妊娠初期はいつからいつまで?つわりの症状や注意点を解説!
PROFILE
1 妊娠初期は妊娠0~4カ月目
2 妊娠初期のつわりについて
3 その他の妊娠初期症状
4 妊娠初期の周期別の症状
5 妊娠初期に注意したいこと
6 妊娠初期はリラックスして過ごそう
妊娠初期は妊娠0~4カ月目
妊娠初期は、最終月経の初日から数えて妊娠0週0日から妊娠4カ月目までの期間を指します。この時期は、胎児の発育が始まったばかりで、母体の体調変化も大きい時期です。妊娠初期症状は個人差が大きいものの、早い人では妊娠3週目から表れ始め、5週目までには多くの人が何らかの症状を感じるようになります。ただし、月経以外に特に変化を感じない人もいるので、一概にはいえません。妊娠初期は、つわりや体のだるさ等、さまざまな症状が表れやすい時期ですが、それぞれの体調にあわせて無理のない範囲で過ごすことが大切です。
妊娠初期のつわりについて
妊娠初期のつわりは、経験したことがない人にとって不安を感じるものです。いつから始まるのか、なぜ起こるのか、そしてどのように対処すればいいのか分からないと、戸惑ってしまうでしょう。ここでは、つわりの始まる時期や原因、そして効果的な解消法について詳しく解説します。
▼妊娠初期のつわりに関する詳細は、こちらの記事でも紹介しています。
妊娠初期のいつからつわりが起こる?症状ごとの対処法を徹底解説
つわりはいつから始まるの?
つわりは、妊娠初期の代表的な症状の1つであり、妊娠中になんらかのつわり症状があった人は約8割を超えます。
つわりがいつから始まるのかは個人差が大きいですが、一般的には妊娠5〜6週目ごろから症状が表れ始めることが多いです。ただし、中には妊娠3週目ごろから症状が出る人や、妊娠8週目以降になってから症状が表れる人もいます。
つわりのピークは、多くの場合、妊娠8〜10週目ごろといわれています。この時期は、ホルモンバランスの変化が最も大きい時期でもあり、つわりの症状も最も強くなることが多いです。つわりの症状は、妊娠中期になると自然に収まる人が多いものの、非常に稀ですが中には出産まで続く人もいます。
つわりの原因は?
つわりは妊娠初期に多くの女性が経験する症状ですが、その原因については、まだ医科学的にはっきりと解明されていません。ただし、いくつかの要因が考えられています。
主な要因としては、妊娠に伴うホルモンバランスの変化です。プロゲステロン(黄体ホルモン)やエストロゲン(卵胞ホルモン)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)といったホルモンが増加することで、吐き気や不快感を引き起こすと考えられています。
また、ビタミン不足による代謝や血糖値の変化、ストレスや疲労といった心理的要因もつわりの原因となる可能性があります。
つわりの解消法
つわりの解消法についても、個人差が大きく、万能な方法はありません。ただし、日常生活の中で工夫を取り入れることにより、つわりの症状を和らげられる可能性があります。
つわりの症状は、ストレスによって悪化することがあるので、まずはなるべくリラックスできる環境を作り、日々のストレス管理をしましょう。
また、においや食べ物の好みは、人によって異なるので、自分に合ったものを見つけることが大切です。例えば、吐き気がする場合は、刺激の強いにおいや味を避け、柔らかくて消化しやすい食べ物を選ぶと良いでしょう。逆に、食欲がある場合は、バランスの取れた食事を心がけ、一度に大量に食べるのではなく、少量ずつ頻回に食べるのがおすすめです。
つわりがひどい場合は、水分補給に気をつけましょう。吐き気がして食事が取れない場合でも、脱水を防ぐために、こまめに水分をとることが重要です。
つわりを完全に解消することは難しいため、つわりが辛い時は、無理をせず周りの人に協力を求めたり、医師に相談したりすることが大切です。
その他の妊娠初期症状
妊娠初期には、つわり以外にもさまざまな体の変化が表れます。主な症状としては、以下のようなものがあります。
