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妊娠と出産

妊娠初期の頭痛の原因と対処法。覚えておくべき危険なサインは?

公開日:2024.06.05
更新日:2024.06.05
妊娠初期の頭痛の原因と対処法。覚えておくべき危険なサインは?
妊娠がわかったのはいいものの、頭痛の症状が気になり始めてお困りではありませんか。妊娠するとホルモンバランスの変化等、さまざまな要因から頭痛を引き起こすことがあります。 本記事ではそんな頭痛が気になる人に向け、妊娠初期の頭痛の性質や要因を解説します。頭痛を緩和するための対処法もご紹介するので、お悩みの人は参考にしてください。 妊娠初期の頭痛を過度に心配する必要はありませんが、強い痛みは体によくないので放置せずに対処していきましょう。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 妊娠初期の頭痛の種類

2 妊娠初期の頭痛を起こしやすい要因

3 妊娠初期の頭痛の対処法

4 妊娠初期の頭痛に関して起こりがちな疑問

5 妊娠中の頭痛は無理をせず体を休めよう

妊娠初期の頭痛の種類

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妊娠初期の頭痛は大きく分けて2種類あります。痛みを引き起こしている要因を理解するために、まずは起きる頭痛の種類を把握していきましょう。

片頭痛

片頭痛は片側のこめかみがズキズキと脈打つような痛みがあるのが特徴です。人によって軽い痛みがある人もいれば、強い痛みを感じるという人もいます。また、強い痛みの場合は吐き気や嘔吐が伴う場合もあります。

一般的な片頭痛はさまざまな外的要因によって起こるものとして知られていますが、妊娠初期はホルモンの影響によって片頭痛が起きやすいです。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は後頭部が重くなるような感覚や締め付けられるような痛みがあります。片頭痛とは異なり、ズキズキとした痛みが無いため見分けることが可能です。

なお、緊張型頭痛は主に身体的・精神的ストレスが原因で起きます。妊娠初期でも同様にストレスが原因で症状を起こすため、ストレスの軽減が必要です。

妊娠初期の頭痛を起こしやすい要因

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妊娠初期に頭痛を起こすのは、次の4つのうちいずれかが関係していることが考えられます。痛みの対処法を探るためにもどのようなことが要因として頭痛を引き起こすのか見ていきましょう。

ホルモンの影響

妊娠初期に起きる片頭痛は「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と「エストロゲン(卵胞ホルモン)」というホルモンが要因と見られています。

妊娠初期だけでなく生理が起こるサイクルの中でも分泌されているホルモンですが、妊娠するとおなかの中の赤ちゃんを成長させるためにホルモンの分泌量が増加します。

これらのホルモンは血管を拡張させる作用もあるため、片頭痛も引き起こしやすいです。また、エストロゲンは吐き気等も誘発しやすいと見られており、頭痛以外の体調不良の要因となっていることもあります。

ただホルモンの分泌は止められないので、医師に相談しながらケアを行っていくことになります。

ストレス

頭痛はストレスによって引き起こされることも珍しくありません。妊婦さんは体調等で心配事が多いために特にストレスが溜まります。出産に向けてさまざまな準備も必要なので、何かと心配事も減らないでしょう。

しかし心配事は体にとってストレスでしかないため、妊娠中は特に頭痛等で表面化しやすいです。頭痛を減らすためにもストレスを緩和することが必要になります。

運動不足

人は運動不足だと使われない筋肉がこわばり、血行不良になるため、頭痛になることがあります。妊婦さんの場合は体調を気遣って安静にしすぎていたり、つわりで動けないという人は運動不足で頭痛につながっている可能性があるでしょう。

