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カラダとココロ

PMSがひどいときどうする?対処法から暮らしで役立つ制度まで解説

公開日:2024.03.27
更新日:2024.03.27
PMSがひどいときどうする?対処法から暮らしで役立つ制度まで解説
生理のときに起こる腹痛や倦怠感等、女性の尽きることない悩み「PMS(月経前症候群)」。心身共に不調があると、どのようにPMSに対処し生活と両立させるかが毎月の課題です。なるべく仕事もプライベートもPMSに悩まされずに過ごせたらと思うところでしょう。 そこで本記事では、症状がひどいときの対処法をPMSの性質から探っていきます。PMSがひどくなりやすい生活の特徴、症状が改善しない場合の相談先も紹介しているのでお悩みの方はぜひご覧ください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 馬場 敦志
筑波大学医学専門学類卒業/現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 PMSの基礎知識

2 PMSがひどい人の特徴

3 ひどいPMSへの3つの対処法

4 PMSがひどいときの3つの相談先

5 まとめ:ひどいPMSはまず症状の理解から始めよう

PMSの基礎知識

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PMSの正式名称は、「月経前症候群」と言います。

一般的には生理が始まる1週間~2週間前に体に不調が表れはじめ、生理が始まると症状が落ち着きます。

ただPMSによる不調はさまざまで、風邪のように決まった症状だけとは限りません。そのため、PMSの症状について理解を深めておかなければ対処がしにくいという側面があります。

そこで、まずはPMSの症状や性質から整理していきましょう。

PMSの症状

PMSの症状は大きく分け、身体的症状と精神的症状があります。どちらかだけ強く症状として出る場合と、逆に両方の症状が出ることも珍しくありません。また、症状の程度や表に出る症状も人によりけりです。

代表的なものとしては、それぞれ以下のような症状があります。

身体的症状

精神的症状

・腹痛

・頭痛

・めまい

・吐き気

・便秘や下痢

・動悸や息切れ

・乳房が張る(もしくは痛む)

・にきびや肌荒れ

・むくみやしびれ

・不眠症 等

・不安感

・倦怠感(だるさ)

・易怒性(イライラ)

・集中力低下(記憶力の低下)

・憂鬱感

・神経が過敏になる 等

症状が人によって異なるため、同じ女性でもPMSに感じている悩みは違うこともあります。

PMSが発症する時期

じつはPMSは初潮からすぐに発症するとは限らず、20代~40代の性成熟期に発症するケースが多いです。性成熟期とは、女性が妊娠・出産しやすい期間を指します。

性成熟期に女性は妊娠・出産がしやすいように体が変化するため、PMSを発症しやすくなるのです。

ただし、PMSは必ずすべての女性が発症するものではなく、月経前の女性の約20~50%が経験していると言われています。

※参考:田町メンタルクリニック

PMSの原因

近年ではPMSは一般的に知られるようになりました。しかし、症状がさまざまで、決まった定義がある疾患として診断が難しいとされています。

そのため、症状を引き起こす明確な原因もわかっていません。

ただ、現時点では女性ホルモンの一種である「エストロゲン」と「プロゲステロン」が原因ではないかと考えられています。

女性ホルモンは本来は悪い体内物質ではなく、女性らしい体や肌つや等を保つ働きもある物質です。一方で生理によって大きく濃度変動があると、PMSを引き起こしやすいとも考えられています。

また、もともと遺伝でPMSを発症しやすい性質を持っている人がいることもわかっています。

PMSとPMDDの違い

PMSのなかには「PMDD(月経前不快気分障害)」というものがあります。

PMDDは、イライラや不安感、気分の落ち込み等といった精神的症状がよりひどいケースです。生活に支障が出るほど強い症状が出る傾向があり、疾患として認められています。

なお、専用ガイドラインを用いた医師の診断が必要です。PMDDの、特徴として次のような症状が見られています。

特徴①

特徴②

・強い易怒性がある

・必要以上の不安感や絶望感

・抑うつ感がある

・緊張しやすく神経が過敏

・集中力が著しく下がる

・関心があったものへの興味がなくなる

・物事へのやる気がなくなる

・必要以上の疲労感

・食欲の変化(減退または過食等)