分類 | 症状 |
---|---|
生理・出血関連 | ・生理が始まらない ・少量の出血がある |
胸・腹部・腰 | ・便秘になる ・腰痛が起こる ・下腹部痛がある ・おなかが張る ・胃のムカつきや吐き気がある ・頻繁にトイレにいきたくなる ・胸が張る |
顔・頭部 | ・頭痛が起こる ・肌トラブルが起こりやすくなる ・唾液や鼻水の量が増える |
精神症状・感覚 | ・気持ちが不安定になる ・食欲旺盛や食欲不振になる ・嗅覚が敏感になる |
全身症状・その他 | ・体がむくむ ・体のだるさを感じる ・微熱が続く ・強い眠気を感じる ・めまいや立ちくらみがある ・おりものが変化する |
中でも多くの人が感じやすい症状は以下の5つです。
● 月経周期の変化
● 乳房の変化
● 疲労感と眠気
● 腹痛
● 頭痛
それぞれ詳しく解説します。
月経周期の変化
妊娠初期の代表的な症状の1つが、月経周期の変化です。妊娠すると月経が止まるため、月経周期が規則的な人にとっては、わかりやすい変化といえます。日頃から自分の生理周期を把握しておくと良いでしょう。
ただし、妊娠初期でも、少量の出血が見られることがあります。これは、着床出血と呼ばれ、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる出血です。着床出血は、生理の時期と重なることもあるため、妊娠に気づかないこともあります。
また、月経周期が不規則な人や、ストレス等で月経が遅れることがある人は、妊娠の判断が難しいこともあります。妊娠の可能性がある場合は、早めに妊娠検査薬を使用するか、医師に相談しましょう。
乳房の変化
妊娠初期は、ホルモンバランスの変化により、乳房にさまざまな変化が表れます。多くの女性が、乳房の張りや痛み、乳首の敏感さを経験します。これは、妊娠を維持するために必要なホルモンが分泌されるためです。
乳房の変化は、個人差が大きいですが、一般的には妊娠3~4週目ごろから表れ始めます。触ると痛みを感じたり、硬くなったり、乳首が敏感になっているため服に触れるだけでも不快感を感じたりすることがあります。
また、乳房の変化に伴い、バストサイズが大きくなることもあるので、妊娠初期は、ゆったりとしたブラジャーを選ぶと良いでしょう。つわりや締め付け感が辛いときには、マタニティブラの「ハーフトップ」がおすすめです。
ハーフトップはマタニティブラの中でも特にリラックスできる着用感があるため、ゆったりとしたフィット感で、バストへの負担を軽減してくれます。
疲労感と眠気
妊娠初期は、プロゲステロンというホルモンの分泌量が増加するため、日中の眠気や疲労感を感じやすくなります。
疲労感や眠気は、個人差が大きいですが、多くの女性が経験する症状の1つです。中には、仕事や家事に支障をきたすほどの眠気を感じる人もいます。また、疲労感が強いと、つわりの症状が悪化する場合もあります。
辛い症状が続く場合は、無理をせず、ゆったりと過ごすことが大切です。疲労感や眠気は、徐々に和らいでいくので、前向きに乗り越えていきましょう。
腹痛
妊娠初期は、子宮が徐々に大きくなる過程で、さまざまな腹部の症状が表れることがあります。子宮の成長に伴い、収縮が起こることがあり、これが腹痛として感じられるのです。
妊娠初期の子宮は、着床した胎芽を育てるために収縮を繰り返します。この収縮によって、生理痛に似た下腹部痛を感じることがあります。しかし、この症状は生理痛と混同しやすいため注意が必要です。また、妊娠初期に服用できる薬は限られているので、妊娠の可能性がある場合は、自己判断で薬を服用するのは避けましょう。
また妊娠初期は、ホルモンバランスの変化により胃腸の動きが弱まり、鈍くなるため、便秘になりやすく、それに伴う腹部の張りや痛みを感じることもあります。
腹痛は多くの場合一時的な症状ですが、強い痛みが続く場合や出血を伴う場合は、早めに医師に相談しましょう。
頭痛
