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カラダとココロ

更年期のイライラは治療で改善可能。症状の詳細や治療方法

公開日:2024.11.25
更新日:2024.11.25
更年期のイライラは治療で改善可能。症状の詳細や治療方法
更年期にはさまざまなメンタルの不調が起こると想定していても、実際に症状に直面すると不安が募るものです。更年期になり、イライラする気持ちがコントロールできずに悩んでいる人は、症状の詳細や受診の判断基準を確認してみましょう。また、どれだけの女性が更年期のイライラに悩まされているか、アンケートの結果もご紹介します。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
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専門家/エキスパート 馬場 敦志
筑波大学医学専門学類卒業/現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 イライラは更年期に多い症状の1つ

2 更年期によるイライラは受診すれば改善可能

3 カウンセリングや抗うつ剤を使用することもある

4 更年期によるイライラの特徴的な症状

5 【医師に確認!】更年期のイライラについての疑問

イライラは更年期に多い症状の1つ

更年期に伴うイライラは、更年期に多い症状の1つです。どのくらいの女性がイライラを経験しているのか、気になる方も多いでしょう。そこでI’m OK 編集部では、どのくらいの女性がイライラを経験しているのか調査しました。

40歳以上の女性の75%が更年期によるイライラを経験

アンケート調査では、40歳以上の女性の75%が更年期によるイライラを経験していることがわかりました。多くの女性は、仕事や交友関係といった日常生活に支障がないうちに、自分でイライラに気づいたと回答しています。

一方で、家族から指摘されて気づいたケースもありました。中には、人間関係や仕事等で問題が出て初めて気づいたというケースもあります。更年期のせいで起こるイライラは、周囲に悪影響を及ぼす可能性もあるため、早めの対策が必要です。

アンケートには、理由もわからずイライラする、今まで感じなかったような些細なことでイライラするといった声も寄せられました。理由が不明確で、どのタイミングで現れるかわかりづらく、対処法に悩む女性が多い傾向があります。

半数以上の人は40代になってからイライラを実感

更年期は、閉経前後の5年間程度を指します。一般的には、45歳~55歳くらいから始まると言われています。しかし、早い場合、30代後半から何らかの不調を感じることもあります。

アンケート調査では、半数以上の女性が40代になってからイライラを実感したことがわかっています。40代で理由もなくイライラすることが増えたと感じている場合は、更年期に伴う症状の1つかもしれません。

イライラを感じた多くの女性は、サプリメントの服用やリラックスできる趣味など何らかのセルフケアを試しています。しかし、なぜイライラするかわからないので、効果的な対策ができなくて困っているといった声も少なくありませんでした。

【調査概要】

調査方法:インターネットアンケート

調査対象:40歳以降の女性

アンケート母数:117人

実施日:2024年9月23日~2024年10月7日

調査実施主体:I'm OK? Magazine

調査会社:はなさく生命保険株式会社

更年期によるイライラは受診すれば改善可能

女性はホルモンバランスの影響を受けやすく、その変化によって何らかの身体的・精神的症状が現れることがあります。更年期によるイライラは、多くの女性が経験する悩みの1つです。このイライラも、ホルモンバランスの変化による影響です。イライラの症状に悩んでも、治療による改善が期待できます。

更年期症状は自分がつらいと感じたら受診してOK

更年期には、イライラやホットフラッシュ、めまい、頭痛、疲れやすさ、冷えといった症状が現れやすくなります。女性の更年期に起こる身体の不調は、「更年期症状」と呼ばれています。

現れる症状や程度には個人差があり、症状が軽いケースもあれば、症状が重いケースもあります。症状が重い場合、仕事や家事等の日常生活に支障が出ることも少なくありません。日常生活に支障を来すほどの状態は、更年期障害と呼ばれています。

ただし、更年期障害に客観的な基準はないため、更年期障害かどうかは自分の基準で考えて問題ありません。更年期症状がつらいと感じたら、我慢せずに病院を受診し、医師に相談するようにしましょう。

ホルモン補充療法や漢方薬での治療が中心

多くの女性が更年期症状に悩まされる原因は、ホルモンバランスの変化や心身のストレス等です。更年期には卵巣機能が低下するため、卵巣から分泌されるエストロゲンの分泌量が減少します。

病院では、エストロゲンを補うことを目的とした「ホルモン補充療法」を使用して治療するのが一般的です。この他、更年期に伴う症状に合わせて漢方療法を行うこともあります。更年期のイライラに効果的な漢方薬は、次の2つです。

