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カラダとココロ

生理の周期や期間が短いのはなぜ?原因と対処法を解説

公開日:2024.03.27
更新日:2024.11.28
生理の周期や期間が短いのはなぜ?原因と対処法を解説
正常な生理は約1カ月程度の周期で、3~7日間の期間で起きることが一般的です。 もしそれより短い周期・期間の生理がある場合は、生理に異常を起こす何らかの重要な原因が隠れている可能性があります。そこで今回は、生理の周期または期間が短くて悩んでいる人に向け、原因や対処法をご紹介します。 放置しないほうがよい原因が隠れていることもあるため、短い生理が何度も来ている人は原因を探っていきましょう。 なお、「出血期間が短い人」は最初の見出しから、「生理周期が短い人」は2つ目の見出しからご覧ください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
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専門家/エキスパート 佐藤 綾華
2018/3北海道大学医学部医学科卒業 2018/4-2020/3石巻赤十字病院初期研修修了 2020/4-2021/3石巻赤十字病院産婦人科勤務 2021/4-2022/3東北公済病院産婦人科勤務 2022/5-2023/3東北大学病院産婦人科勤務 2023/4-2024/3仙台市立病院産婦人科勤務
INDEX

1 短い生理とは

2 生理期間が短いのは過短月経

3 過短月経の原因

4 頻発月経の原因

5 生理が短い場合にできること

6 生理不順に対して行われる治療法

7 生理が短い人から多く寄せられる質問

短い生理とは

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通常より生理期間が短い生理は「過短月経」、生理周期が短いのは「頻発月経」と言います。まずはそれぞれに当てはまる条件を解説していきます。

生理期間が短いのは過短月経

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正常な生理は3~7日間続くのに対し、2日以内に終わってしまう生理は「過短月経」と呼ばれます。

基本的にはホルモンバランスが安定していない初潮が来たばかりの人、もしくは更年期の人に発生することがある短い生理です。

しかし、初潮前後や更年期に当てはまらないのに過短月経が起きる場合は、体に何らかの病気や異常がある可能性が考えられます。

生理周期が短いのは頻発月経

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生理が起きる正常な間隔は25〜38日間隔です。しかし、次の生理までの間隔が24日以内の場合は、この「頻発月経」に当てはまります。

また、頻発月経は次の2種類に分かれています。
・ 無排卵性…排卵がないのに出血が起こる
・ 排卵性… 排卵があり出血が起こる

前者の無排卵性は過短月経と同じく、思春期や更年期の人等ホルモンバランスが安定していない人に起きやすいです。後者の排卵性は、更年期で卵胞期が短縮してしまってる人、もしくは病気によってホルモン分泌が正常に行われない人に起きやすいものです。

過短月経の原因

初潮直後や更年期以外で過短月経が見られる場合は、体や生活習慣に原因がある可能性があります。ここでは過短月経を引き起こす原因をより詳しくご紹介します。

ホルモンバランスの乱れ

過短月経は過度な疲労やストレス、睡眠不足によってホルモンバランスが乱れると起こる場合があります。

バランスが乱れて女性ホルモンがうまく分泌されないと子宮内膜が厚くならず、経血量が減り、生理が早く終わってしまうためです。

また、ホルモンが分泌されないと子宮内膜をはがす働きも弱まるため、経血量が減って生理が早く終わりやすくなることもあります。

ホルモンバランスが乱れている可能性があるのは、たとえば次のような条件の人です。

● 仕事が忙しく休みや睡眠を十分に取れていない人
● 精神的なストレスがある人
● 無理なダイエットをしている人

病気により異常が起きている

過短月経は脳・卵巣・子宮等の病気によっても起こることがあります。原因として考えられる病気は次のとおりです。

● 下垂体腫瘍
● 多嚢胞卵巣症候群
● 黄体機能不全
● 甲状腺機能の異常
● 子宮発育不全(先天性)
● 内膜癒着 等

本来、女性ホルモンは脳下垂体からの指令を出し、卵巣で分泌されるものです。そのため下垂体や甲状腺に何らかの病気があると、女性ホルモンの分泌異常が起こり、過短月経を引き起こすことがあります。

ただ脳でなく指令を受ける側の卵巣で異常があっても、過短月経が起こることがあります。卵巣の場合は多嚢胞卵巣症候群や黄体機能不全等で、女性ホルモンの分泌異常が起きていることが考えられますが、放置すると不妊につながることもあるため注意が必要です。

また、過短月経は子宮の病気の可能性も考えられます。先天性の発育不全のケースもありますが、後天的に内膜癒着が起きることも珍しくありません。いずれかの子宮内膜の異常で、子宮内膜をうまく形成できなくなっていると、通常より生理が短いことがあります。

頻発月経の原因

頻発月経も、ホルモンバランスが乱れることで起こることがあります。ただしそのホルモンの乱れが何で起きているかが問題です。

年齢的な問題であることもありますが、病気が要因であることもありえます。そこで次は頻発月経で考えられる原因を詳しく見ていきましょう。

思春期や閉経前等年齢的なもの

まず頻発月経の原因として考えられるのは、思春期や更年期等の年齢的な影響です。

卵巣が未成熟な思春期や卵巣機能が低下する更年期は、ホルモンバランスが安定せず、無排卵性の頻発月経を起こすことがあります。

無排卵性月経は、経血量の少ない生理が長引くのが特徴です。年齢的な問題であれば、ほとんどのケースで治療は必要ありません。

基礎体温の測り方

頻発月経は、卵胞期の短縮もしくは黄体機能不全等の病気によって起きている可能性も考えられます。

更年期の人は、年齢による卵巣機能の低下で卵胞期が短縮されてしまい、排卵までの期間も短くなってしまうことが多いです。致命的な症状ではありませんが、生理が頻発することで貧血になる可能性はあります。また、卵胞の能力が下がっているため、不妊や流産を起こしやすい点も注意が必要です。

