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カラダとココロ

更年期にめまいが起こる原因は?症状の特徴や対処法について解説

公開日:2024.10.01
更新日:2024.10.01
更年期にめまいが起こる原因は?症状の特徴や対処法について解説
更年期に入ったと思われる女性の方で、「めまい」の症状に悩んではいませんか?更年期の体の不調で、初めてめまいを自覚するようになる方も少なくありません。 実は更年期に入りめまいが起きる理由はさまざまで、更年期の不調が原因とは限りません。めまいに対処していくには年齢ならではのものと考えて放置せず、自身のめまいの原因が何か調べていくことが大切です。 今回は更年期に入った女性で「めまい」に悩む方に向け、一般的に考えられるめまいの原因をご紹介します。また、めまいの症状の種類や対処法まで解説するので、めまいの特性を理解していきましょう。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 更年期に発生するめまいの原因

2 更年期に感じるめまいの症状

3 更年期のめまいへの対処法

4 更年期のめまいを治療する方法

5 更年期のめまいに関するQ&A

6 めまいが強い場合は病院を受診しよう

更年期に発生するめまいの原因

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実は女性が更年期に入り発生するめまいは、耳の疾患、高血圧等の可能性もあります。まずは、一般的な更年期にみられるめまいの原因を詳しく知っていきましょう。

女性ホルモンの分泌低下によるもの

更年期に入っていると診断されている場合、女性ホルモンの分泌低下が原因であることが考えられます。

更年期は閉経にむけて女性ホルモンの分泌が低下し、その影響で三半規管や自律神経に不調を起こすため、症状として「めまい」を自覚する女性は少なくありません。

耳の疾患によるもの

頻繫にめまいがある場合は、耳の疾患が原因かもしれません。

耳の疾患は年齢問わず発症するものもありますが、年齢を重ねて体が変化していくことで発症しやすくなるものもあります。

疑われる耳の疾患としては、次のものが挙げられます。

病名

特徴

良性発作性頭位めまい症

内耳に起きる障害で、頭を動かすとめまい・ふらつきが起きる。頭を下げる・頭を起こす・左右に振る等でも自覚しやすい。

メニエール病

内耳にリンパ液が溜まる病気で、めまい・吐き気・耳鳴り等の発作を繰り返す。

突発性難聴

ストレスや過労等さまざまな理由で発症する疾患。音が聞こえづらくなる、または全く聞こえなくなることに加え、めまいが起きることがある。40代以降に発症しやすい。

高血圧によるもの

高血圧によってめまいが起こっていることもありえます。

実は更年期はホルモン(エストロゲン)の減少で、いままで血圧が高くなかった人も高血圧になりやすくなります。ホルモン減少によって動脈硬化が進み、血圧をコントロールしにくくなるのです。

極端な高血圧になると、脳や耳に影響を与えるため、めまいや頭痛といった症状が現われることがあります。高血圧の場合は放置すると、脳疾患や心疾患のリスクも出てくるため注意が必要です。

頭痛の悪化によるもの

以前から片頭痛や緊張型頭痛を持っている方の場合は、頭痛の悪化によってめまいを起こしている可能性もあります。

更年期では、今まで抱えていた片頭痛や緊張型頭痛が悪化するケースが少なくありません。強い頭痛はめまいや吐き気も起こしてしまうことがあります。

それぞれの頭痛の特性については次のとおりです。日常で頭痛が起きることが多いという方は、症状を確認してみてください。

片頭痛

緊張型頭痛

特徴

● 温めると痛くなる

● 光・音・カフェイン・アルコールで悪化する

● 月経の影響で痛みが悪化しやすい

● 起きる前に視界がチカチカすることがある

● 温めると痛みが和らぐ

● ストレッチ等リラックスすると痛みが和らぎやすい

● ストレスを感じると悪化しやすい

● 圧迫される痛みがある

● 痛みが30分~数日続く

更年期に感じるめまいの症状

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更年期に感じるめまいは、「前庭性めまい」と「非前庭性めまい」の2種類があります。

前庭性めまいは、平衡感覚を伝える脳の領域の障害で起きるものです。一方、非前庭性めまいは、眼科的・内科的・婦人科的(更年期含む)・自律神経等の不調によって起きます。