・睡眠障害がある

・感情のコントロールがしにくい

・PMSの身体的症状が目立つ

特徴①の中から1つ以上、さらに特徴②の中から1つ以上があてはまり、特徴1と特徴2をあわせて5つ以上の症状が一致する場合、PMDDの診断が下される可能性があります。なお、PMSを経験した人の中の約3~5%がPMDDであると言われています。

※参考:田町メンタルクリニック

PMSがひどい人の特徴

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毎月ひどいPMSに悩んでいると、症状がひどくなる要因があるのかと不安を覚えてしまうかもしれません。じつはPMSは性質上、体の変化とストレスの影響に密接な関係があります。もし症状が特にひどい場合は、生活の中に要因があるかもしれません。

ここからは、特にPMSの症状をひどくする可能性がある条件を解説していきます。

年を重ねている

PMS自体は生理が始まっていれば、10代でも経験する可能性があります。ただ20~40代になるとより妊娠・出産しやすい体に変わるため、症状がひどくなりやすいです。

生理は大人になれば落ち着くというイメージがある人もいるかもしれませんが、PMSを発症している場合は大人でも症状がひどくなることも珍しくありません。

特に20代後半~30代はPMSのピークと言われており、体調不良が目立つこともあります。

ストレスフルな生活

ストレスが多い生活を送っている場合もPMSがひどくなる可能性があります。ストレスは体内物質に影響を及ぼすことも少なくなく、体内バランスの乱れに繋がるためです。

また、ストレスの種類は次の4つに分けられます。いずれか、もしくは複数で思い当たる場合はPMSにも影響を与えているかもしれません。

物理的なストレス

温度、湿度、騒音等

化学的なストレス

酸欠、栄養不足等

生物的なストレス

病気、睡眠不足等

精神的なストレス

人間関係等

ひどいPMSへの3つの対処法

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PMSは時と場合を問わず、頭を悩ませる存在です。可能なら「仕事に集中したい」「好きなことを楽しみたい」といった思いが本音なはずです。

じつはPMSは対処療法や規則正しい生活によって、症状を軽減できることがあります。ここからはPMSの症状がひどい場合の3つの対処法を見ていきましょう。

セルフチェック

まずは生理の周期(月経周期)や基礎体温を記録し、セルフチェックをしてみましょう。記録をつけることでPMSが起きやすい時期を予測できるようになります。時期にはなるべく予定を入れないようにしたり、仕事をセーブしたりする等の調整をしておくと楽に過ごしやすくなるはずです。

また、セルフチェックは自分がPMSであることを自覚する意味もあります。「理由がある不調なんだな」と理解することで、不調への不安感を軽減することができます。

PMSの症状を記録しておくこともおすすめです。症状のパターンがわかれば、対策も考えることができるでしょう。

たとえば腹痛や頭痛等の痛みを伴うものなら痛み止めを用意する、精神的な症状なら、気分転換する方法や誰かと過ごしてもらう等、対策を模索することができます。

ホルモンバランスを整える食事

生理とPMSはホルモンバランスに大きく左右されます。そのため、ホルモンバランスを整える食事も意識してみてください。基本的な栄養バランスを整え、暴飲暴食は避けるだけでも心身共によい影響があります。

加えてPMSへの影響を特に考えるなら、PMS・生理の前は刺激物(カフェイン等)や血糖値が上がりやすい食品は避けるのがおすすめです。カフェイン等の刺激物は神経に影響を与える性質があり、ただでさえ過敏になっている体へは刺激が強すぎます。

また、血糖値の急上昇・急降下があるとイライラや不安感等精神的症状が出やすくなると言われています。そのため、血糖値が高くなりすぎる食品を避けたり、急に上がらないように食べ方に気を付けることも大切です。

PMSにおすすめな食事と栄養素

血糖値を急上昇・急降下させないためには、デンプンが含まれる複合炭水化物(いも類、穀物類、豆類等)を取り入れるのがおすすめです。複合炭水化物は血糖値を緩やかに上げ、体への負担を少なく栄養を摂ることができます。

