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カラダとココロ

PMSの症状をわかりやすく解説!病院に行くべきかチェックしよう

公開日:2024.04.18
更新日:2024.04.18
PMSの症状をわかりやすく解説!病院に行くべきかチェックしよう
生理前は女性ホルモンの変動でPMSの症状が出やすく、中には生活に支障が出る人もいます。 この記事はPMSの具体的な症状を解説し、セルフケアや医療機関の治療法も紹介します。さらに、PMSと似た症状のある他の病気も解説するので、気になる人はぜひ参考にしてください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 PMSの症状

2 PMSの症状改善に向けたセルフケア

3 PMSの症状への治療法

4 PMSの症状でよくある質問

5 セルフケアや適切な治療でPMSの症状を緩和しよう

PMSの症状

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PMSは生理前に体やメンタルに表れるさまざまな症状で、国内では生理のある女性の約70~80%が経験しています。一般的に、生理の数日前から症状を感じ、生理が始まると治まるものがほとんどです。

症状の強さや頻度には個人差があり、日常生活に支障がでるほどの強い症状があるのは、生理のある女性の約5%です。

参考:公益社団法人 日本産科婦人科学会  


体に表れる症状一覧
体に表れるPMSの主な症状をみていきましょう。
動悸
めまい
頭痛
胃痛
吐き気
肩こり
背部痛
腹部膨満
乳房の張りや痛み
食欲の変化
便秘
下腹部の痛みや圧迫感
手足の痛みやしびれ
むくみ
体重の増加
肌荒れ 等

症状の強さや頻度は個人差があり、同じ女性でも生理周期によって異なる症状が出る場合もあります。



メンタルに表れる症状一覧
メンタルに表れるPMSの症状もみていきましょう。
不安
イライラ
混乱
疲労感
気分の変動
興奮
集中力の低下
社会からの引きこもり 等

PMSを診断する際の、一般的な基準は次のとおりです。
過去3カ月の生理周期で、生理前の5日間に不調が少なくとも1つ存在する
生理開始後4日以内に解消し、少なくとも13日目までは再発しない
薬やアルコール等の影響によるものではない
最初の症状の相談から、その後の2周期(2カ月)にわたって症状が表れる
日常生活に明らかな支障がある

PMSは、生理が近づいてくると表れる限定的な症状です。体やメンタルの状態を記録し、不調が規則的であることを確認して診断されます。
参考:MSDマニュアル

PMSの症状改善に向けたセルフケア

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ここでは、PMSの痛みを和らげる姿勢や、症状が起こりにくい体をつくる食事、悪化させないためのストレス発散法等のセルフケアを紹介します。

体が楽な姿勢でリラックス

PMSの症状を和らげるには、無理のない楽な姿勢でリラックスして過ごすのが効果的です。横になる時の姿勢も工夫するとよいでしょう。

特に、胃痛の場合は、左側を下にして膝を軽く曲げて横向きで寝ると、痛みが緩和しやすくなります。そのほか、うつぶせの姿勢で背中側の血管や神経への圧迫を軽減すると、血行が改善して、痛みが軽減する場合もあるでしょう。

また、体を丸める姿勢は腹部を温めやすいため、前かがみや体育座りで楽になる場合もあります。自分が一番落ち着く姿勢を見つけ、できるだけ体を休めて、PMSの症状を穏やかにするのが重要です。

食生活の改善

PMSの症状を緩和するには、規則正しい食事で体やメンタルの調子を整えることが必要です。主⾷・主菜・副菜をそろえて食べることを意識し、体の不調に効果があるビタミンB群や、心の不調に効果があるカルシウムやマグネシウムを多く含む食品を積極的に取り入れるようにしましょう。

