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カラダとココロ

PMSとPMDDは何が違う?症状や原因、治療法を知って対策しよう

公開日:2024.03.27
更新日:2024.05.17
PMSとPMDDは何が違う?症状や原因、治療法を知って対策しよう
多くの生理前の女性を悩ませる、PMSとPMDD。名前を聞いたことはあるけれど、具体的な症状や治療法等は意外と知られていません。生理前に不調を感じるのであれば、PMSやPMDDについて理解して適切な対策を取ることで、症状が改善する可能性があります。 そこで今回は、PMSとPMDDについて解説します。PMSとPMDDの違いやそれぞれの症状、原因について説明したうえで治療法も紹介しますので、症状改善に役立ててください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 馬場 敦志
筑波大学医学専門学類卒業/現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 PMSもPMDDも、生理前の不調の名称

2 PMSやPMDDの原因

3 PMDDが悪化しやすい人の特徴

4 PMSとPMDDの治療法

5 PMSとPMDDで病院を受診する場合に知っておきたいこ と

6 まとめ:PMSやPMDDの症状があるなら、セルフケアや病院の受診 を考えよう

PMSもPMDDも、生理前の不調の名称

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PMSもPMDDも、生理前の不調の名称です。PMSは「月経前症候群」、PMDDは「月経前不快気分障害」の略称です。いずれも生理前に見られる症状ですが、PMSは身体的・精神的な症状を幅広く指し、PMDDは精神的な症状に特化しています。PMSは聞いたことがあるけれど、PMDDは聞いたことがないという方もいるのではないでしょうか。それは、PMDDがPMSよりも後から登場した比較的新しい概念だからです。

PMDDは、2013年に抑うつ症候群のひとつとして考えられるようになりました。PMSと比較すると、まだ新しい概念でもあり、女性にもあまり浸透してないため、PMDDという言葉自体聞き馴染みがないという方もいるかもしれません。『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』によると、月経がある女性の1.8〜5.8%がPMDDの症状があるとされています。

PMSとPMDD、それぞれの症状について、詳しくみていきましょう。

※参考:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
※参考:第46回日本女性心身医学会学術集会報告 精神科からみたPMS/PMDDの病態と治療

PMSの症状は多岐にわたる

PMS(月経前症候群)には、身体的な症状と精神的な症状があります。PMSの症状として確認されているのは、以下のようなものです。

身体的な症状
● 乳房の張りや痛み
● 腹部膨満感
● 頭痛
● 関節痛や筋肉痛
● 体重の増加
● 手足のむくみ
● のぼせ
● 倦怠感

精神的な症状
● 抑うつ
● 怒り
● イライラ
● 不安
● 混乱
● 引きこもり

公益社団法人 日本産科婦人科学会および、公益社団法人 日本産婦人科医会が発表した「産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2020」によると、PMSは過去3回の連続した月経周期における症状を確認するとされています。連続した過去3回の月経前5日間で、上記の身体的および精神的な症状が少なくとも1つ存在する場合、PMSと診断されるとのことです。

いずれの症状も月経開始から4日以内に解消し、少なくとも13日目まで再発しなければPMSの可能性が高いといえます。薬物療法やホルモン摂取、アルコール等の使用がなくても症状があり、月経周期にあわせて繰り返し起こるようであれば、PMSを疑ってみましょう。

※参考:産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2020

PMDDの症状は精神的なもの

PMDD(月経不快気分障害)は、PMSのなかでも精神的な症状が強く表れているものを指します。

公益社団法人 日本産科婦人科学会および、公益社団法人 日本産婦人科医会が発表した「産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2020」によると、PMDDの主な症状は以下の4つです。

● 著しく気分が変動する(突然悲しくなる、涙もろくなる等)
● 著しいいらだちや怒りがある、対人関係のトラブルが増える
● 著しい抑うつ気分があり、絶望感や自己批判的な思考がみられる
● 著しい不安感や緊張がある

上記の症状が1つ以上あり、以下の症状のうち1つ以上が存在して合計5つ以上の症状がある場合、PMDDと診断されます。

● 仕事や学校、友人、趣味等に対する興味が減る
● 集中できない
● 疲れやすくなる、気力がなくなる
● 食欲が激しく変化し、過食や特定の食べ物への渇望がある
● 過眠や不眠になる
● 自分自身をコントロールするのが難しい
● 身体的症状(乳房の張りや痛み、関節痛や筋肉痛、腹部膨満感、体重増加等)