また、生理のときに不足しがちなものとして、次のような栄養素の摂取もしていきましょう。

栄養素

期待される効果

・マグネシウム

・ビタミンB6

・カルシウム

イライラや不安感を軽減する

・鉄分

貧血軽減・むくみ対策(利尿作用)・ホルモン

・ビタミンE

・イソフラボン

バランスの安定等

可能であれば食事の回数も4~6回等、小分けにするのもよいです。食事を分けることで血糖値の動きが激しく上下しづらいため、不調に繋がりにくいと言われています。

有酸素運動

体へかかるストレスの軽減方法として、有酸素運動も取り入れてみてください。

運動をすることで脳内物質の「セロトニン」を分泌しやすくなるためです。セロトニンは、幸せ物質とも呼ばれており、幸福感や気分の向上、ポジティブな思考になりやすくなる物質と言われています。

たとえば今まで運動後に「スッキリした!」「達成感があった!」という感覚になったことはないでしょうか。じつはそれは運動をすることで分泌されたセロトニンが生み出している感覚なのです。

つまり適度な運動をすることで、PMSによる不安感やイライラといった気分から切り替えられることが期待できます。

なお、有酸素運動は室内ならスクワット(ハーフスクワット)、踏み台昇降、もも上げ、屋外ならウォーキング、ランニング、サイクリング等が当てはまります。週1回1時間からでもよいので、できることから始めてみましょう。

PMSがひどいときの3つの相談先

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PMSの症状がひどいときは我慢せず、相談・診療を受けてみるのも手です。もし少しでも普段と同じように過ごせないのなら、十分生活に支障をきたしていると言えます。

女性として生きるうえでは、生理とは長く付き合うことになるでしょう。少しでも自由に生き生きと生活をしていくためにも、相談する選択肢を知っておくことは大事です。

本記事ではPMSの相談先として3つの診療所を紹介します。

婦人科

婦人科は、妊娠・出産だけではなく子宮の病気や疾患、関連する障害等、女性のさまざまな不調の治療を行える診療所です。もちろんPMSを含めた生理に関連する不調・悩みも相談することができます。

実際にPMSに悩んでいる方の多くは、婦人科を利用しています。PMSの疑いがあるけれど、まだ一度も診断を受けていない場合は、まずは婦人科へ相談してみるのがよいでしょう。

なお、婦人科でPMSの相談をした場合、具体的にはカウンセリング、生活指導、治療(低用量ピルの処方)等を受けることができます。

心療内科

心療内科は、精神的な不調が原因の体調不良を専門に扱う診療所です。PMSで身体的・精神的症状がそれぞれひどい場合は、選択肢の一つとなります。

似たもので精神科がありますが、精神科は精神的な不調が専門です。そのため、PMSのような心身共に不調が出るものは心療内科が適しています。

もしPMSで精神的に滅入り、体にも不調をきたしている場合は心療内科への相談も考えてみてください。

なお、心療内科ではカウンセリングを中心にストレスの要因を探り、不調を和らげる方法を模索します。生活指導を交えつつ必要であれば投薬治療も行い、症状を和らげていく治療が一般的です。

PMSの場合では、たとえば睡眠障害や過敏性腸症候群、頭痛・腹痛、うつ症状等に投薬治療を行うことが考えられるでしょう。

最終的には投薬せずに生活を送れることを目指します。

漢方内科

よりなだらかにPMSの治療をしていきたい場合は、漢方内科でもPMSの相談をすることができます。漢方内科は名前のとおり、東洋医学である漢方を用いた治療を行う診療所です。

漢方内科ではカウンセリングと東洋医学特有の舌診、脈診、腹診等も用います。診察結果をもとに症状に合う漢方を処方し、漢方を飲んで症状を治療するイメージです。もともと漢方は自然治癒力を高め、体調を整えるものと言われています。

そのため、普段の体調も整え、不調を改善することを目指します。また、漢方は自然にあるものを組み合わせた生薬なため、副作用が少なく普段使いもしやすいです。西洋医学の治療や薬が合わない人にも選ばれやすくなっています。

まとめ:ひどいPMSはまず症状の理解から始めよう

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PMSは生理がある女性なら少なからず経験がある疾患です。

まずはセルフチェックで自分の症状の理解から始めてみましょう。パターンを客観的に理解できれば、予想できない不安感を拭うことができます。

ただし症状がひどい場合は無理をせず、外部へフォローを求めることも大事です。各診療所へ相談をすることや、職場や同居人等へ理解してもらえるよう働きかけてみましょう。

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