PMSがひどいときどうする?対処法と適切な相談先を解説
PROFILE
1 PMSの基礎知識
2 PMSがひどい場合の自分でできる対処法
3 PMSがひどいときの2つの受診先
4 PMSについてのよくある疑問
PMSの基礎知識
PMSは「Premenstrual Syndrome」の略称で、日本語にすると「月経前症候群」と言います。生理前の大きなホルモンバランスの変化によって、生理の1週間前にさまざまな体調不良を引き起こす疾患です。
生理があるすべての人が発症するわけではありませんが、人によっては生活が困難なほどの症状に悩まされる人もいます。
▼PMSがある人とない人の違いは、こちらの記事でも詳しく解説しています。
PMSがある人とない人の違いは?対処法まで分かりやすく解説
PMSの症状
PMSの主な症状は、頭痛や腹痛といった「身体的症状」と、倦怠感や無気力感等の「精神的症状」に分かれています。
生理前のホルモン変化は体だけではなく心にも影響を与えるため、心と体の両方に症状が現われるとされてしまうのです。
PMSとPMDDの違い
PMDD(月経前不快気分障害)はPMSと同じく生理前に起きるものです。
PMSとPMDDの大きな違いは、PMSは身体的・精神的な症状をあわせた症状があるのに対し、PMDDはより強い精神的症状のみが強く出るタイプである点です。
PMSのなかでも特に重症なタイプとみなされますが、PMSを経験した人の約5%がPMDDを経験していると言われています。
生理が起きる1週間前に、もし気分の激しい変化や抑うつ感等の精神的な症状がある場合は、一度PMDDの可能性も視野に入れておくとよいでしょう。
▼PMDDの詳しい内容や対処方法については、次の記事を参考にしてみてください。
PMSとPMDDは何が違う?症状や原因、治療法を知って対策しよう
PMSがひどい場合の自分でできる対処法
PMSのひどい症状はセルフケアで、ある程度の症状緩和が期待できます。そこで、ここからはPMSの対処法を詳しくご紹介していきます。
まずセルフケアから試してみて、改善するか様子をうかがってみましょう。
PMS日記をつける
最初にPMSの症状や周期を把握するために「PMS日記」をつけてみましょう。
PMS日記とは、生理前に起きる体調不良の症状等を記録するもので、自分の体の状態を把握するのが目的です。主に次の6項目を日記として記録します。
● 日付
● 生理周期
● 経血量(少ない・普通・多い)
● 体重
● 基礎体温
● 症状(生理前1週間)
これらの症状を把握しておくことで、「いつ何に苦しむかわからない」という不安が軽減しPMS期間が少し過ごしやすくなります。
さらに、症状が起きる時期がわかれば、たとえばPMS時期はあらかじめ大きな予定を避けるなど、無理なくスケジュールを立てることも可能です。なお、PMSの時期は生理前の排卵があるため、体温に変化があります。そのため基礎体温を測ることで、PMSの開始時期を予測することが可能です。
▼PMSのチェック方法は、次の記事でも紹介しているので参考にしてください。
PMS(月経前症候群)はいつまで続く?セルフチェックをして受診のタイミングを確認しよう
ホルモンバランスを整える食事
PMS症状がある人は、ホルモンバランスの変化が体に影響を与えている状態です。そのため、ホルモンバランスを整える食事を意識することもおすすめします。
栄養バランスのよい食事を取ることでホルモンバランスの変化をゆるやかにし、PMS症状を和らげることが期待できます。
ポイントとしては主食、主菜、副菜が揃った健康的な食事にプラスして、ホルモンバランスを整える手助けしてくれる栄養素を摂取することです。
特にPMS対策には次の栄養素がおすすめになります。
「ビタミンE」…利尿作用があり頭痛・むくみ対策
「カルシウム」…疲れや気分の落ち込み・むくみ対策
「ビタミンB6」…貧血やむくみ対策・代謝を助ける
また、生理前は食欲が増進してしまう人も少なくありません。
しかし、暴飲暴食は体内バランスを崩しやすくなるため、なるべく避けてください。刺激物や血糖値が急激に上がりやすい食品(砂糖やチョコレート)も避けるとよいでしょう。
▼PMS対策に摂取したい栄養素や摂取のコツ等は、次の記事で詳しく解説しています。
PMSの対策に4つの栄養素!調理方法の工夫もして不足を避けよう
有酸素運動
PMSのひどい症状に悩んでいる人は有酸素運動を取り入れることもおすすめします。有酸素運動とは、酸素を取り込みエネルギーを燃焼する運動で次のような運動が属しています。
● 室内:踏み台昇降、もも上げ、ハーフスクワット等
● 室外:ウォーキング、ランニング、サイクリング等
有酸素運動は、酸素を体内に届け、体の循環を助けてくれることから、むくみ解消・貧血改善・ホルモンバランスの安定等が期待でき、PMSの緩和にもつながると考えられます。
また、酸素を取り込んで体を動かすことが気分転換にもなり、精神的症状の軽減も期待できます。
有酸素運動は最低、週1回1時間程度でも効果があるので、余裕がある時間帯に取り入れてみましょう。もし1時間まとめて運動できない人は、30分を週2回といったように分けて行っても問題ありません。
▼こちらで紹介している骨盤トレーニングもぜひ試してみてください。
今すぐ挑戦!PMS対策におすすめの骨盤矯正トレーニング3選
PMSがひどいときの2つの受診先
PMSはある程度はセルフケアで改善できることがありますが、症状によっては自分だけでは対応し切れないこともあります。
そのような場合は無理をせず、次の診療科への受診を検討してみてください。
婦人科
婦人科は生理や妊娠に関すること、子宮にかかわる病気や女性特有の病気を全般に扱う科です。PMSも生理に関連する疾患の一つとして、婦人科で相談することができます。
なお、婦人科では生活指導や内服薬(低用量ピル)による治療を行います。具体的な治療方法は次の記事で解説しているので、気になる人は記事で詳細をご確認ください。
PMSとはなにかわかりやすく解説!セルフケアで体調を改善しよう
心療内科
心療内科とは、ストレス等の精神的原因から起こる体の不調(頭痛やめまい等)を治療する科です。精神科と異なり、心療内科は主にカウンセリングを中心にしたケアを行っています。心療内科によるPMS治療は、カウンセリングを通して精神的症状の傾向を探り、自身の状態を理解することを助けてくれます。
カウンセリングで症状が改善することもありますが、必要に応じて抗うつ薬や睡眠薬の投薬治療も可能です。特にPMSで精神的症状が気になる人は、一度相談してみてください。
PMSについてのよくある疑問
PMSについてのよくある疑問や不安について、板橋中央総合病院の医長を務める阿部 一也医師に回答していただきました。