PMDDの症状は月経前にみられ、月経が始まると改善されていきます。該当する症状が1年以上続き、受診から2回以上の周期で確認される場合にPMDDと診断されるとのことです。

PMDDは、PMSの重症型とされています。PMDDの症状がある場合、日常生活が普通に送れなくなったり、対人関係に支障が出たりすることも。うつ病とよく似た症状が表れることもありますが、うつ病と異なり症状が出る時期は月経前に限定されます。

※参考:産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2020

PMSやPMDDの原因

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PMSやPMDDの原因は、明らかになっているわけではありません。しかし、女性ホルモンの変動と神経伝達物質の働きという2つの要因が深く関わっていると考えられています。この2つの要因について、詳しく見ていきましょう。

女性ホルモンの変動

PMSやPMDDの要因の1つとしてとして考えられているのが、女性ホルモンの変動です。月経前は女性ホルモンが大きく変動するので、それが不調を引き起こすのではないかと考えられています。

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、排卵が起こってから月経前までの黄体期と呼ばれる時期には、この3つの女性ホルモンが多く分泌されます。しかし、黄体期の終わりごろである月経の3〜10日前になると、2つの女性ホルモンは急激に減少します。女性ホルモンが一気に変動することで中枢神経に影響を及ぼし、PMSやPMDDの症状が引き起こされると考えられているようです。

神経伝達物質の働き

PMSやPMDDの症状が起こるのは、神経伝達物質の働きによるものだとも考えられています。黄体期後期である月経数日前には、女性ホルモンのプロゲステロンが低下します。プロゲステロンの低下は、幸せホルモンと呼ばれるセロトニン分泌の低下を招いてしまいます。

セロトニンが低下すると、抑うつや疲れやすさ、イライラ等を引き起こしてしまうことも。心が安定せず、感情のコントロールがうまくできなくなり、PMSやPMDDの症状を招いてしまうこともあるようです。

また、神経伝達物質のGABAも、脳に作用してPMSやPMDDの症状を引き起こすことがあります。プロゲステロンの減少とともにGABAの不安抑制効果が弱まることから、不安感を強く感じることも。このように、PMSやPMDDの症状が起こる原因は複数あると考えられています。

PMDDが悪化しやすい人の特徴

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PMDDは女性ホルモンや神経伝達物質の働きが要因であると考えられていますが、性格や生活習慣によって症状が悪化している場合もあります。現在PMDDの症状が辛いと感じているならば、症状が悪化しやすい人の特徴に自分が当てはまっていないかを確認してみましょう。

几帳面な人や、他人のことを気にしすぎる気質の人

几帳面な性格の人や他人のことを気にしすぎる気質の人は、PMDDの症状が出やすくなることがあります。性格に問題があるというわけではなく、ストレスを抱える思考になりがちだからです。

几帳面であるほか、責任感が強く自分に厳しい人は、仕事やプライベート等で理想どおりの行動ができなかったり結果を出せなかったりした場合にストレスを感じやすいといえます。また、誠実な人や気配りができる人は、他人に頼みごとをされると断れないことも。他人のことを気にするあまり、ストレスが溜まってPMDDの症状が悪化してしまうことがあります。

生活習慣が乱れがち

生活習慣が乱れがちな人も、PMDDの症状を強く感じる傾向があるようです。心や体の健康は、負担がかからない生活習慣によって成り立つからです。

喫煙や睡眠不足、過食等の習慣は、健康に悪影響を与えてしまいます。悪い習慣によって健康を損ねた結果、PMDDの症状が悪化してしまうこともあるでしょう。

PMSとPMDDの治療法

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PMSとPMDDはどちらも月経前にみられる症状で、基本的な治療方法も同じです。症状の種類や程度によって適切な治療方法は変わるため、病院で相談することをおすすめします。ここからは、病院で行われるPMSやPMDDの治療やセルフケアの方法について見ていきましょう。

