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妊娠と出産

妊娠初期は飛行機に乗っても大丈夫?リスクやポイントを解説

公開日:2024.06.05
更新日:2025.02.06
妊娠初期は飛行機に乗っても大丈夫?リスクやポイントを解説
妊娠初期に飛行機への搭乗が必要になったとき、胎児と母体への負担がないか、心配になる方も多いかもしれません。 結論から言うと、妊娠初期であっても飛行機に乗ること自体は可能です。 しかし、妊婦の体調や胎児の安全を考えたうえで、飛行機への搭乗自体を避けた方がよいこともあります。本記事では、妊娠初期に飛行機に乗るときのリスクや、安全な旅行のために心がけたいポイントをまとめました。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 妊娠初期の飛行機搭乗自体は可能

2 妊娠初期の飛行機旅行のリスク

3 妊娠中に飛行機に乗る際に覚えておきたいポイント

4 【医師に確認!】妊娠中の飛行機搭乗に関する疑問

妊娠初期の飛行機搭乗自体は可能

妊娠中も飛行機への搭乗自体は可能であり、体調が安定していれば胎児や母体への影響はないとされています。とはいえ、本当に大丈夫か気になる方も多いかもしれません。ここでは搭乗による影響や関連する規定を紹介します。

基本的には飛行機に乗ることで胎児や妊娠への影響はない

飛行機に乗ることが流産につながるという医学的な統計や根拠はないため、胎児や妊娠には直接的な影響はないと言えます。

関連する事柄で金属探知機による検査、上空での放射線の影響を懸念する方もいるかもしれません。しかし、金属探知機は体に無害とされており、また上空の放射線もごく微量で母体や胎児に影響を及ぼすことはないとみられています。

ただし、妊娠初期に関しては、間接的に母体へ影響を及ぼす可能性は否定できません。影響として、例えば次のようなものが考えられます。

● 環境の変化で体調に変調を及ぼす
● エコノミークラス症候群になる可能性
● 気圧・温度・湿度の変化や匂いでつわり等がひどくなる
● 上空の酸素濃度の低下で心臓や呼吸器に負担がかかる

妊娠初期、絶対に飛行機に乗ってはいけないわけではありませんが、体が安定していない時期なため、体調不良になる可能性は常にあります。そのため、不安がある方は搭乗は避けるのが無難です。

どうしても飛行機に乗る必要がある場合は、搭乗に問題がないか、事前にかかりつけ医に相談しておきましょう。


参考:日本産科婦人科学会

妊娠中の飛行機搭乗可能期間は航空会社の規定による

航空会社はそれぞれ、妊娠中の飛行機搭乗に関する規定を設けています。多くは出産予定日が近い場合や双子といった多胎妊娠、妊娠合併症がある場合に関する規定ですが、各社で対応が異なるため事前に調べておきましょう。

一例として、代表的な日系航空会社の国内線における規定を紹介します。なお、国際線の場合は、航空会社だけでなく行き先の国によっても対応が異なります。国によっては、到着国の国籍を持たない妊婦の入国が制限されるためです。利用する航空会社や行き先にあわせて、妊婦の搭乗に関する情報を集めておきましょう。

航空会社によっては搭乗に問題がないことを証明するための「メディカルクリアランスフォーム」の提出も必要になるため、あわせてチェックしてください。

ANAとJALの場合

ANAとJALの場合は、出産予定日を含め28日以内の妊婦に規定があります。要件については次のとおりです。

出産予定日を含め8日以上28日以内:産婦人科医による診断書が必要
出産予定日が7日以内:産婦人科医による診断書と医師の同伴が必要

また、事前の座席指定については、妊婦含め健康面上の理由で迅速な援助ができない方は「非常口座席」を指定できないと明記されています。

もし該当座席の予約後に妊娠がわかった場合は、その時点で航空会社へ申告を行って座席を変更してもらいましょう。

参考:妊娠中のお客様 国内線 ANA
参考:JAL | 妊娠中のお客さま(お手伝いを希望されるお客さま)

スカイマーク

スカイマークでは、出産予定日まで8日以上28日以内の場合は「飛行機に搭乗しても問題ない」と記載された医師による診断書が必要です。

診断書に関しては、片道の場合は搭乗予定日から7日以内のもの、復路便の場合は復路便出発予定日から7日以内の診断書の提出が求められるので注意しましょう。

また、出産予定日まで7日以内の場合は、診断書に加えて医師もしくは助産師の同行が必要です。ただ同行者が助産師のみのケースは、医師による「助産師のみの同行で差し支えない」と書かれた診断書が求められます。

