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妊娠と出産

産後の食事は栄養バランスが大切!体の回復を助ける食材と工夫

公開日:2025.12.05
更新日:2025.12.05
産後の食事は栄養バランスが大切!体の回復を助ける食材と工夫
産後にしっかりと栄養を摂ることは、母体の回復を早めるだけでなく、母乳の質を高め、赤ちゃんの健やかな成長にもつながります。 本記事では、管理栄養士の武井 香七さんにお話を伺い、産後に意識して摂りたい栄養素と、忙しい毎日でも無理なく続けられる食事の工夫について解説します。
INDEX

1 産後の体と栄養素の関係

2 産後に積極的に摂りたい栄養素と食材

3 忙しい産後におすすめの食事の工夫

産後の体と栄養素の関係

出産を終えたばかりの女性の体は大きなエネルギーを消耗し、回復に向けた大切な時期を迎えています。
特に、出産後約6〜8週間までの「産褥期(さんじょくき)」は、子宮が元の大きさに戻ったり、悪露(おろ)が排出されたり、体が大きく変化する時期です。
この期間に適切な食事を摂ることで、体の回復を早めるだけでなく、母乳の質の向上にもつながります。

産後に積極的に摂りたい栄養素と食材

体の回復を助け、健康な毎日を支えるためには、バランスの取れた食事が欠かせません。ここでは、特に重要な栄養素と、それらを豊富に含む食材を紹介します。

たんぱく質:体力回復と筋肉維持に

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たんぱく質は、筋肉や臓器、血液など、体をつくる上で不可欠な栄養素です。産後の疲労回復や体力維持はもちろん、母乳の生成にも欠かせません。
鶏肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品に豊富に含まれます。動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランス良く摂ることで、効率的に栄養を補給できます。

葉酸:細胞の修復や疲労回復をサポート

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葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、赤血球の形成に深く関わる重要な栄養素です。出産で消耗した血液を補い、酸素や栄養を全身に届ける役割を担います。
ブロッコリー、ほうれん草、納豆などに含まれています。これらの食材を日常の食卓に加えることで、産後の体の回復を効果的にサポートできます。

鉄分:貧血予防に欠かせない

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出産では大量の血液を失うため、産後は鉄分が不足し、貧血になりやすい状態です。鉄分が足りないと、めまいや疲労感、冷えなどを引き起こし、体調不良につながることがあります。
鉄分は、レバーやしじみ、ひじき、卵などに豊富に含まれています。日々の食事に意識して取り入れることで、貧血を予防し、体調を整えられます。

カルシウム:骨の健康と母乳の質に関与

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授乳中の女性は、母乳を通して多くのカルシウムを赤ちゃんに与えています。このため、自身の骨や歯からカルシウムが溶け出してしまい、骨密度の低下につながることがあります。
煮干しや乳製品は、カルシウムを効率良く補給できる食材です。産後の体における骨の健康を保ち、良質な母乳を赤ちゃんに届けられます。

食物繊維:便秘対策にも効果的

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産後はホルモンバランスの変化や活動量の低下により、便秘に悩む女性もいるでしょう。そこで積極的に摂りたいのが食物繊維です。
食物繊維には、海藻や大麦に含まれる水溶性食物繊維と、芋類や野菜に含まれる不溶性食物繊維があります。この両方をバランス良く摂ることで、腸内環境が整い、便秘の予防や改善につながります。

ヨウ素:母乳を通して乳児の脳や神経発達に

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授乳中は母乳を通して乳児の脳や神経発達に深く関わります。産後は必要量が増えるため、海藻・魚介・卵・乳製品からの摂取が大切です。ただし、過剰摂取は甲状腺機能に影響するため、昆布などは控えめに摂取するようにしてください。

ビタミンD:母体の免疫維持や乳児の骨の成長を促す

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ビタミンDは、母体の骨量低下予防や免疫維持、さらに乳児の骨の成長に直結する栄養素です。産後は特に不足しやすいので、魚・卵・きのこ類を取り入れ、日光を浴びるようにすると体内で効率的に生成できます。

n-3系脂肪酸(DHA・EPAなど):乳児の視覚や神経発達に影響

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n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)は母乳の中に移行し、乳児の視覚や神経系の発達にも良い影響を与えます。特に産後は、青魚を週1〜2回程度取り入れることが推奨されます。

亜鉛:産後の傷の回復や免疫機能の維持

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産後の創傷回復や免疫機能の維持に必要になるため、帝王切開の傷や会陰切開の傷の回復を助けます。肉類、魚介類、大豆製品、ナッツ類などから幅広く摂取できます。

ビタミンA:乳児の粘膜や免疫機能をサポート

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ビタミンAは、母乳を通じて乳児の粘膜・免疫機能を支える大切な栄養素です。緑黄色野菜や卵・乳製品・魚を組み合わせ、バランスよく確保するようにしましょう。ただし、過剰摂取は肝機能や胎児期同様に乳児発達にも影響するため、レバーの大量摂取や高容量サプリには注意が必要です。

ビタミンB12:母子の赤血球形成や神経機能を支える

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ビタミンB12は赤血球形成や神経機能に必要で、母体でビタミンB12が不足すると母乳中の濃度も低下することがわかっています。魚や肉、卵、乳製品を取り入れることが重要です。

忙しい産後におすすめの食事の工夫

赤ちゃんとの新しい生活は、喜びにあふれている一方で、慣れない育児や授乳で自分の時間がほとんど取れないものです。食事の準備もままならない、という女性も少なくありません。
ここでは、無理なく栄養を補給するための食事の工夫を紹介します。

宅配サービスや冷凍食品を利用する

産後は、赤ちゃんを連れての買い物や、ゆっくり料理をする時間が取りにくい時期です。そのようなときは、宅配サービスや冷凍食品を積極的に活用しましょう。
お惣菜や外食を上手に取り入れることも、体力を温存しながら栄養を補う賢い方法です。
手作り料理にこだわらず、便利なサービスを柔軟に活用すると、心身の負担を減らすことにつながります。

作り置きや時短メニューを活用する

育児の合間に料理をする時間がないときは、「作り置き」が役立ちます。時間があるときにまとめて料理をしておくと、食事の準備の負担を大幅に減らせます。
たとえば、具だくさんの味噌汁や豚汁、鍋料理は一度にたくさん作れて数日間保存が可能です。また、野菜をあらかじめ切っておき煮込むだけの料理や、電子レンジだけで作れる時短レシピもおすすめです。

周囲にサポートをお願いする

産後の生活をすべて一人で抱え込むのは、心身ともに大きな負担となります。家事や育児を、パートナーや家族に手伝ってもらいましょう。周囲のサポートを得ることで、食事の準備に余裕が生まれ、休息時間も確保できます。
また、必要に応じて家事代行サービスや産後ドゥーラの活用も有効です。産後ドゥーラは、出産前後の女性をサポートする専門家で、安心して育児や家事を任せられます。
周囲に協力を求めることは、決して甘えではありません。出産後の女性自身の体の回復と、無理なく育児を両立させるために、周りのサポートに頼ることを大切にしてください。

▼産後ドゥーラの詳細は、こちらの記事を参考にしてください。
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