臨月はいつから?起こりやすい体や心の変化、過ごし方を解説

PROFILE

1 臨月はいつから?
2 臨月に起こりやすい体と心の変化
3 臨月の過ごし方
4 出産が近づくサイン・兆候
5 臨月の過ごし方で気をつけたいこと
臨月はいつから?
臨月とは、赤ちゃんとの対面がいよいよ近づく大切な時期です。まずは臨月の期間を解説します。
妊娠36週0日から40週0日まで
臨月は、妊娠36週0日から40週0日までの4週間を指します。出産が間近に迫った妊娠10カ月目の期間です。
赤ちゃんの発育はこの時期にはほぼ完了しており、母体が出産に向けて、体力や気持ちを整える大切な期間となります。
「正産期」との違い
正産期(せいさんき)とは、妊娠37週0日から41週6日までを指す用語です。
臨月=正産期ではありません。
正産期は、臨月よりも1週間遅く、広い期間を含み、出産するのに最も適した時期とされています。
臨月に起こりやすい体と心の変化
臨月になると、体の不調や心の揺らぎを感じやすくなります。赤ちゃんを迎える準備が整うにつれ、出産の兆しも少しずつ現れてくるでしょう。
おなかの張りや前駆陣痛が増えることがある
臨月には出産に備えて子宮の収縮が起こりやすく、不規則なおなかの張りや痛みを感じることがあります。
これは前駆陣痛と呼ばれる症状で、本格的な陣痛ではないものの、出産に向けて体の準備が進んでいるサインです。
症状の現れ方は個人差が大きく、何日も痛みが続く方もいれば、痛みにまったく気づかないまま出産を迎えるケースもあります。
息苦しく感じることがある
子宮が大きくなり、横隔膜の運動の制限も出るので、少し呼吸が苦しいと感じたり、息切れしたりすることがあります。症状が軽い場合は、深呼吸のようにゆっくりと、吸って吐いてを意識して呼吸してみてください。
胎動の感じ方が変わることがある
臨月になると、赤ちゃんの動きがやや鈍く感じられるケースがあります。これは赤ちゃんが大きく成長し、子宮内が狭くなって動ける範囲が限られてくるためです。
また、出産が近づくにつれて赤ちゃんの頭が骨盤の方へと下がっていくことも、動きに制限がかかる原因の一つです。
こうした変化により、胎動の位置や強さがこれまでと異なって感じられることがあります。
ただし、胎動をまったく感じなくなるわけではありません。日々の変化を観察し、異常を感じた場合は医師に相談しましょう。
情緒が不安定になることがある
臨月に入ると、ホルモンバランスの急激な変化により、気分の浮き沈みが激しくなることがあります。
妊娠後期にはプロゲステロンやエストロゲンといったホルモンの分泌が活発になり、自律神経にも影響を与えるため、精神的に不安定になりやすいのです。
気分が安定しない時期には、無理をせず心身ともにリラックスできる環境を整えることが大切です。
ゆっくり休んだり、音楽や読書等で気分転換を図るのも良いでしょう。また、不安な気持ちは一人で抱え込まず、身近な人や医師に相談してみるのもおすすめです。
夜に眠れない日が増えることがある
臨月になると、大きくなったおなかの重みで寝る姿勢が限られ、なかなか眠れないと感じることが増えます。
また、子宮に圧迫されたぼうこうの影響で頻尿になり、夜中に何度もトイレに起きることも、睡眠を妨げる要因の一つです。
横になるだけでも体を休めることはできるため、無理に眠ろうとせず体を休めることを心がけましょう。
臨月の過ごし方
臨月は赤ちゃんとの出会いに備え、心と体を整える大切な時期です。無理をせず、自分のペースで準備を進めることがポイントです。
軽い運動で体力を維持する