参考:妊娠されているお客様へ|SKYMARK

ピーチ・アビエーション

ピーチ・アビエーションでは、出産予定日を含め15日~28日以内の妊婦は診断書と同意書を事前に「コンタクトセンター」へ提出する必要があります。

一方、出産予定日含め14日以内の妊婦は、同意書と診断書の事前提出に加えて、産科医(主治医)の同乗が必要です。

また、出産予定日まで29日以上期間がある方は事前の連絡は必要ありませんが、空港や機内で予定日や体調の確認を行う場合があると明記されています。

参考:妊娠中のお客様へ|peach

ジェットスター・ジャパン

ジェットスター・ジャパンでは、飛行時間と周期によって、搭乗できる対象が異なります。基準は次のとおりです。

単胎妊娠

多胎妊娠

4時間未満のフライト

40週まで

36週まで

4時間以上のフライト

36週まで

32週まで

加えて29週以降の妊婦は、搭乗に主治医もしくは助産師が書いた診断書の携帯が必要なため、忘れず用意をしておきましょう。(国内線の場合は36週目以降)

なお、妊娠29週以降は非常口座席の指定はできません。

参考:妊娠中/新生児を連れてのご搭乗について|Jetster
参考:搭乗時の健康状態/メディカルクリアランス|Jetster

飛行機での旅行は推奨できない

飛行機の搭乗自体は胎児や妊娠に影響があるわけではありませんが、急な体調変化があった場合に対応できない側面があります。

そのため、妊娠中の飛行機の利用は基本的に推奨できません。

妊娠初期は特につわりが起きやすいため、気圧変化等で症状が誘発される恐れもあります。大気の状態によっては飛行機が揺れ、そのせいで体調が悪くなることも考えられるでしょう。

妊娠発覚以前からの計画だとしても、母体と胎児の体調を優先し判断することをおすすめします。また国内旅行等であれば、新幹線や車等の選択肢も検討してください。

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気圧変化が大きく影響する可能性は低いですが、予想外の出血や腹痛がおきた場合、対処することができず、結果処置が手遅れになってしまう可能性があります。

妊娠初期の飛行機旅行のリスク

妊娠初期に飛行機に乗る場合、次のようなリスクを考える必要があります。

それぞれリスクを詳しく見ていきましょう。

すぐにかかりつけの産科に行けない

もし飛行機に乗ったあとに体調に変化があっても、すぐにはかかりつけの産科に行くことができません。そうなると出先の産科を利用することになりますが、出先での病院利用は初診となります。緊急性がない限りは診察してもらえるまで時間を要することも多いです。

さらに海外の場合は言葉や治療費等の問題もあり、よりリスクが高いといえます。

エコノミークラス症候群のリスクが上がる

妊婦が長時間の飛行機移動をする場合、エコノミークラス症候群になるリスクもあります。

エコノミークラス症候群とは、座ったまま長時間同じ姿勢を続けることで静脈内に血栓ができて血流が滞り、重症化すると命にかかわることもある病気です。

実は飛行機内は乾燥しているために体の水分を失いやすく、エコノミークラス症候群になりやすい環境です。加えて妊娠中の女性は血液が固まりやすい傾向もあり、子宮が大きくなってくると静脈の流れも悪くなります。そのため、普通の人より妊娠中は発症リスクが高いといえます。

特に6時間以上の飛行機移動はリスクが高まるため、妊婦は注意が必要となるでしょう。

つわりの症状が出やすい

妊娠中の飛行機への搭乗は、つわりの症状を悪化させる恐れがあります。機内は密閉空間なため匂いが充満しやすく、特に「匂いづわり」を起こしやすいためです。

乾燥しやすい機内で嘔吐を繰り返した場合、脱水症状がよりひどく出る可能性もあるでしょう。加えて閉鎖空間の慣れない環境への不安で、症状が悪化することもありえます。

もしどうしても妊娠中に飛行機に乗る場合は、エチケット袋の用意やトイレの近い座席を予約する等、万一に備えておくと安心です。

妊娠中に飛行機に乗る際に覚えておきたいポイント

ここでは、妊娠中に安心して飛行機に乗るために覚えておきたいポイントを4つ紹介します。

飛行機搭乗に最適なのは妊娠中期

妊娠中に飛行機に乗る場合、比較的落ち着いて乗りやすいのは妊娠中期(妊娠14週~26週)とされています。妊娠初期よりも体調が安定しており、より飛行機へ搭乗する際のリスクを減らしやすいです。

