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妊娠と出産

妊娠初期に腹痛が起こる原因│病院に相談したほうがいいサインを解説

公開日:2024.06.05
更新日:2025.06.05
妊娠初期に腹痛が起こる原因│病院に相談したほうがいいサインを解説
妊娠初期に腹痛を感じると、「大丈夫なのかな」「赤ちゃんに影響はないかな」と不安になる方が多いかもしれません。特に初めての妊娠であれば、どの程度の痛みなら様子を見てよいのか、どのように対処すべきか迷ってしまうこともあるでしょう。 この記事では、妊娠初期に腹痛を感じたときの原因や対処法をご紹介します。また、病院に相談をしたほうがいいサインも紹介するので、安心して過ごすためのヒントとして役立ててください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 佐藤 綾華
2018/3北海道大学医学部医学科卒業 2018/4-2020/3石巻赤十字病院初期研修修了 2020/4-2021/3石巻赤十字病院産婦人科勤務 2021/4-2022/3東北公済病院産婦人科勤務 2022/5-2023/3東北大学病院産婦人科勤務 2023/4-2024/3仙台市内の婦人科クリニック等で勤務
INDEX

1 妊娠超初期〜初期に腹痛を感じる人は意外と多い

2 妊娠初期に腹痛が起こる主な原因

3 妊娠初期に腹痛を感じたときの対処法

4 妊娠初期の腹痛によくあるQ&A

妊娠超初期〜初期に腹痛を感じる人は意外と多い

妊娠が判明する前後の時期から、「お腹がチクチクする」「なんとなく重たい感じがする」といった腹痛を感じる方は少なくありません。
実際に、多くの妊婦さんが妊娠超初期から初期にかけて、何らかのお腹の違和感や痛みを経験しています。
こうした痛みは、妊娠に伴う体の自然な変化によるものであることが多いため、過度に不安になる必要はありません。
「私だけ?」と思う方もいるかもしれませんが、意外と多くの妊婦さんが同じような体験をしています。

▼腹痛以外の妊娠初期症状については、こちらの記事で詳しく説明しています。
【妊娠初期症状のチェックリスト】症状や生理前との違いを徹底解説

妊娠初期に腹痛が起こる主な原因

妊娠初期の腹痛は、体が妊娠に適応しようとする過程で起こる自然な変化によることがほとんどです。おもに次のような原因が考えられます。

子宮の拡大による痛み

妊娠が進むと、赤ちゃんの成長に合わせて子宮が少しずつ大きくなっていきます。
この過程で、周囲の筋肉や組織が引っ張られるため、軽い痛みや違和感を感じることがあります。チクチク、ズーンと重たい感覚を覚える方も多いようです。

靭帯が引っ張られることによる痛み

子宮を支えている靭帯(円靭帯等)が、子宮の拡大に伴って引き伸ばされることにより、下腹部に痛みを感じるケースがあります。
動いたときや体勢を変えたときに、ピリッとした痛みを感じる場合は、この影響が考えられます。

便秘やガスがたまることでの張り

便秘や腸にガスがたまることで、お腹が張って痛みを感じるケースがあります。
妊娠すると、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で腸の動きがゆっくりになるためです。腸内環境を整えることも、腹痛の予防に役立ちます。
症状がひどいときは、病院を受診しましょう。

ストレスや緊張による不調

妊娠初期は、体の変化や出産に対する不安等、精神的なストレスを感じやすい時期です。
強い緊張やストレスが続くと、自律神経のバランスが乱れて、腹痛として現れるケースもあります。意識してリラックスする時間を持つことが大切です。

こんな腹痛には注意!病院に相談したほうがいいサイン

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妊娠初期の腹痛は自然なものがほとんどですが、なかには注意が必要なサインもあります。次のような症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。

出血がある

腹痛に加えて出血がある場合は、切迫流産や子宮外妊娠といった緊急性の高い状態の可能性があります。
出血の量や色にもよりますが、少量でも気になる場合は医療機関に連絡をしてください。特に、鮮血が続く、腹痛が強まっていくような場合は、早急な対応が必要です。

強い痛みが続く

チクチクした軽い痛みであれば自然なことも多いですが、我慢できないほどの鋭い痛みや、何時間も続く痛みは注意が必要です。に連絡して指示を仰ぎましょう。
くれぐれも無理をせず、安静を心がけてください。

吐き気や発熱等他の症状がある

腹痛だけでなく、吐き気、発熱、寒気等の症状が同時にあるときは、感染症やほかのトラブルが疑われます。
特に、38度以上の熱や激しい嘔吐、意識が朦朧とするような場合は、すぐに医療機関を受診してください。
妊娠中は免疫力が下がりやすいため、普段よりも体調の変化に敏感になることが大切です。体のサインを見逃さず、医師に相談するようにしましょう。

妊娠初期に腹痛を感じたときの対処法

腹痛を感じたときは、まず落ち着いて、自分の体の状態を確認しましょう。以下の方法で様子を見ながら、無理をしないことが大切です。

まずは横になって安静に

軽い痛みの場合は、ゆっくり横になって安静にすることで、痛みが和らぐケースがあります。深呼吸をしながらリラックスした姿勢で、体を休めましょう。
特に日中に動き回ったあとや、気温の変化で疲れを感じたときは、早めに横になって休息をとることを心がけます。

お腹を温める

お腹の冷えが原因で痛みが起こっているときは、腹巻きやカイロ等で優しく温めてみましょう。
また、お風呂はシャワーだけで済ませるのではなく湯船に浸かることも大切です。リラックス効果によりお腹の痛みが和らぐこともあります。
ただし、炎症や感染症が疑われる場合は、自己判断で温めず、まずは病院へ連絡します。

妊娠初期の腹痛によくあるQ&A

妊娠初期に腹痛を感じたときによくある疑問について、わかりやすく解説します。

市販薬を飲んでもいい?

妊娠中は自己判断での服薬を避けましょう。妊娠初期は特に、胎児の器官が形成される大切な時期であり、薬の影響を受けやすいため注意が必要です。
痛みが気になるときは、必ず産婦人科の医師に相談しましょう。

妊娠初期の腹痛はいつまで続く?

腹痛の続く期間には個人差があるものの、一般的には妊娠16週ごろまで続くケースがあります。この時期は子宮が急速に成長し、それに伴って靭帯や周囲の組織が引き伸ばされるため、引っ張られるような痛みを感じやすくなります。
ただし、痛みが強くなったり、長引いたりする場合や、ほかの症状を伴う場合には、念のため医師に相談するようにしましょう。

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