また、以前からデスクワーク等で肩こりがある人も注意が必要です。肩こりは運動不足と同じで慢性的な筋肉のこわばり・血行不良であるため、頭痛につながることがあります。

いずれも頭痛を誘発しないために、無理のない範囲で運動不足を解消する必要があるでしょう。

高血圧

通常、高血圧が直接頭痛を起こすことはありませんが、急激な高血圧によって脳が障害を起こし、頭痛を起こすことがあります。これを「高血圧性頭痛」と言います。

急激に高血圧になることで血圧を調整できなくなり、脳がむくむことで頭痛や吐き気等の症状を引き起こします。もともと高血圧気味な妊婦さんは懸念があることはもちろんですが、以前から高血圧でない人も注意が必要です。

じつは妊娠すると、高血圧でなかった人が高血圧になることがあります。

妊娠後に高血圧になる理由は断定されていませんが、赤ちゃんのための胎盤を作る過程で分泌される物質が影響しているとも言われています。

妊娠後に慢性的な高血圧になっている場合、「妊娠高血圧症候群」の一型である「高血圧合併妊娠」の可能性があり、この場合妊娠初期では流産、妊娠後期では子癇発作を来す可能性があります。定期健診を受けていれば血圧の変化は知ることができるので、受診は欠かさないようにしましょう。

妊娠初期の頭痛の対処法

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いくら頭痛が辛いといっても妊娠中はなるべく薬は使いたくないのが正直なところです。そこでここからは薬以外の頭痛の対処法をご紹介します。

まずはできることから始めて、頭痛を緩和していきましょう。

痛みがあるときは無理せず休む

頭痛は一度起きると簡単には止められません。痛みがあるときは、無理をせず休むことが一番の薬です。無理をして動き続けるより、一度しっかり休むほうが早く回復することもあります。

また、休むときもスマホ等目が疲れることは避けてください。スマホ等は目の視神経を使うので、視神経の疲労から、さらに頭痛を起こす恐れがあります。頭痛が治まるまでは目が疲れることは避けるようにしましょう。

ストレスを溜めない

ストレスは頭痛を引き起こすため、普段からストレスを溜めないのが効果的です。簡単なストレス解消法としては次のような方法があります。

● ショッピングをする
● 美味しい物を食べる
● TV・映画を見る
● 音楽を聞く
● 趣味を楽しむ

妊娠中はホルモンの影響もあって、不安な気持ちになることも多くなります。ストレスも感じやすくなるので、まめにストレス解消をしておくことが大切です。

ストレスが溜まっても目に見えるものではないので、好きなことのルーティンをつくって積極的にストレス解消をしておきましょう。

栄養バランスの整った食事

栄養バランスの整った食事は体内バランスを乱れにくくしてくれるため、頭痛だけではなく他の体調不良の予防にもなります。

栄養バランスの整った食事は次の構成で組み立ててみてください。

● 主食(炭水化物)・・・ごはん、パン、麺等
● 副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)・・・野菜、豆類、海藻、きのこ等
● 主菜(たんぱく質)・・・肉、魚、卵、大豆等
● 乳製品(カルシウム)・・・牛乳、ヨーグルト、チーズ等
● 果物(ビタミンC・カリウム)・・・オレンジ、リンゴ、いちご、すいか等

妊娠中は赤ちゃんの栄養も必要になるため、お母さんはしっかりとエネルギーを摂取しなければいけません。炭水化物を抑えがちな女性は多いですが、妊娠中はしっかり取りましょう。また、副菜や主菜でビタミンやミネラル、たんぱく質等の栄養素を意識して揃えていくのも大事です。

ただし、もしつわりで吐き気がある時は無理をしなくて大丈夫です。とにかく食事をすることが大切なので、食べられるものを摂取するようにしてください。普通に食事が取れるようになったら、食事バランスを整えていきましょう。