妊娠初期は、プロゲステロンというホルモンの分泌量が増加することで、血管が拡張し、頭痛が引き起こされることがあります。
個人差が大きいですが、頭痛はストレスやつわり、睡眠不足等によっても引き起こされることがあり、中には日常生活に支障をきたすほどの頭痛を感じる人もいます。
頭痛は薬で軽減できる可能性がありますが、妊娠初期は使用できる薬が限られているので、市販の鎮痛剤を使用する前に、必ず医師に相談しましょう。
▼妊娠初期症状の詳細はこちらの記事でも紹介しています。
妊娠初期症状にはどんなものがある?生理前との違いもチェック
妊娠初期の周期別の症状
妊娠初期は、妊娠の進行に伴って、さまざまな症状が表れます。ここでは、妊娠初期を周期別に分けて、以下の時期に表れやすい症状を見ていきましょう。
● 妊娠超初期(0~3週)
● 妊娠2カ月目(4~7週)
● 妊娠3カ月目(8~11週)
● 妊娠4カ月目(12~15週)
妊娠超初期(0~3週)
妊娠0〜3週目の期間は、「妊娠超初期」と呼ばれることがあります。この「妊娠超初期」という言葉は医学的な用語ではありませんが、最終月経の初日から受精卵が子宮内膜に着床するまでの重要な期間を指しています。
妊娠超初期は、まだ妊娠の兆候が表れにくい時期で、多くの女性は、妊娠に気づきません。ただし中には、着床の時期に軽い出血やおりものに変化を感じたり、最も早い人では3週目からつわりのような体調変化を感じたりすることもあります。
妊娠2カ月目(4~7週)
妊娠2カ月目は胎児の発育が本格的に始まるので、つわりの症状が始まる時期です。
そのため多くの女性が、以下のような症状を感じるかもしれません。
● 吐き気
● 食欲不振
● 嗅覚の変化
● 乳房の張りや痛み
● 頻尿
● 情緒不安定
● 疲労感
● 眠気
また妊娠2カ月目は生理が予定通りにこないことから、妊娠に気付く時期でもあります。妊娠の可能性が高い場合は、妊娠検査薬を使用するか、医師に相談しましょう。また、この時期から、妊婦健診を受けることも大切です。
妊娠3カ月目(8~11週)
妊娠3カ月目はつわりの症状が最も強くなる時期で、多くの女性が吐き気や嘔吐、食欲不振等に悩まされます。またこの時期は、便秘になりやすくなるため、腹部の張りや痛みを感じることもあるでしょう。
他にも子宮が大きくなるため、下腹部が膨らみ始め、乳房の張りや痛みも強くなることがあります。
妊娠3カ月目は、つわりがつらい時期ですが、この時期を乗り越えると、つわりの症状は徐々に和らいでいきます。辛い症状が続く場合、体重が減り続ける場合は、医師に相談し、適切な対処法を見つけることが大切です。
妊娠4カ月目(12~15週)
妊娠4カ月目は、つわりの症状が徐々に和らぎ、かえって食欲が増して体重が増加傾向になることもある時期です。
そのため、この時期から食べすぎないようにして体重を管理することが大切です。妊娠中に高カロリーなものを食べ過ぎると、体に負担がかかります。例えば体重が急激に増加すると血糖値が上がり、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群を引き起こすこともあるのです。
またこの時期は子宮が大きくなることで、腰痛や足のむくみ、体型の変化を感じることもあります。
ほかにも子宮の位置が変わるため、膀胱の圧迫が軽減され、一時的に頻尿が改善されることがあるのもこの時期です。妊娠4カ月目は妊娠期間の中では体調が最も楽に感じられたという人も多いですが、腹部が大きくなる妊娠後期にはまた頻尿になることがあります。
妊娠初期に注意したいこと
妊娠初期は、胎児の発育にとって重要な時期であり、母体にとっても大きな変化の時期です。ここでは、妊娠初期に注意したいことを5つ紹介します。
● 考えすぎない
● 水分補給
● 職場への報告も検討する
● 異常を感じたら病院に相談を
● 体調が良ければ普段通りに過ごす
それぞれ詳しく解説します。
考えすぎない
妊娠初期は、体調の変化が大きく、不安を感じることもあるかもしれません。特に、初めての妊娠の場合は、何が正常で何が異常なのかがわからず、不安になることもあります。