一方、黄体機能不全が原因とされるケースは、黄体からホルモンの分泌が正常に行われない、または黄体の存続が短くなってしまうことで頻発月経を起こします。しかし黄体機能は妊娠や妊娠維持に必要であり、不全状態を放置すると不妊や不育症の原因になる恐れがあります。なるべく早い治療が必要です。

生理が短い場合にできること

ここからは生理が短い時にまずできることとして、基礎体温の測定、生活習慣の改善方法、病院に行く目安についてご紹介します。

基礎体温を計れば排卵が正常か等、おおよその状態を把握することができます。また、もし生活習慣を改善しても生理に異常が続くようであれば、他に原因がある可能性が高まり、いよいよ受診という選択肢を検討すべきかどうかの判断材料にもなります。

それぞれの方法でポイントを解説していくので、参考にしてください。

基礎体温を測る

短い生理がきて心配だと感じたら、まずは基礎体温の計測と記録を始めてみましょう。

基礎体温とは、日常生活の行動に影響されない状況下で測る安静時の体温のことで、毎日起床時に測ります。

女性は定期的な排卵活動によって体温に変化があるため、体温を測ることで排卵の有無やホルモンバランスの乱れを知ることが可能です。

なお、基礎体温は婦人科等で受診する際にも役立ちます。体温の推移は体の状態を知ることができる情報なので、受診の際に計測情報を渡せれば医師が状態を分析しやすくなります。

生活習慣の乱れを改善する

基礎体温の計測と同時に、生活習慣の改善も意識してみましょう。

ホルモンバランスの乱れを原因とした過短月経や頻発月経の場合、生活習慣を改善することで正常な生理に戻る可能性もあります。

なお、改善は次の4つから行っていきましょう。

ポイント

食事の改善

主菜・主食・副菜のバランスの取れた食事を取る(1日3食)

運動量の改善

最低週1回1時間の有酸素運動を取り入れる(ウォーキングやサイクリング等)

睡眠習慣の改善

・毎日同じ時間帯に6~8時間の睡眠を取る

・寝る直前はカフェイン摂取は避ける

ストレスの軽減

ストレスを解消する(趣味・外出・運動・入浴等)

▼ホルモンバランスを整える方法はこちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ホルモンバランスを整える7つの方法とは?乱れの原因から解説

病院に行く

もし生理が短い状態が2カ月以上続き、生活習慣を改善しても変化が見られない場合は、病院に相談を検討してください。

また、次のような症状や条件が一致する場合も受診をおすすめします。

● 唐突に過短・頻発月経になった
● 20歳を過ぎても過短・頻発月経がみられる
● 出産後に過短・頻発月経が続いている
● 短い生理に加えて下腹部痛や性交痛がある

生理不順に対して行われる治療法

何らかの異常で過短月経や頻発月経が起きている場合は、生理不順として治療を行います。ここからは、婦人科や産婦人科で行われる治療についてご紹介します。

検査の実施

生理不順で婦人科・産婦人科を受診した場合、まずは問診や診察を行います。

それ以外の検査としては血液検査、内診、エコー検査(超音波検査)等がありますが、内診は不安を覚えるという人も多いかもしれません。

しかし、内診を含めたこれらの検査は必ず行われるものではなく、あくまでも医師が必要だと判断した場合に行われます。

また、内診が怖いという人には、まず投薬治療から始めるといった対応が取られることもあります。患者の意思に反して無理に行うことはないので安心してください。

内診が怖い人や性交渉の経験がない人は、麻酔下の内診や経直腸超音波検査といった選択肢が取られることもあります。

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治療内容

ホルモンの分泌量を測定し、もし女性ホルモンが著しく少ない場合は、治療としてホルモン剤(低用量ピル製剤)を投与します。また、排卵がない人で妊娠を希望している場合には排卵誘発剤の処方が考えられるでしょう。

治療の多くが内服薬等によるものですが、腫瘍や内膜症等で卵巣や子宮に問題が起きている場合は手術が必要になることもあります。

▼具体的な治療については、次の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
生理不順について基本から解説!検査を受けて病気を治療しよう

生理が短い人から多く寄せられる質問

生理が短いことを不安に感じている人から多く挙がった質問に関して、あおばどおりかずみレディースクリニックの佐藤綾華医師に質問しました。

生理が短いと将来どうなる?

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生理が短いこと自体が、将来的に大きな問題になることはありません。しかし、1~2日程度の少量の出血のみで終わるような極端に短い生理の場合、排卵自体していない無排卵周期の可能性があり、その状態が続けば妊娠しにくいと考えられます。

病院には行くべき?

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早期に治療を始める必要はありませんが、上記のような生理が続いていて妊娠を希望される場合は婦人科を受診し、排卵しているか確認することをおすすめします。排卵していなければ、排卵を起こす治療等が必要になる場合もあります。

経血量が少ないと問題がある?

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そもそも経血量も個人差があり、主観的な判断によるので少ないことが直接問題になるわけではありません。ただ、茶色出血少量で終わる生理や、2日目でもおりものシートでまかなえる程度の出血量という場合は、無排卵の傾向があります。妊娠を希望される際は受診をおすすめします。

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