よだれつわりはいつまで続く?原因から対策までわかりやすく解説
PROFILE
1 よだれつわりとは
2 よだれつわりへの5つの対策
3 その他のつわりの症状への対策
4 よだれつわり対策で穏やかな妊娠初期を目指そう
よだれつわりとは
妊娠初期に経験する可能性のあるよだれつわりは、多くの女性を悩ませる症状です。よだれつわりの特徴や原因は、以下のとおりです。
● 大量によだれが出るつわりの一種
● 妊娠4~16週が症状が出る目安
● ホルモンバランスの乱れが原因
よだれつわりの症状は一時的なものですが、日常生活に支障をきたすこともあります。しかし、特徴や原因を理解することで、効果的な対処法を見つけやすくなるでしょう。それぞれ詳しく解説します。
大量によだれが出るつわりの一種
よだれつわりは大量の唾液が分泌されるつわりの一種で、通常より多く作られた唾液がうまく飲み込めず、口から溢れ出てしまいます。医学的には唾液過多症とも呼ばれるこの症状は、妊婦さんに不快感を与え、日常生活に支障をきたすこともあります。唾液の分泌量が増えるだけでなく、唾液を飲み込むと咳き込んだり、気分が悪くなったりという症状も発生します。この症状は個人差が大きく、軽度から重度までさまざまです。
妊娠4~16週が症状が出る目安
よだれつわりの症状は、通常妊娠初期の4週目頃から始まります。多くの場合、12〜16週目頃までに治まりますが、個人差が大きいのが特徴です。中には出産まで症状が続く女性もいます。症状のピークは人それぞれですが、多くの場合、妊娠8~10週頃が最もつらい時期とされています。この時期を過ぎると徐々に症状が軽減していくことが多いですが、妊娠期間中ずっと続く場合もあります。症状の持続期間や程度は個人差が大きいため、医師に相談しながら対応していきましょう。
ホルモンバランスの乱れが原因
よだれつわりの主な原因は、妊娠に伴うホルモンバランスの変化です。特に妊娠初期には、胎盤からヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンが大量に分泌されます。このhCGの急激な増加が自律神経系に影響を与え、唾液腺が過剰に刺激されることで唾液の分泌量が増加します。ホルモンバランスの乱れは個人差が大きいため、よだれつわりの程度にも差が出るのです。
よだれつわりへの5つの対策
よだれつわりの対策は、以下の5つです。
● 食事を小分け
● 水分が少ない食べ物を食べる
● ティッシュやペットボトルを常備
● マウスウォッシュやガム、アメ
● 適度に水分摂取
この対策はすぐに実践できる方法となるため、1つひとつ試し、自分に最も効果的な方法を見つけることが大切です。自分に合った対策を見つけ、よだれつわりの時期を少しでも快適に過ごしましょう。それぞれ詳しく解説します。
食事を小分け
よだれつわり対策の1つとして、食事を小分けにする方法があります。唾液の分泌量は、安静時より食事時の方が増加する傾向があります。そのため、一度に大量の食事を取るのではなく、少量ずつ頻繁に食べるほうが、唾液の分泌量をコントロールしやすくなります。
例えば、1日3食を6回に分ける等、自分のペースに合わせて調整しましょう。また、ゆっくりよく噛んで食べることで、唾液の対処もしやすくなります。このように食事の時間や量を工夫することで、よだれつわりの症状を軽減できる可能性があります。
水分が少ない食べ物を食べる
過剰に分泌される唾液を効果的に対処するには、以下のような水分が少ない食べ物を選ぶことも有効です。
● 食パン
● ゆで卵
● さつまいも 等
比較的乾燥した食品は、唾液を吸収しやすいため、口内の唾液量を減らすのに役立ちます。ただし、つわりの時期は吐き気や匂いに敏感になっているため、自分が食べやすいものを探すことが大切です。上記以外にも、クラッカーやビスケット等の軽い食感の食品もおすすめです。食べ物の選択は個人の好みや体調に合わせて調整しましょう。
ティッシュやペットボトルを常備
よだれつわりの症状に備えるため、ティッシュやペットボトルを携帯することもおすすめです。唾液が突然溢れそうになった時に慌てず対応できるよう、準備しておくと外出時にも安心です。
例えば、ティッシュは唾液を拭き取るのに便利で、小さなものなら持ち運びも簡単です。ペットボトルは唾液を回収するのに使用でき、特に色付きのものなら中身が見えにくいため、周囲への配慮にもなります。
マウスウォッシュやガム、アメ
マウスウォッシュを使用したり、ガムやアメを口に含んだりすることで、唾液の味や匂いを変え、口内をリフレッシュすることができます。また、冷たさが唾液の分泌を抑え、口内をすっきりさせる効果があるため、氷をなめるのも効果的です。これらの方法は一時的な対処法ですが、症状がつらい時の気分転換に役立ちます。個人の好みや体調に合わせて、適切なものを選びましょう。
適度に水分摂取
よだれつわりで唾液が過剰に分泌されると、体内の水分バランスが崩れる可能性があります。そのため、適度な水分摂取が重要です。1日1.5~2リットルの水分を目安に、こまめに水分を補給しましょう。ただし、一度に大量の水を飲むと吐き気を誘発する可能性があるため、少量ずつ頻繁に飲むことをおすすめします。