薬物療法

病院で行われるPMSやPMDDの治療法として、まず薬物療法が挙げられます。薬物療法は、薬を使って治療を進める方法です。PMSやPMDDの治療には、排卵を起こさないようにして症状を抑える薬と、つらい症状を和らげる薬が用いられます。

治療に使われる薬の種類と、それぞれの特徴を確認しましょう。

経口避妊薬(低用量ピル)

経口避妊薬である低用量ピルは、排卵を起こさないようにして生理を止め、PMSやPMDDの症状を抑えるために用いられる薬です。
低用量ピルは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンを少量ずつ一定の割合で配合して作られた薬であり、毎日1錠ずつ服用することで体内の女性ホルモンの量を調整することが可能です。女性ホルモンの激しい変動が抑えられるため、PMSやPMDDの症状を抑える効果が期待できます。

低用量ピルを服用することで、避妊効果や生理周期の改善、肌荒れの改善効果も期待できます。ただし、吐き気や不正出血、頭痛、乳房の張りといった副作用が発生することも。また、稀ではあるものの血栓症が起こるリスクもあるので、病院で採血等必要な検査を受けたうえで処方してもらうことが大切です。

抗うつ薬

PMSの精神的な症状が強い場合やPMDDと診断された場合には、抗うつ薬が治療に使われることもあります。特に、SSRIと呼ばれる選択的セロトニン再取り込み阻害薬という薬が用いられることが多いです。

SSRIを服用することで、月経前に低下しがちなセロトニンの濃度を高めることが可能です。うつ病やパニック障害等の治療に使われていることからも、精神的な症状に効果的であることがわかります。PMDDの治療にSSRIを用いる場合は、投与開始から数日で症状の軽減が確認できるケースも多いです。副作用が少ない薬もあるので、医師に相談のうえ、ご自身にあった薬を処方してもらいましょう。

漢方薬

PMSやPMDDの症状を改善するためには、漢方薬も有効です。漢方薬を服用することで血液や気の流れが整い、身体的・精神的な症状が改善すると考えられています。PMSやPMDDの治療に用いられることが多い漢方薬は、以下のとおりです。

● 加味逍遥散(かみしょうようさん)
● 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
● 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
● 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
● 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

加味逍遥散は熱を抑えて気の流れを整えるため、顔が赤くほてったりイライラしたりする場合に効果的です。当帰芍薬散や桂枝茯苓丸には血流を改善する効果があるので、冷えやむくみ、月経痛の症状に有効とされています。

抑肝散加陳皮半夏には神経を鎮める作用があり、イライラや不眠症等の症状がある場合に効果的です。桃核承気湯も、イライラが強い場合に有効とされています。このように、漢方薬の種類によって得られる効果は異なります。自分の症状を正しく把握して医師に伝え、適切なものを処方してもらうことがPMSやPMDDの症状改善につながるでしょう。

心理療法

PMSやPMDDの治療として、心理療法も行われています。心理療法とはカウンセリングのことで、自分が抱えているつらい症状や苦しい感情について話し、共有する治療法です。PMSやPMDDの症状は、ストレスによって重くなるケースもめずらしくありません。そのため、カウンセリングでつらさを吐き出すことで、症状が緩和することもあります。

PMSやPMDDの治療で効果的とされている心理療法は、認知行動療法と呼ばれるものです。認知行動療法は、自分がどのような症状や感情に困っているのかを客観的に見ることから始める方法です。自分の認知が感情や行動にどのような影響を与えているかを理解し、どのように捉えるようにすればストレスを感じにくくなるのかという対策法を考えていきます。計画を立てて実践する訓練を反復することにより、不快な症状の軽減が期待できます。

生活習慣の改善

PMSやPMDDの症状が軽症から中等症であれば、生活習慣を改善することで効果が期待できます。重症の場合でも症状の緩和がみられることがあるため、生活習慣が乱れがちという自覚がある場合は、対策をすることが大切です。

たとえば、睡眠不足になると女性ホルモンのバランスが乱れやすくなり、PMSやPMDDの症状が悪化することがあります。日頃から睡眠不足を感じているなら、7〜9時間ほどの睡眠時間を確保するよう心がけましょう。