また、女性ホルモンの分泌に作用し、生理中のストレスを緩和する効果があるビタミンEも、PMS症状の改善に重要な栄養素です。

【ビタミンB群】

予防が期待できる症状

主に含まれる食品

ビタミンB2

・肌荒れ

・口内炎

・豚レバー

・うなぎ

・ぶり

・さわら

・モロヘイヤ

・牛乳

・納豆

・ほうれん草

・アーモンド 等

ビタミンB6

・むくみ

・貧血

・肌荒れ

・かつお

・まぐろ

・さけ

・豚ヒレ肉

・鶏ささみ

・鶏レバー

・バナナ

・さつまいも

・玄米ごはん 等

ビタミンB12

・貧血症状

・眠気

・牡蠣

・あさり

・ホタテ

・しじみ

・さば

・あじ

・焼きのり 等

【カルシウム】

予防が期待できる症状

主に含まれる食品

・食欲の変化

・疲労感

・気分の落ち込み

・牛乳

・ヨーグルト

・チーズ

・小松菜

・菜の花

・切干大根

・ひじき

・さくらえび

・ししゃも

・木綿豆腐

・納豆 等

【マグネシウム】

予防が期待できる症状

主に含まれる食品

・イライラ

・うつ状態

・かつお

・まぐろ

・いわし

・あさり

・玄米

・そば

・ごぼう

・落花生

・木綿豆腐

・納豆

・アーモンド

・くるみ

・ごま 等

【ビタミンE】

予防が期待できる症状

主に含まれる食品

・イライラ

・頭痛

・腰痛

・肩こり

・めまい

・手足のしびれ

・アーモンド

・卵

・オリーブオイル

・アボカド

・うなぎ

・かぼちゃ 等

これらの栄養素を食品で摂取するのが難しい場合は、サプリメントを利用して補うのもおすすめです。商品ごとに決められた摂取量や摂取方法を確認し、吸収率を高めやすい食後に服用しましょう。

また、カフェインを含む飲み物やアルコール等は、過剰に摂取するのは避けましょう。神経を興奮させて頭痛や腰痛を悪化させやすく、むくみの原因になる場合があります。

ストレス発散

PMSの症状を改善するために、ストレスはためずに適度に発散しましょう。

PMSの症状はストレスの影響を受けやすく、環境の変化や緊張状態の継続等で悪化します。そのため、特に生理前の数日間は、いつも以上にリラックスして休息をとるように心がけましょう。

ここでは、効果的なストレス発散方法の例を紹介していきます。
●アロマテラピー
●ヨガ
●マッサージ
●半身浴
●読書
●映画鑑賞
●料理
●カラオケ 等

また、ストレスを蓄積させないための、アンガーマネジメントの実践もおすすめです。アンガーマネジメントは、自分の中の怒りや不満の感情をコントロールすることで、ストレスやフラストレーションの蓄積を防ぎます。

アンガーマネジメントの方法はいくつかありますが、最もシンプルで簡単に行いやすいのは、「6秒ルール」です。怒りや不満の感情が強くなった際、6秒間何もせずに待ってやり過ごします。

怒りの原因から一時的に離れたり、お気に入りの景色や写真、イラストを目にしたりするとよいでしょう。できるだけ思考を停止して、怒りの感情を弱めるのがポイントです。

市販薬の服用

市販薬の服用で、PMSの症状が緩和できる場合があります。

PMSに効果がある市販薬には、頭痛やめまい、気分の落ち込み等の特定の症状に対する治療薬や、ホルモンの分泌バランスに働きかけて、PMSそのものが起こりにくい体にしていく漢方薬等があります。

薬剤師による対面販売が不要なものもあり、通信販売で購入できる薬も多いので、セルフケアに用いるのもよいでしょう。

ただし、不調が続くような場合は、自己判断で服用を継続せずに、医療機関で専門家に相談してください。

PMSの症状への治療法

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基本的に、PMSの治療は、カウンセリングで症状や体調、食生活等を把握したうえで、体質改善を目的とした休養・睡眠・運動・食事等の生活指導が実施されます。必要に応じてホルモン剤や、特定症状を緩和させる薬を用いた治療を行い、状況によっては手術が選択されるケースもあります。

ホルモン療法

排卵を一時的に止めて、PMSの症状を軽減する必要があると診断された場合、経口避妊薬や低用量ピル等のホルモン剤を用いた治療が行われます。PMSは生理周期にともなう女性ホルモンの変動に影響されて表れる症状のため、排卵を止めるとホルモンの変動が抑えられ、ほとんどの症状が治まります。

一般的に、使用されるホルモン剤は、体への負担や副作用が少ないものです。薬の使用中のみ排卵をストップさせるもので、薬を止めればすぐに排卵は再開されます。また、その後の妊娠にも、影響が出ることはありません。