● 抑肝散(よくかんさん)
● 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

なお、ホルモン補充療法のスタート時には、何らかの副作用が現れることがあります。
▼更年期の治療に関する詳細は、こちらの記事でも紹介しています。
更年期とはどのような期間か?よくある女性の症状と対策を紹介

カウンセリングや抗うつ剤を使用することもある

更年期にはイライラ以外にも、不眠や不安感、うつといったさまざまな症状が現れることがあります。これらの症状が起きる原因は、ホルモンバランスの変化だけではありません。家庭や仕事等で抱えるストレスも、更年期症状が起きる原因になります。

特に環境因子は、更年期症状がひどくなる原因の1つです。精神的症状がひどい場合は、必要に応じて精神科や心療内科と連携し、カウンセリングや抗うつ剤が使用されることもあります。

更年期の治療をする際に、精神科や心療内科を受診することに躊躇する女性もいるかもしれません。しかし、適切な治療を受けることで、自分自身の問題と向き合い、ストレスの軽減につながる可能性があります。

▼更年期障害の乗り越え方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【I'mOK? ANSWER】更年期障害の乗り越え方

更年期によるイライラの特徴的な症状

イライラは、生理前症候群や月経困難症でも起こることがあるため、経験したことがある女性も多いでしょう。しかし、更年期によるイライラには、ある特徴があります。それでは、更年期によるイライラの特徴を詳しく見ていきましょう。

イライラするタイミングが自分でもわからない

更年期によるイライラは、どのようなタイミングで現れるかわからないことが特徴です。
生理前症候群や月経困難症によるイライラはタイミングがわかりやすい分、人との予定を入れない等、ある程度は対処がしやすいという人もいます。

一方の更年期の場合、タイミングが掴めず、コントロールしづらい傾向にあります。どのようなときにイライラするのかというアンケートには、次のような声が寄せられました。

● なぜイライラするかわからないので、効果的な対策ができなくて困っている
● 悩みがあるからイライラするのか、更年期症状でイライラするのかわからない
● 今までは気にならなかったことでイライラしてしまい、自己嫌悪に陥る 

コントロールできないイライラはストレスにつながるため、気になるようであれば早めに対策するようにしましょう。

その他の更年期症状もあり余計につらくなりやすい

自分に現れる更年期症状は、1つだけだとは限りません。更年期にはイライラ以外にも、頭痛や疲れやすさ、注意力の低下等のさまざまな症状が複合的に現れる可能性があります。

アンケート調査では、ストレスが溜まって健康をさらに害するのではないかと不安、イライラ状態が続くことによって頭痛を併発したり何事もやる気がなくなるといった声も寄せられました。

症状の程度には個人差があり、複数の症状が重なっても比較的軽く済む女性もいれば、日常生活に支障を来すほどの症状に悩まされる女性もいます。さまざまな症状が複合的に起こることで、家事や仕事が思うように進まず、さらにつらさを感じる女性が多いようです。

【医師に確認!】更年期のイライラについての疑問

更年期のイライラについて、よくある不安や疑問を、宮の沢スマイルレディースクリニック院長の馬場 敦志医師に聞いてみました。

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更年期のイライラに対しては、心身ともに健康的に良好な状態を保つことが大切です。よく言われるように、適度な運動・栄養バランスの良い食事・十分な睡眠・規則正しい生活リズムを心がけましょう。 また、大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た成分です。更年期症状を緩和する効果もあることから、大豆イソフラボンやその代謝産物であるエクオール等のサプリメントを利用しても良いでしょう。ストレスを緩和するために、深呼吸・瞑想、ヨガ・ストレッチ等心身ともにリラックスするようなものを積極的に取り入れるのもおすすめです。

更年期は誰でもイライラしたり落ち込むもの?

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更年期には、ホルモンバランスの変化により、イライラや情緒不安定が起こりやすくなります。しかし、誰でも必ずそうなるわけではありません。個人差が大きく、一部の人はあまりイライラを感じない場合もありますが、多くの人が情緒面の変化を来す傾向があります。

更年期障害の不安を軽減する方法は?

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更年期障害の不安を軽減するために、人とのつながりが大切であり、家族や友人との会話を楽しむようにしましょう。特に、同世代で同じような更年期症状で悩まされている友人や同僚等と話をすることで、心が軽くなるかもしれません。また、心理カウンセラーやセラピスト等専門家のカウンセリングを受けてもいいでしょう。 症状がひどく日常生活に影響が出ているようであれば、婦人科を受診して医師に相談しましょう。ホルモン補充療法、漢方薬、症状を改善するような薬剤等の処方を受けることができますし、受診したという安心感から不安感が和らぐことでしょう。

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