なお、妊娠中は赤ちゃんのために取ったほうがよい栄養素もあるので、上記のものを加えて食事に取り入れてみてください。

妊娠中におすすめな栄養素は次のとおりです。

妊娠中におすすめの栄養素

食品例

赤ちゃんの成長を促す

【葉酸】

・ブロッコリー

・ほうれん草

・小松菜

・モロヘイヤ

・納豆

貧血・頭痛を予防する

【鉄分】

・牛・豚・鳥等のレバー

・しじみ

・小松菜

・まいわし

・卵黄

鉄分の吸収を助ける

【ビタミンC】

・レモン

・パプリカ

・オレンジ

・芽キャベツ(

赤ちゃんの骨を作る

お母さんの骨を丈夫にする

【カルシウム】

・牛乳

・チーズ

・豆乳

・小魚

カルシウムの吸収を助ける

【ビタミンD】

・さけ

・まいわし

・さんま

・まぐろ

・めかじき

・キノコ類

腸内環境を整える

【食物繊維】

・玄米

・押し麦

・ライ麦パン

・おから

・昆布

・そらまめ

腸内環境を整える

【乳酸菌】

・ヨーグルト

・味噌

・発酵食品

軽い運動をする

運動不足を解消するために、軽い運動もおすすめです。体のこわばりや血行不良も解消されるので、頭痛を予防できます。

なお、妊娠初期では次のものがおすすめです。

● 散歩
● 軽いダンス
● ストレッチ
● ヨガ

妊娠初期は妊娠前と変わらず動けることも多いですが、激しい運動は赤ちゃんに影響を及ぼす恐れがあるので、激しすぎない運動を選ぶようにしましょう。

また、つわり等がある場合は無理に運動をすると体調不良が悪化する恐れがあるため、つわりが落ち着いている時に無理がない範囲で行ってください。

かかりつけの産婦人科で相談する

もし強い頭痛に悩んでいるなら、一度かかりつけの産婦人科でご相談ください。

手っ取り早く市販薬で症状を和らげたいと思うところですが、妊娠中は市販薬の服薬はおすすめできません。市販薬は医師に処方されたものではないため、赤ちゃんにどのような影響を及ぼすかわからないためです。

産婦人科に行けば妊娠初期でも服薬できる薬を処方してもらえることがあります。頭痛が辛いと感じたら、我慢せずに医師に相談しにいきましょう。

妊娠初期の頭痛に関して起こりがちな疑問

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最後に妊娠初期の頭痛に関して起こりがちな疑問について紹介します。お母さんの不安を減らすのに役立ててください。

妊娠初期の頭痛はいつまで続く?

妊娠初期の頭痛をはじめとした体調不良は、つわりが終わる頃の妊娠中期になると軽減されることが多いです。ホルモンの影響や妊娠への不安が落ち着いてくるため、軽減すると見られています。

ただ妊娠中期になれば、必ず頭痛がなくなるとは明言できません。前述のとおり頭痛を起こす原因はさまざまなため、ストレス等で断続的に症状が出る人もいます。

病院に行く目安は?

普段見られないような強い痛みが続く場合や、痛みが増していくようだったらすぐに病院に相談してください。

なお、次のような頭痛の症状の場合は、急激な高血圧等体に異常が起きている恐れがあるため注意してください。

● 頭痛が強くなってきている
● 割れるような痛みがある
● 視界がちかちかする
● 頭痛とともに吐き気がある

体を休めれば軽減される頭痛は妊娠に影響するものであることは少ないので、まずは深呼吸をして頭を休めましょう。ただ一度治まっても頭痛が断続的に続いて気になる場合は、電話で産婦人科に相談してみるのもおすすめです。

妊娠中の頭痛は無理をせず体を休めよう

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妊娠初期はホルモンの増加、ストレスの影響、運動不足等が頭痛の原因となることが多くなっています。いま起きている頭痛については、とにかく体と目を休めることが回復の早道ですが、また頭痛が起きないように普段から対策をしておくことが大事です。

好きなことで小まめに息抜きをして精神的なストレスを軽減したり、バランスの良い食事や軽い運動で体を健康にして頭痛が起きる可能性を減らしましょう。

ただ強い頭痛が続く場合は、急激に高血圧になっていたり何かの病気が隠れている恐れもあるため、遠慮せず医師に相談してください。

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