出産に向けた体力づくりとして、無理のない範囲で体を動かすことがおすすめです。
散歩やストレッチ、マタニティーヨガ等の軽い運動は、血行を促進し、筋力を維持する効果があります。
気分転換や体重管理にも役立ち、安産につながりやすいといわれています。
入院バッグや赤ちゃん用品の最終チェックをする
いざというときに慌てないよう、入院に必要な持ち物や赤ちゃん用品の最終確認をしておきましょう。
病院から配布された「入院のしおり」等を参考にしながら、準備品に抜けがないかチェックすることが大切です。
家の整理整頓・掃除で心も整える
赤ちゃんを迎える環境を整えるために、家の中の整理整頓や掃除を進めておくのもおすすめです。
身の回りが整うことで気持ちもすっきりし、前向きな気持ちで出産に臨みやすくなります。
長時間の作業や重い物の移動等は避け、医師に相談しながら無理のない範囲で行うようにしましょう。
パートナーや家族との連携を確認する
陣痛が始まった際に落ち着いて対応できるよう、パートナーや家族と事前に入院時の段取りを話し合っておきましょう。
陣痛がきたときの病院への連絡方法、産院までの交通手段、経産婦の方は子どもの預け先等、細かな部分まで共有しておくと安心です。
さらに、産後のサポート体制についても連携を図っておきましょう。出産後の家事や育児の分担、食事の用意、夜間の授乳時のサポート等について、誰がどのような役割を担うのかを事前に明確にしておきます。
出産が近づくサイン・兆候
臨月に入り、出産が間近になると、体にはいくつかの変化が現れます。これらの兆候を正しく理解し、慌てず落ち着いて行動できるように備えておくことが大切です。
おしるし
おしるしとは、おりものに少量の血が混じる現象です。子宮口が開き始める過程で卵膜の一部が剥がれることによって起こります。
出血の量には個人差があり、下着が少し汚れる程度の方もいれば、生理のように感じるほどの量が出ることもあります。
出産が近づいているサインの一つではありますが、おしるしがあったからといって必ずすぐに陣痛が始まるわけではありません。
ほかの兆候とあわせて様子を見ながら、落ち着いて行動することが大切です。
破水
破水は、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ、羊水が外に流れ出る状態をいいます。分娩が近づいていることを示す重要なサインです。
水っぽい液体で下着がぬれているように感じたら、破水の可能性があります。破水後は感染のリスクが高まるため、入浴やシャワーは避け、すぐに清潔なナプキン等で対応し、速やかに医療機関へ連絡してください。
前駆陣痛
前駆陣痛は、本格的な陣痛の前段階として起こる、不規則な痛みやおなかの張りです。痛みの間隔や強さに一定性がなく、長時間続かないのが特徴です。
例えば1時間ほどで治まることもあれば、数時間続くこともあります。
痛みが規則的になってきた場合や、動いても張りが治まらないようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。

臨月の過ごし方で気をつけたいこと
臨月の時期は、心身の状態が日々変化しやすくなります。赤ちゃんと自分の安全のために、生活面での注意点を確認しておくことが大切です。

長距離移動や人混みは避ける
臨月になると、体調が急に変化することがあります。
長時間の移動や旅行、人混みの多い場所では、急な破水や陣痛が始まったときにすぐに対応できない可能性もあるため、控えるのが安心です。
里帰り出産を予定している場合は、臨月に入る前に移動を済ませておくのが良いでしょう。
体調の変化にすぐ対応できる準備をしておく
臨月は、いつお産が始まってもおかしくない時期です。
急な陣痛や破水に備え、入院先の電話番号や家族への連絡手段をまとめておきましょう。
また、入院バッグはすぐに持ち出せる場所に置き、母子健康手帳や保険証は常に携帯しておくと安心です。
精神的なストレスを溜めない
臨月は身体的な負担だけでなく、精神的な緊張や不安も強まりやすい時期です。
過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、早産や体調不良の原因になることがあります。
リラックスできる時間を意識的に取り入れたり、信頼できる人に話を聞いてもらう等、心のケアも大切にしましょう。