また、偏った食生活もPMSやPMDDの症状悪化を招くことがあります。血糖値が下がってイライラしないように血糖値をゆっくり上げる穀物類や豆類、芋類等を食べたり、血糖値を急激に上げる砂糖が使われたお菓子等を控えたりするのがおすすめです。情緒不安定になるときは、刺激になりやすいカフェインを避けて情緒不安定を和らげるビタミンB6やカルシウム、マグネシウム等が含まれるナッツ類やレバー、海藻類等を摂取しましょう。

喫煙習慣があると血流が悪化するため、ホルモンバランスが乱れてPMSやPMDDの症状が悪化する可能性があります。喫煙は健康に悪影響を及ぼすと認識し、できるだけ控えるようにしましょう。

PMSとPMDDで病院を受診する場合に知っておきたいこ と

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PMSやPMDDの症状があって病院を受診したいと思っても、自分の症状の程度で病院に行っていいのか、何科を受診すべきか等わからないことはあるでしょう。PMSやPMDDの症状を改善したいなら、病院に関する以下のポイントをチェックするのがおすすめです。

病院を受診する目安

PMSやPMDDと思われるつらい症状があるなら、できるだけ早めに病院を受診することが大切です。自分よりもつらい症状を我慢している人がいるからといって、我慢するのは禁物です。セルフケアをしても改善がみられない、適切なアドバイスが欲しいと考えているなら、一度病院へ行ってみましょう。毎月心身のつらさがあり日常生活や対人関係に支障が出ている場合も、早めに病院を受診するのがおすすめです。

PMSやPMDDで病院を受診するタイミングは、特に決まりがありません。生理中でも生理期間外でも問題ないので、スケジュールを調整して受診しましょう。

受診すべき診療科

PMSやPMDDに悩んでいる場合、受診すべきなのは婦人科か心療内科です。基本的にどちらを受診しても問題はありませんが、月経周期から考えてうつ病ではなくPMSやPMDD等の可能性が高いなら、まず婦人科を受診してみましょう。

心療内科のなかには、PMDD専門外来を行っているところもあります。通える場所にあるなら、PMDD専門外来を受診するのもおすすめです。

PMSやPMDDで婦人科を受診した際に行われる検査

PMSやPMDDで婦人科を受診すると、検査が行われます。検査を受けることで婦人科系の病気がないことが確認され、PMSやPMDDであると診断できるようになります。医師が必要と判断した場合に検査が行われるため必ず受けなければならないわけではありませんが、以下のような検査があることは知っておきましょう。

問診

問診では、どのような自覚症状があるかを調べます。問診結果によって必要であると医師が判断した場合は、ほかの検査が行われることも。生理周期や自覚している症状をメモしておくと、問診で役立ちます。どのような症状が、いつから、どのくらいの期間続くかを把握しておくといいでしょう。

内診

内診では、膣の中に指を入れて子宮の形や大きさ、向き、癒着や痛みの有無を確認します。内診に抵抗がある場合は行わない選択ができることもあるため、医師に相談してみましょう。

ホルモン検査

ホルモン検査では、採血によってホルモンバランスを調べます。採血をすることで女性ホルモンの働きを判断したり、貧血や肝機能等の症状を調べたりすることも可能です。

尿検査

尿検査ではホルモン検査と同様、ホルモンの状態を調べることができます。PMSやPMDDは女性ホルモンのバランスの変動が原因と考えられているので、ホルモン検査や尿検査は重要な検査です。

超音波検査

超音波検査では、超音波診断装置を用いて子宮や卵巣の状態を調べます。PMSやPMDDではなく器質性や機能性の月経困難症の可能性もあるため、どちらか判断する際に有効な検査です。一般的には膣から行われますが、難しい場合はお腹の上から検査できることもあるため医師に相談してみましょう。

まとめ:PMSやPMDDの症状があるなら、セルフケアや病院の受診 を考えよう

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PMSやPMDDは、生理前の女性を悩ませる厄介な存在です。明確な原因はわかっていないものの、女性ホルモンの変動や神経伝達物質の働きが影響していると考えられています。

睡眠不足の解消や食生活の改善、禁煙等で生活習慣を整えることにより、PMSやPMDDの症状が改善する可能性があります。セルフケアで症状の改善が実感できない場合は、婦人科や心療内科等の受診も検討しましょう。病院を受診することで、症状に合う薬を処方してもらえたりカウンセリングを受けられたりします。

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