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妊娠と出産

臨月とは?赤ちゃんやママの状態、よくある不調、過ごし方を解説

公開日:2025.09.10
更新日:2025.09.10
臨月とは?赤ちゃんやママの状態、よくある不調、過ごし方を解説
妊娠生活もいよいよ終盤を迎える「臨月」。赤ちゃんとの対面が近づく一方で、体や気持ちの変化に戸惑う方も少なくありません。 この記事では、臨月に入った赤ちゃんの成長や位置、お母さんの体調の変化、よくある不調とその原因、そして安心して過ごすためのポイントについて、板橋中央総合病院 医長の阿部一也先生にお話を伺い、分かりやすく解説します。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 臨月=妊娠36週以降から出産予定日まで

2 臨月の赤ちゃんの状態

3 臨月の母体の状態

4 臨月によくある不調とその原因

5 臨月の過ごし方

6 臨月に関するよくあるQ&A

臨月=妊娠36週以降から出産予定日まで

臨月とは、妊娠36週0日から40週0日までの約1カ月間を指します。出産が近づき、赤ちゃんを迎える準備が本格的に始まる時期です。
臨月に入ると、体の変化だけでなく、気持ちの面でも緊張や不安を感じやすくなります。赤ちゃんとの出会いを楽しみにしながら、無理をせず、心穏やかに過ごすことが大切です。

臨月の赤ちゃんの状態

臨月に入ると、赤ちゃんの成長はゴールに近づき、誕生の準備が整っていきます。

赤ちゃんの大きさ

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臨月の赤ちゃんは、新生児とほぼ同じくらいまで成長します。体重はおよそ2,800g~3,400g、身長は約48〜50cm程度です。ただし、大きさには個人差があるため、これより大きかったり小さかったりすることもあります。
臨月になると、赤ちゃんの体には皮下脂肪がしっかりとつき、肌もふっくらとしてきます。さらに、肺や胃腸等の臓器もほとんど完成し、生まれたあとに必要な働きができるようになります。

赤ちゃんの位置や姿勢

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この時期におなかの赤ちゃんは、頭を下にして骨盤の中へ入り込み、背中を丸めて小さくまとまるような姿勢(固定状態)で少しずつ下がっていきます。
また、子宮の中はだんだんと狭くなるため、赤ちゃんの動きは以前よりも控えめになります。動きが少ないと心配になるかもしれませんが、これは自然な変化です。
ただし、胎動の減少は赤ちゃんの異常を示す可能性もあるので、注意が必要です。
急に動きが弱くなったり、いつものリズムと違ったりする場合は、早めに医師に相談しましょう。

臨月の母体の状態

妊娠後期になると、みぞおち付近まで大きくなった子宮が、少しずつ下がっていきます。胃や肺の圧迫が和らぎ、息苦しさや胃もたれといった不快感が軽減される可能性があります。
一方、赤ちゃんの体重が増えるため、下腹部や骨盤周辺に負担がかかりやすくなります。腸やぼうこう等が圧迫され、便秘や頻尿といった症状が出る場合もあるでしょう。

臨月によくある不調とその原因

臨月に入ると、体にさまざまな不調が現れやすくなります。ここからはよくある不調とその原因を解説します。

おなかの張りや痛みが増える

臨月になると、おなかの張りや軽い痛みを感じるケースが増えます。これは「前駆陣痛(ぜんくじんつう)」と呼ばれ、子宮が本番の陣痛に向けて準備を始めているサインです。
前駆陣痛は本陣痛と異なり、張りや痛みの間隔が不規則で、痛みの強さにもばらつきがあり、しばらくすると自然におさまるのが特徴です。

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子宮が分娩の準備を始める時期なので、お腹の張りはほぼ確実といって良いほど出てきます。

おりものが増える

妊娠中はホルモンの影響でおりものが多くなりますが、臨月は特にその傾向が強まります。例えば、粘り気のあるおりものが増えたり、血が混じった「おしるし」が見られることもあります。
ただし、出血が多い場合や、黄色・緑色のおりもの、悪臭やかゆみを伴う場合は注意が必要です。感染症の可能性もあるため、早めに医師に相談しましょう。

