期などのさまざまなライフステージがあります。過長月経は、ライフステージの変化で起こることがあります。

産後

過長月経の原因になるライフステージの一つは、産後です。産後はホルモンバランスが乱れやすく、生理周期が安定するまでに時間がかかることがあります。また、産後は子宮の回復期でもあり、収縮が十分でない場合は生理が長引くことがあります。

流産後

流産後に過長月経を引き起こす原因は、産後と同様にホルモンバランスの乱れと子宮の収縮が不十分なことです。また、流産後に感染症を併発すると、出血がなかなか止まらず、生理が長引いていると感じることがあります。

採卵後

採卵の際には卵巣に刺激を与えるため、卵巣機能が一時的に低下し、ホルモンバランスが乱れます。また、排卵誘発剤によって子宮内膜が厚くなると、生理の出血量が増え、期間が長引くことがあります。

更年期

卵巣機能の衰えによってホルモンバランスが乱れると、子宮内膜が上手く剥がれず、生理の出血量が増えたり長引いたりすることがあります。また、無排卵周期によって子宮内膜が厚くなりすぎると、排出に時間がかかり、生理が長引きやすくなります。

ミレーナやピルの服用等医療行為によるもの

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近年は身体の負担を軽減するために、ミレーナやピルを活用する女性も増えています。しかし、これらが過長月経を引き起こす原因になっている可能性もあります。

ミレーナの挿入

装置から放出される黄体ホルモンの影響により、子宮内膜が安定せず、不正出血が起こることがあります。また、装着直後は子宮内膜がホルモンに慣れるまでに時間がかかり、不正出血を起こす可能性もあります。

ピルの服用

ピルを服用しはじめると、体内のホルモンバランスが急激に変化します。これにより、身体が慣れるまでの間に子宮内膜が不安定になり、不正出血が起こることがあります。また、ピルは毎日同じ時間に飲むことが必要です。飲み忘れは、不正出血を引き起こす原因になります。

自分でできる対処法

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生活習慣の改善

過長月経は、生活習慣の見直しで対処できる可能性があります。効果的な対処法は、次のとおりです。

● 食生活の見直し
● 生活リズムの見直し

ホルモンバランスの乱れを防ぐためには、バランスのとれた食生活と規則正しい生活リズムが不可欠です。つらい過長月経から解放されるためには、日頃から健康的な生活習慣を心がけることが大切です。

十分な睡眠

睡眠不足は、自律神経の乱れや女性ホルモンの分泌異常につながるおそれがあります。約6~9時間の睡眠を心がけると、自律神経やホルモンバランスが安定するため、過長月経対策として効果的です。睡眠は時間だけでなく、「質」も重要です。睡眠の質を向上させるために、睡眠環境を整えるようにしましょう。

適度な運動

自律神経とホルモンバランスを整えるためには、適度な運動も必要です。まずは、ストレッチやウォーキングなど、できることからはじめてみましょう。無理をするとストレスにつながるため、できる範囲で行うことが大切です。適度な運動はストレス軽減やリラックス効果も期待できます。

「過長月経かも?」と感じたら受診を

過長月経かも、という心当たりがある場合には、婦人科を受診することをおすすめします。

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2周期以上にわたって8日間以上の出血が続く場合や、1周期だけでも強い腹痛や大量の出血を認める場合は受診してください。

生理が長いことに対するQ&A

長い生理に関する疑問について、佐藤医師に回答してもらいました。

10代で生理が長い原因は?

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10代では、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮の悪性腫瘍を発症する確率がかなり低いため、過長月経自体珍しいことです。もしも10代で過長月経が起こるとしたら、ホルモンバランスの異常や凝固機能異常等の可能性が考えられます。

生理が長いと将来妊娠に影響はありますか?

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子宮筋腫や子宮腺筋症等器質的な疾患がある場合は、適切な治療を行わないと将来不妊症となるリスクや妊娠合併症のリスクが上昇する可能性があります。

排卵がきちんと行われているのか心配です

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市販の排卵検査薬を使用したり、基礎体温を計測、記録したりすることで、ある程度は排卵の有無を推測することができます。しかし、確実な方法は超音波でのモニタリング(1周期あたり数回産婦人科で超音波検査をし、卵胞の大きさを計測、排卵したかどうかを確認する)や、血液検査です。生理周期が安定している場合は排卵がきちんと起こっている可能性が高いといえますが、心配であれば産婦人科の受診をおすすめします。

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