また、カフェインは利尿作用があり、さらに脱水を促進する可能性があるため、避けた方が良いでしょう。水やお茶、スポーツドリンク等、自分に合った飲み物を選んで水分補給を心がけてください。
鍼灸・ツボ押し
東洋医学的アプローチとして、鍼灸やツボ押しがよだれつわりの症状緩和に効果があるとされています。特に効果的とされるツボは、以下のとおりです。
● 湧泉:足の裏中央部、土踏まずの前方にあるくぼみ。足指を曲げた時に最もへこむ部分で、足裏を縦横に3等分した線の交点付近に位置します。
● 三陰交:うちくるぶしのうえの方、約指4本分のところ。すねのうち側にある太い骨のすぐ後ろ側に位置します。
● 裏内庭:足の裏の中指と薬指の間。足の指の付け根にある皮膚の折り目から、かかと方向に約指3本分上がったところに位置します。
これらのツボを優しく押すことで、唾液の分泌を調整し、つわりの症状を和らげる可能性があります。ツボ押しの際は、リラックスした状態で行い、強く押しすぎないよう注意しましょう。自分で行う場合は、1か所につき3~7秒程度、1日4回程度を目安に行いましょう。ただし、妊娠中の鍼灸やツボ押しは、事前に医師に相談することをおすすめします。
その他のつわりの症状への対策
つわりの症状は人それぞれ異なり、よだれつわり以外にもさまざまな形で現れます。よだれつわり以外の症状と対策は、以下のとおりです。
● 吐きつわり中は無理に食事をしない
● 食べつわりは食事方法を工夫
● 匂いつわりは消臭・換気
● 眠りつわりは仮眠と睡眠の質向上
つわりの症状は個人差が大きく、その対処法も症状に応じて異なります。それぞれの症状に適した対応を知ることで、つわりのつらい時期を少しでも快適に過ごすことができるでしょう。
▼つわりの症状別の対策は、こちらの記事でも紹介しています。
つわりの症状はいつからいつまで続く?症状別に有効な対処法を解説
吐きつわり中は無理に食事をしない
吐きつわりがひどい時は、無理に食事をする必要はありません。体が受付けない状態で食べても、すぐに吐き出してしまう可能性が高くなります。代わりに、水分をこまめに摂取し、脱水を防ぐことが大切です。食べられる時に少量ずつ、消化の良いものを摂取しましょう。
症状が長引く場合や脱水が心配な時は、病院で点滴を受けるのも1つの選択肢です。医師に相談し、適切な栄養補給方法を見つけることが重要です。吐きつわりはつらい症状ですが、多くの場合一時的なものなので、焦らず医師や看護師等の専門家に相談し、対処しましょう。
食べつわりは食事方法を工夫
食べつわりは、いつも以上に食欲が増す症状です。この場合、よだれつわりと同様に食事回数を増やす方法が効果的です。ただし、1日のトータルカロリー摂取量には注意しましょう。また、一口の量を減らし、よく噛んで食べることで満腹感を得やすくなります。
食事の内容も重要で、タンパク質や食物繊維を含む栄養バランスの良い食事を心がけましょう。間食には菓子類よりも小魚や小さめのおにぎり等、栄養価の高いものを選ぶと良いでしょう。食べつわりで体重が急激に増加する場合は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群等のリスクがあるため、医師に相談し適切な食事指導を受けることを検討してください。
匂いつわりは消臭・換気
匂いつわりの対策として、まずは換気を行いましょう。室内の空気をこまめに入れ替え、新鮮な空気を取り入れることで、不快な匂いを軽減できます。
消臭剤を使用する場合、強い香りは逆に症状を悪化させる可能性があるため、無香料タイプの使用がおすすめです。食事の匂いが気になる場合は、料理を冷ましてから食べることで匂いを抑えられます。自分に合った方法を見つけ、快適な環境づくりを心がけましょう。
眠りつわりは仮眠と睡眠の質向上
眠りつわりの対策として、短時間の仮眠と睡眠の質の向上が効果的です。日中に10~20分程度の仮眠をとることで、疲労回復につながります。ただし、長時間の昼寝は夜の睡眠リズムを崩す可能性があるので注意しましょう。
また、夜の睡眠の質を高めるには、ブルーライトが睡眠を妨げる可能性があるため、就寝前のテレビやスマートフォンの使用を控えるのが効果的です。ほかにも、ぬるめのお風呂に入ってリラックスすることで、体が温まり、睡眠ホルモンの分泌が促進されます。快適な寝具や室温調整等、睡眠環境を整えることも重要です。
よだれつわり対策で穏やかな妊娠初期を目指そう
よだれつわりを含むさまざまなつわりの症状は、妊娠初期に多くの女性が経験する一時的な変化です。しかし不快な症状は、日常的に行う食事や水分摂取の方法で和らげることが可能です。このような対策を実践し、自分に合った方法を見つけ、無理せず対応することが重要です。
症状が辛い時や不安な点がある場合は、躊躇せず医療機関に相談しましょう。つわりの時期をうまく乗り越えることで、より快適な妊娠生活につながります。体調の変化に注意を払いながら、赤ちゃんとの出会いに向けて心と体を整えていきましょう。
▼つわりに関する詳細は、こちらの記事でも紹介しています。
つわりはいつから始まっていつまで続く?症状を軽減させる対策について解説