特定の症状を緩和するための処方薬・治療薬

PMSによる特定症状に用いられる主な処方薬や治療薬は次のとおりです。

特定症状

処方薬・治療薬の例

・頭痛

・腹痛

・腰痛

・乳房の痛み 等

鎮痛剤

むくみ

利尿剤

吐き気

制吐剤

・便秘

・下痢 等

整腸剤や下剤

・不眠

・不安

睡眠剤や抗不安剤

精神症状

抗うつ薬や抗不安剤

これらの薬による治療は、症状や重症度、年齢や希望等を考慮しつつ、経過をみて調節しながら行われます。

卵巣摘出の手術

状況や症状によっては、医師から卵巣摘出手術を提案されるケースもあります。

卵巣を摘出すると生理周期がなくなり、女性ホルモンの変動によるPMSの症状は表れなくなります。他の方法でPMSを緩和できず、重度の症状が継続する場合に、最終手段として選択されることが多い治療法です。

ただし、卵巣を摘出すると、骨粗しょう症や心臓病等のリスクが高まります。さらに、のぼせやほてり等、更年期障害のような症状に悩まされる場合も少なくありません。

そのため、術後から平均閉経年齢(約50歳)までは、本来卵巣から分泌されるホルモンを補う薬の服用を検討する必要があります。

参考:公益社団法人 日本産科婦人科学会 更年期障害

PMSの症状でよくある質問

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ここでは、PMSの症状でよくある質問にこたえていきます。

PMS以外の病気の可能性は?

PMSに似た症状が表れる病気に、月経困難症と更年期障害があります。それぞれのPMSとの違いは次のとおりです。

症名

PMSとの主な違い

月経困難症

PMSは生理が始まる前に症状が表れるのに対し、月経困難症は生理中に表れる

更年期障害

PMSは生理にともなう周期性があるのに対し、更年期障害は周期性がない

PMSや月経困難症、更年期障害は婦人科や女性外来で相談できます。メンタルの症状が強い場合は、心療内科や精神科でも対応可能です。

急な症状ですぐに受診すべきか判断に迷う場合は、救急安心センターに問合せしてもよいでしょう。 

PMSを理由に当日仕事を休める?

PMSを生理休暇の対象にしている企業があります。

基本的に、労働基準法で定めている生理休暇は、生理中に適用されるものです。ただし、企業によっては、生理前に起こるPMSも生理が原因の症状として考慮し、生理休暇の適用対象としています。

PMSに対する企業の対応は一律ではないため、勤務先の対応については、就業規則の確認や総務課や労務課等に問合せて調べてみましょう。

参考:e-Gov 労働基準法

妊娠初期との症状の違いは?

妊娠0~3週までの期間で、最後の生理から妊娠が成立するまで(受精から着床まで)の妊娠超初期段階の体やメンタルの状態が、PMSの症状と似ている場合があります。

妊娠超初期に表れるPMSと似た症状

・腹痛

・腰痛

・眠気やだるさ

・胸の張り

・イライラや不安

・めまいや立ちくらみ

・食欲の変化

ただし、妊娠超初期段階には、次のような特有の症状があります。

妊娠超初期に表れる特有の症状

・基礎体温が変化せず、高温期が継続

・着床出血

・おりものの量や色が変わる

・生理がこない

また、PMSの症状は生理が始まると治まりますが、妊娠超初期段階に表れる症状の場合は、つわりを含む妊娠症状へと移行していくのも大きな違いです。

PMSはいつかなくなる?

生理周期にともなう女性ホルモンの変動で起こるPMSは、閉経すると治まります。日本人の平均閉経年齢は約50歳で、早い女性で40歳代前半、遅いと50歳代後半です。

ただし、閉経前の5年間と閉経後の5年間の「更年期」は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が大きく変動しながら減少していきます。そのため、閉経後の数年間も、PMSと似たような動悸やめまい、イライラ等の症状に悩まされる場合もあるでしょう。

参考:公益社団法人 日本産科婦人科学会 更年期障害

セルフケアや適切な治療でPMSの症状を緩和しよう

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PMSは、生理がある多くの女性が経験する生理前の不調です。頭痛や動悸等の体に表れる症状や、不安やイライラ等のメンタルに表れる症状があり、痛みを和らげる姿勢や食生活の改善、ストレス発散等のセルフケアに改善効果があります。

一般的に医療機関で行われる治療には、ホルモン療法や特定症状を緩和する処方薬や治療薬が用いられますが、重度の場合は卵巣の摘出手術が選択されるケースもあります。

PMSは寝込む人もいれば、あまり気にならない人もいて、感じる強さや症状はさまざまです。体調の変化を把握して、無理をせずに適切な処置で上手に向き合って過ごしていきましょう。

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