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【I'mOK? ANSWER】更年期障害の乗り越え方

公開日:2024.07.25
更新日:2024.07.25
【I'mOK? ANSWER】更年期障害の乗り越え方
家事・育児といった家庭に関することや仕事など、現代の女性は日々を忙しく過ごしています。そんな生活の中では、わかっていながらもついつい自分を労わることを後回しにせざるを得ないことも多いはず。そんな「頑張る女性」の明日を少しでも生きやすくするために、ほんの少し立ち止まって、「わたしは大丈夫?」と自分に投げかけてみてほしい。I’m OK?プロジェクトは、そんな思いで始まりました。 そこで、更年期障害への不安や悩みについて、女性がどのようなことに悩み、どう対処しているのかを調査しました。また、更年期障害に正しく対処するために、産婦人科医の鈴木美香先生に話を伺ったので、是非参考にしてください。

PROFILE

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聖隷健康サポートセンターShizuoka所長/静岡県立大学客員教授 鈴木 美香
浜松医科大学卒業、同大学院修了。臨床現場、米国留学を経て、2010年より現職。婦人科・漢方診療、予防医療に従事。予防医学の啓発活動、働く人の健康管理、特に女性のヘルスケアに積極的に取り組んでいる。 医学博士、産婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、漢方専門医、労働衛生コンサルタント 他。
INDEX

1 90%以上の女性が更年期障害が“不安”

2 更年期症状の3つの因子

3 更年期の女性は人生の困難にぶつかっていることが多い

4 更年期障害についてパートナーと話し合うことの重要性

5 正しく理解して、無駄に恐れない

90%以上の女性が更年期障害が“不安”

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I’m OK?編集部が40~60代の女性を対象に実施した独自アンケートによると、自身の更年期障害に対して不安を感じる、あるいは少し不安を感じる、と答えた女性は併せて約90%もいることがわかりました。更年期という言葉にネガティブな印象を受けるという女性は、さらに多い約95%。このことから、この年代の多くの女性が更年期障害に対して漠然とした不安を抱いていることがわかります。

また、すでに更年期症状を自覚しているという人は、約85%。疲れが取れないと感じるようになった人が最も多く、次いで倦怠感を感じる人が多く見られました。

更年期症状の3つの因子

今回は、更年期障害の原因や、更年期症状との向き合い方について、産婦人科医の産婦人科医の鈴木美香先生に話を伺いました。

まず、更年期障害の仕組みと原因を簡単に教えてください。

鈴木美香先生:
更年期というのは、閉経前後の±5年、つまり45歳~55歳頃の10年間を指します。更年期に入ると、女性の体では卵巣機能の低下で女性ホルモンの減少が始まります。このホルモンバランスの変化がそもそもの原因です。加えて、仕事や介護、育児などライフステージやライフスタイルの変化といった環境因子、性格や精神的負担などの精神心理的因子の3つの因子があると考えられています。

そもそも更年期障害は誰にでも起こるものなんですか?

鈴木先生:
厳密には、誰にでも起こるとはいえません。女性ホルモンの減少自体は誰にでも起こるものですが、それによる体調の変化を更年期症状といいます。中でも、生活に困るような症状が出てくれば、それが更年期障害です。そのため、中には「最近少し体調が優れないな」と思っている些細な体調変化が、本人に自覚がない更年期症状だったという人もいれば、寝込んでしまうほどつらい更年期障害を抱えている人もいます。

更年期によるものだと自覚しにくい更年期症状には、具体的にどのようなものがありますか?

鈴木先生:
意外と知られていないのは、女性ホルモンの低下によって手指の痛みなどが起こりやすいこと。また、普段できていたことができなくなる、たとえばいつもきちんと整理整頓できていたのにうまくできない、集中力の低下、だるい、気分が落ち込みやすいというのも更年期症状のサインだということもあります。

更年期の女性は人生の困難にぶつかっていることが多い

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では、更年期障害にはどう対処したらよいですか?

鈴木先生:
確かに女性ホルモンに似た働きをするエクオールという成分が入ったサプリメントなどはあるのですが、更年期障害の症状や程度は多用なので、セルフケアだけでは対応が難しいことも多いです。更年期障害に悩んでいるようであれば、病院を受診していただくほうが解決の近道です。

病院では、更年期障害でどのような治療をしますか?

鈴木先生:
代表的なものでは、薬によって女性ホルモンを補充するホルモン補充療法があります。たとえばホットフラッシュは、ホルモン補充療法が最も効果が出やすい症状で、倦怠感などの場合も女性ホルモン低下が主な原因となっているようであれば、ホルモン補充で改善できることが多いです。精神面での不調には、漢方が効きやすいですね。ただし、最初にお話したように、更年期障害にはホルモン以外の因子があり、それがかなり大きく影響するように感じます。

もちろん体質もありますが、更年期障害がひどい人に話を聞くと、そもそも日常のストレスがかなり大きいということが少なくありません。更年期の女性というのは、たとえば子供の受験や親の介護、仕事でも重要な仕事を任されるようになるなど、それまでと比べて大きく生活環境が変わる時期にあたります。生活環境の大きな変化というのはそれ自体が体にとっての負荷になりますが、その中で自覚するような悩みも一緒に抱えていると、さらにご自身の精神的な負担は大きくなります。

そのため、場合によってはでのカウンセリングや抗うつ剤など、直接精神的な問題をサポートできるような治療を行っていくことも多々あります。

更年期障害についてパートナーと話し合うことの重要性

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症状も、その程度も人それぞれなので、更年期障害の悩みを家族に理解してもらうこともなかなか難しそうですね…。更年期障害のつらさを家族に理解してもらうためにはどうしたらいいですか?

鈴木先生:
症状を自覚しているのであれば、どんな症状があるのかを説明し、今はそういう時期だということを説明していただくのがいいと思います。先ほどお伝えした通り、更年期障害は環境因子や精神心理的因子の影響を大きく受けるものです。たとえば家事における役割の分担を見直したり、仕事での悩みを共有したりと、生活の中でのそもそもの負担を軽減できるような手助けをしてもらうというのは非常におすすめです。

また、更年期に差し掛かる頃に、更年期症状について話をしておくのも良い方法です。集中力の低下や疲れやすさが更年期によるものだと自覚できない人も多く、単なる加齢によってできないことが増えたと悩んでしまいがちです。更年期症状によって起こりうる症状を共有しておくことで、「それ、更年期のせいじゃない?」とパートナーが気付いてくれたことが受診のきっかけになったということは少なくありません。

正しく理解して、無駄に恐れない

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これから更年期障害が待ち受けているかもという不安や、まさに更年期の真っただ中で初めての不調に悩む女性に、自分を労わるためのアドバイスはありますか?

鈴木先生:
まずは更年期にはいろんな体の変化が起こると理解しておくことが重要です。何かしらの症状が出れば、今は更年期障害に対しても医学で対処できることがたくさんあります。是非それを覚えておいてほしいですね。

女性ホルモンが低下すれば、内臓脂肪がつきやすくなるといった変化もあるんです。自分で運動などをしないと体重が増えていくのは自然のことで、健康面での変化は必然的に起こるものだ、という認識を持ち、恐れすぎないでください。更年期が来たら、これからのライフスタイルを新たに見直すいい機会だと考えてみてほしいです。

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