ただし、妊娠初期よりもリスクが少なくなるだけで、ゼロにはなりません。

妊娠中の体調はひとりひとり異なります。つわりが続く、体調が不安定等の不安がある場合は必ずかかりつけ医に相談しましょう。安静にするよう指示が出ている場合には、指示に従うことが大切です。

飛行機搭乗の際に持っておくと良い物

医師の許可を得て飛行機に搭乗する際にも、万が一の体調不良に備えましょう。持っていきたい持ち物として、以下が挙げられます。

● 母子手帳
● 保険証
● かかりつけ医の連絡先等を書いたメモ
● 緊急連絡先が分かるメモ
● 十分な現地通貨

こうした持ち物があると、行き先で病院にかかる必要が出たときに、慌てずに情報を提供しやすくなります。

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また、病院にかかるときは現金が必要になるケースがほとんどです。キャッシュレス決済に頼りすぎると、緊急で病院に行った際に支払いができないことがあるため、十分な現地通貨を持っていた方がより安心できます。

飛行機に乗る際は締め付けの少ない服装が良い

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妊娠中の機内では、締め付けが少ないゆったりとした服装がおすすめです。胸やおなか周りの締め付けがなく、足も楽な服装を選ぶことで、つわりやむくみ・血行不良を軽減できます。

ただ機内は冷えやすいため、タイツやレッグウォーマー等で保温することも欠かせません。あらかじめ冷え対策のアイテムを何点か用意をしておくと、過ごしやすくなるでしょう。

また、エコノミークラス症候群予防には、携帯スリッパと着圧ソックス(着圧のあるレッグウォーマー等)の使用もおすすめです。

搭乗中は水分を積極的に取る

水分不足によって、エコノミークラス症候群やつわりの悪化といったリスクが高まるため、搭乗中はこまめに水分補給を行いましょう。搭乗後に好きなタイミングで水分を取れるよう、飲料等を用意しておくこともおすすめです。

ただし、コーヒーや緑茶等、カフェイン入りの飲み物は避けるのが無難です。カフェインには利尿作用があるため、かえって体から水分が失われてしまいます。

また、つわりによる吐き気で水分が取れない場合もあるかもしれません。ゼリーのように水分の多い食事や、ジュースのように少量でも飲める水分を用意する等、水分補給を補助しやすいものを用意しておくのも手です。

搭乗中は足のマッサージや足を動かすことを意識する

搭乗中はエコノミークラス症候群を予防するためにも、ときどき軽い体操や運動をして足を動かすことを意識しましょう。簡単にできる運動として、次の内容が挙げられます。

● 足の指をグーパーと閉じたり開いたりする
● 足を上下に動かしたり、つま先立ちしたりする
● つま先を引き上げる動作を繰り返す
● 足首をぐるぐると回す
● トイレへ立った際に軽く体を動かす

うした運動のほか、ふくらはぎを軽くマッサージするのもおすすめです。

また、長時間ずっと座っているよりは、1時間に1回ほど歩いた方がエコノミークラス症候群の予防につながります。転倒に注意しながら、トイレのタイミング等で歩き、足を動かすようにしましょう。

旅行に付帯する保険の内容を確認しておく

旅行に付帯する保険がある場合、万が一に備えて事前に保険内容を確認しておきましょう。

特に海外旅行の場合は、海外旅行保険の妊娠期間には制限があるケースもあります。何かあっても該当期間ではない妊婦には保険が下りないかもしれません。

保険があるとないとでは状況も変わってくるので、旅行前に必ず目を通しておくようにしてください。

【医師に確認!】妊娠中の飛行機搭乗に関する疑問

妊娠初期の飛行機搭乗に関して、板橋中央総合病院 医長の阿部 一也医師に聞いてみました。

飛行機を利用する際はかかりつけの産科に申告が必要ですか?

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はい、必ず申告が必要になります。航空会社によっては医師の許可書のような書類の提出が必要なこともあります。

絶対に飛行機に乗らないほうが良いケースはありますか?

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性器出血や下腹部痛を来している状況では切迫流産の可能性もあり、避けるべきだと思います。

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