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妊娠と出産

【I'mOK? ANSWER】産後の不調を乗り越えるための方法

公開日:2024.07.25
更新日:2024.07.25
【I'mOK? ANSWER】産後の不調を乗り越えるための方法
家事・育児といった家庭に関することや仕事など、現代の女性は日々を忙しく過ごしています。そんな生活の中では、わかっていながらもついつい自分を労わることを後回しにせざるを得ないことも多いはず。そんな「頑張る女性」の明日を少しでも生きやすくするために、ほんの少し立ち止まって、「わたしは大丈夫?」と自分に投げかけてみてほしい。I’m OK?プロジェクトは、そんな思いで始まりました。 産後の女性は、出産による体へのダメージだけでなく、様々な体調変化、なかなか休むことのできない育児の忙しさなど、大きな負担を抱えがち。そこで、産後の体調について、女性がどのようなことに悩み、どう対処しているのかを調査しました。また、産後の不調に正しく対処するために、産婦人科医の鈴木美香先生に話を伺ったので、是非参考にしてください。

PROFILE

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聖隷健康サポートセンターShizuoka所長/静岡県立大学客員教授 鈴木 美香
浜松医科大学卒業、同大学院修了。臨床現場、米国留学を経て、2010年より現職。婦人科・漢方診療、予防医療に従事。予防医学の啓発活動、働く人の健康管理、特に女性のヘルスケアに積極的に取り組んでいる。 医学博士、産婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、漢方専門医、労働衛生コンサルタント 他。
INDEX

1 98%の女性が産後に体調の変化を実感

2 産後の不調を握るカギは栄養と育児の分担

3 精神的な不調は約6カ月間で落ち着く

4 自分を労わることこそ、育児を楽しむための秘訣

98%の女性が産後に体調の変化を実感

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I’m OK?編集部が出産経験のある女性を対象に実施した独自アンケートによると、産後に体調の変化や不調を感じた、と答えた女性は98%にも上りました。中でも最も多い悩みは、約47%の女性が実感している睡眠不足による不調。次いで20%以上の女性がホルモンバランスによる精神面での不調を経験しています。

特に産後すぐの新生児期には授乳や夜泣きなど、自由に睡眠が取りにくい状況が続きます。ホルモンバランスの変化も出産に伴うもので、いずれも自分で改善しようのないことが原因であり、対処法を見つけることが難しい悩みだといえそうです。

産後の不調を握るカギは栄養と育児の分担

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今回は、産後の不調の原因や向き合い方について、産婦人科医の産婦人科医の鈴木美香先生に話を伺いました。

産後、体や心に不調を起こしやすい理由はなんですか?

鈴木美香先生:出産によるホルモンバランスの変化、育児に伴うストレス、睡眠不足が原因が大きな原因になります。妊娠中は赤ちゃんを支えるための胎盤からホルモンが出ているのですが、出産すると胎盤がなくなり一気にホルモン量が低下します。そのため、ただでさえ健康面や精神面での不調が起こりやすい時期ですが、ここに育児の忙しさなどが加わるので、なおさら不調が起きやすくなります。

最も多い悩みは睡眠不足によるものでした。新生児のお世話をしながらではなかなか解決するのが難しい問題ですね…。少しでも回復しやすい方法などはありますか?

鈴木先生:貧血には気を付けてほしいです。ただでさえ女性は鉄分が不足している方が多いのですが、特に産後や授乳期は貧血になっていることが多いです。貧血だと体が疲れやすくなるので、サプリメントなども活用しながら、日常の中で鉄分をしっかり摂取してください。

直接的な健康管理とは異なる部分ではありますが、とにかく一人で頑張りすぎないようにすることを意識してほしいです。授乳だけは誰にも代われない、と思う方もいますが、保存方法の工夫や一時的な粉ミルクの活用などで休むこと自体は可能です。

産後は、なかなか病院に行く時間すら取れないという人も多いですよね。健康面や精神面での不調に対処するために、生活の中でできることにはどんなことがありますか?

鈴木先生:まずはしっかり栄養を摂ってください。鉄分に限らず、授乳期には通常より多くの栄養を必要とします。母乳による授乳ではない人でも、忙しいとついつい自分の食事に手間暇かけることが難しくなります。健康の維持にも脳の活性化にも、栄養補給はとても重要です。

精神的な不調は、ある程度事前に対策をしておくこともおすすめです。産後はホルモンの変化で、些細なことで不安になったり涙が出たりすることがあるということを、まずは自身が理解しておく。自分は大丈夫と過信しすぎないでください。また、それを事前にパートナーに理解しておいてもらうということも重要です。

その上で、なんでも一人でやろうとしないこと。パートナーだけでなく、他のご家族に頼れるのであれば頼った方がいいし、今は行政でもいろいろな育児サポートがあるので、事前に調べておいてもいいですね。大事な赤ちゃんを誰かに任せることに躊躇してしまう人は多いですが、リフレッシュのためには物理的な距離が必要なこともあります。1時間でも、物理的に離れて自分の時間を取るというのもおすすめの方法です。

精神的な不調は約6カ月間で落ち着く

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不調がいつまで続くかわからない、というのも心理的負担を大きくするひとつの原因だと思います。産後の精神面や健康面での不調は、大体いつ頃まで続くものですか?

鈴木先生:健康面での不調に関しては、一概にはなんともいえません。というのも、たとえば母乳育児かどうか、夜泣きをする子かどうか、頼れる環境はあるか、など、育児による負担には様々なことが関係するからです。

ホルモンバランスによる精神面での不調もそれぞれではありますが、約6カ月ぐらいで治まっていくことが多いです。ただ、6カ月間は不調があっても仕方ないと思うのではなく、目安として精神面での不調が2週間以上続くようであれば、どこかに相談すべきです。もちろん、2週間経過していなくても、自分がつらいと感じるのであればいつでも外部に相談してください。

そういった場合、相談先というのはどこになりますか?

鈴木先生:基本的には出産した産婦人科で問題ありません。中には里帰り出産のように、出産した産科が遠方だというケースもあります。それでも産婦人科へ相談していただくのも問題ないですが、行政が開設している子育て支援センター、市町村の母子保健課、児童福祉課などでも相談可能です。

自分を労わることこそ、育児を楽しむための秘訣

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産後の不調に悩む女性に、自分を労わるためのアドバイスはありますか?

鈴木先生:まず、育児における負担を軽減させることは切っても切り離せない問題です。物理的な負担軽減が無理だとしても、精神的に少しでも負担が軽くなる方法を考えてみてください。そのためには、育児において完璧を求めない、人と比較しない、ここがポイントです。

現代ではwebですぐに様々な情報が出てくるからこそ、出産や育児において、人と比較して自分の状況に不安や不満を抱いたり、過度な理想を抱いてしまう人が多いように感じています。理想で自分をがんじがらめにしてしまうのではなく、困ったときには、パートナーにも医療機関にもしっかり助けを求める。それがとても重要。

産後や育児の大変な時期を過ぎた人から聞くと、もっと余裕をもって子供と向き合えばよかった、楽しめばよかった、という人がとても多いんです。余裕がないと育児を楽しむことも難しいので、いつか振り返ったときに悔やまないためにも、頑張り過ぎずに自分を労わってください。

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