しかし考えすぎることは、ストレスを引き起こし、体調に悪影響を与える可能性があります。妊娠初期は、体に負担がかかる時期なので、なるべくリラックスして過ごすと良いでしょう。
体調の変化に戸惑うこともあるかもしれませんが、胎児の健やかな成長を願いながら、前向きに過ごすことが大切です。
水分補給
妊娠初期の水分補給は、妊娠中の健康維持に欠かせません。妊娠中は、体内の水分量が増加するため、日頃から十分な水分補給を心がける必要があります。
特につわりがあるときは、吐き気を我慢してしまい水分を取ることが難しいこともありますが、少しずつでも水分を取ることが大切です。また、妊娠初期は、便秘になりやすい時期でもあります。便秘は、腹部の張りや痛みを引き起こすこともあるので、水分補給は重要です。
また、水分補給をする際、冷たい飲み物は体を冷やすので、常温の飲み物にすると良いでしょう。水分補給が難しい場合には、炭酸水やスープ、果物等、さまざまな方法で水分を補給できます。好みの方法を見つけて、こまめに水分を補給するようにしましょう。
職場への報告も検討する
一般的に、安定期に入ってから妊娠を職場へ報告する人が多いですが、つわりの症状が重い場合は、上司や同僚に相談し、仕事内容の調整を検討することも大切です。
「報告はまだしたくない」という人は上司にのみ報告するなど、限定的な伝え方をすると良いでしょう。
しかし「上司にうまく伝えられるか不安」と思う人もいるかもしれません。そのようなときは「母健連絡カード」を利用すると安心です。
「母健連絡カード」とは、妊娠中の女性が医師からの指導を、職場に伝えるための手段です。医師が書いた内容を提出するだけで、職場が適切な対応をしてくれるので、安心感があります。口頭で説明するより職場への情報提供がスムーズに行え、心理的な負担も軽減されます。
異常を感じたら病院に相談を
妊娠中のつわりや不調は、妊娠初期でも服用できる薬で軽減できる可能性もあります。
しかしつわりがひどく、食事が取れない場合は、医師に相談することをおすすめします。つわりは妊娠初期の正常な症状ですが、重度のつわりは、脱水症状を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
また、出血や強い腹痛がある場合は、切迫流産や子宮外妊娠(異所性妊娠)等の可能性があるため、すぐに医師に相談する必要があります。
妊娠初期は、不安を感じることもあるかもしれませんが、つわりがひどすぎると入院が必要になったり、中には流産の兆候である出血、安静が必要とされることもあります。
そのため不安があれば、まずは病院に電話をし、我慢せずに医師に相談しましょう。
体調が良ければ普段通りに過ごす
妊娠初期は体調の変化が大きい時期です。しかし、すべての妊婦さんが強い症状を経験するわけではないため、体調が良ければ普段通りに過ごして問題ありません。
ただし、妊娠中は、胎児に悪影響を与える可能性のあるものは避ける必要があります。例えば、喫煙や飲酒は、胎児の発育に悪影響を与える可能性があるため、避けましょう。
また、妊娠中は、過度な運動や重いものを持つことは避けた方が安心です。ただし、適度な運動は、妊娠中の健康維持に役立ちます。散歩やストレッチ、ヨガ等、自分の体調にあわせて、無理のない範囲で行うことがおすすめです。
病院で「やってはいけないこと」を確認し、その他は普段通り過ごすことでストレスも溜まりにくくなります。
妊娠初期はリラックスして過ごそう
妊娠初期は、胎児の発育にとって重要な時期であり、母体にとっても大きな変化の時期です。つわりや疲労感等、さまざまな症状に悩まされることもあるかもしれません。
しかし妊娠初期の症状は、個人差が大きく、すべての妊婦さんが強い症状を経験するわけではありません。体調の変化に戸惑うこともあるかもしれませんが、胎児の健やかな成長を願いながら、リラックスして前向きに過ごすことが大切です。