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ホルモンの影響で、人によってはおりものが多くなりますが、出血や他の症状がなければ経過観察で良いでしょう。心配であれば医師に相談してみてください。

腰が痛くなる

腰の痛みも、臨月に多くの妊婦さんが感じる不調の一つです。出産が近づくと、赤ちゃんの頭が下がり始め、骨盤にかかる負担が大きくなります。
また、妊娠中に分泌されるホルモンの働きにより、骨盤まわりの関節がゆるみやすくなるのも特徴です。こうした体の変化が重なることで、腰やおしりのまわりに痛みを感じやすくなります。
つらいときは無理をせず、横になる等楽な姿勢をとりながら、体をやさしくいたわるようにしましょう。

便秘や下痢になる

臨月になると、便秘や下痢等の腸のトラブルを感じる方もいます。これまで便秘気味だったのに急に下痢になったり、逆に下痢が続いていたのに便秘になる等、体調の変化に戸惑うこともあるでしょう。
こうした不調の背景には、赤ちゃんの成長による内臓の圧迫や、妊娠にともなうホルモンバランスの変化があります。
体調を見ながら、無理のない範囲で水分や食事に気をつけて過ごしましょう。

臨月の過ごし方

臨月は穏やかに過ごして体調を整え、出産に向けて準備しましょう。ここからは臨月の過ごし方について解説します。

軽い運動を取り入れる

妊娠後期に体調が安定してるときは、軽い運動を取り入れることがおすすめです。適度な運動は体重管理や気分転換に役立ち、出産に向けた体づくりにもつながります。

例えば、近所をゆっくり散歩したり、安産体操をしたり、無理のない範囲の運動を日課にするのが良いでしょう。運動を始める前には、医師の許可を得ておくと安心です。

出産準備の最終確認をする

臨月は、出産に向けた準備を最終チェックするタイミングでもあります。
入院用バッグに必要なものがそろっているか、赤ちゃんの衣類やおむつ等の用品に不足がないかを確認しておきましょう。
臨月はいつ破水や陣痛が起きるかわからないため、万が一に備えて母子健康手帳、保険証、診察券は日頃から持ち歩くようにしましょう。また、陣痛が始まった際の連絡先や、病院までの移動手段も再確認しておくと安心です。

リラックスする時間をつくる

出産後は、赤ちゃんのお世話に追われ、ゆっくり過ごす時間が取りにくくなります。そのため、臨月は心と体を落ち着ける時間を大切にしましょう。家事の量を少し減らし、のんびりとした時間を意識的につくることが大切です。
例えば、美容室で髪を整えたり、パートナーと近所を散歩したり、カフェでお茶を楽しむのも良い気分転換になります。
心がリラックスすると、不安な気持ちも和らぐでしょう。出産に向けて前向きな気持ちで過ごすためにも、意識して穏やかな時間を取り入れてみてください。

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このほかに、会陰マッサージや乳頭マッサージを始めるのもおすすめです。またいつ破水や陣痛が来るか分からないので、出かける際には保険証といくらかの現金は持っておいたほうが良いですね。

臨月に関するよくあるQ&A

臨月は、日々の体調や生活にさまざまな変化が起こる時期です。よくある疑問について阿部医師が回答します。

臨月にやってはいけないことはある?

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臨月であっても、それまでの妊娠期間と過ごし方の点では特別変える必要はありません。しいて言うなら、無理をしないこと。激しい運動や重労働は避けるようにしましょう。他には自転車もなるべく避け、水分をしっかり取りながら過ごしてください。

ナプキンはいつからつける?

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おしるしや破水といった出産の兆候は、突然起こります。そのため、臨月に入ったら生理用ナプキンや尿漏れパッドを使い始めると安心です。 特に外出時は、ナプキンをつけておくことで衣類の汚れを防げます。念のため、替えの下着やナプキンも持ち歩いておくとより安心でしょう。

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