また、これらのうち、めまいの症状にも種類があります。詳しくみていきましょう。

浮動性めまい・動揺性めまい

浮動性めまいや動揺性めまいは、体が浮くようなようなめまいが特徴です。

体がふわふわする、体が揺れる、クラクラすると表現されることもあります。立った時は体のふらつきや、立ちくらみを自覚することも多いです。

また、同時に耳鳴りや吐き気等もみられることもあります。症状の程度によっては日常生活が難しいケースも珍しくありません。

浮動性・動揺性めまいの場合は平衡感覚を失うタイプなため、内耳系や自律神経等の障害がある可能性が高いとされます。

回転性めまい

回転性めまいは、天井や壁が回っているかのようなめまいのことです。

浮動性と似ていますが、ぐるぐると回るような症状があると回転性と診断できます。周りだけではなく、自分自身も回っているようなめまいを自覚することもあります。

回転性めまいの場合も、内耳系や自律神経等に問題がある可能性があります。

失神型めまい

失神型めまいは、クラっと気が遠くなるようなタイプのめまいです。目を開けていても目の前が暗転する、一瞬意識が薄れる症状があります。

視界や意識が一時的に薄れるため、外出中に症状が出ると危険です。なお、失神型めまいの場合は脳貧血によって起きるため、脳や循環器に問題がある可能性があります。

更年期のめまいへの対処法

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更年期のめまいは、とにかく体をいたわることが大切です。また、日常生活でめまい予防も行っておくと過ごしやすくなるでしょう。

気になるめまいの対処法を詳しく見ていきましょう。

安静な状態を保つ

まず、めまいが起きた瞬間は、無理に動かず安静にしましょう。

前後不覚になる状態で歩き回ると、転んでケガをする危険もあります。また、無理をすることでめまいで酔って、吐き気等も起こしてしまいかねません。

めまいを自覚した時は椅子に座るか横になり、深呼吸をしながら症状が治まるまで待ちましょう。

適度に体を動かす

めまいの症状がないときは、適度に体も動かしておくことも大切です。

めまいの一部は体内器官のバランスの乱れが関係しています。運動で体内バランスを整えることで、めまいを予防できることがあります。

なお、適度に体を動かせるものとしては、ヨガ、ピラティス、水泳等がおすすめです。

めまいに効くツボを押す

めまいの予防や症状が出たときの対処法として、ツボ押しを覚えておくこともおすすめです。東洋医学におけるツボ押しは、体の不調を緩和する方法として扱われています。

なかにはめまいに効くとされるツボ押しもあるので試してみてください。めまいに関連するおすすめのツボは次のとおりです。

ツボの名前

場所

効果

翳風

耳たぶの裏側のあごの付け根

めまい・耳鳴り・肩こり等

聴宮

耳の付け根・口を開けたときにできるくぼみ

頭痛・耳鳴り・疲労回復等

風池

耳の後ろと後頭部の中間

めまい・頭痛・肩こり等

外関

手首の外側・手首の中央から肘に向けて指3本上

頭痛・自律神経を整える等

太衝

足の親指と人差し指が重なる部分の前にあるくぼみ

めまい・頭痛・緊張を解く等

中衝

中指の爪の生え際の親指側

めまい・眠気・血行促進等

我慢せず医師へ相談する

もし立ち上がれないレベルのめまいの症状が頻繫にある場合は、我慢せずに医師への相談を行ってください。加齢や疲れの影響だと思っていても、もしかしたら治療が必要な病気であるかもしれません。

特に更年期以前からめまいが続いている方、逆に急にめまいの症状が激しく始まった方は受診をおすすめします。

また、もしめまいとともに次のような症状がある場合は、緊急性がある脳疾患の可能性があります。今すぐに病院を受診してください。

● 手足の痺れ
● 顔の痺れ・歪み
● 呂律が回らない
● 話がうまくできない

更年期のめまいを治療する方法

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更年期におけるめまいの治療では、主に3種類のいずれかまたは複数の治療を同時に行います。ここでは、一般的な治療ケースとして各治療方法をご紹介します。

ホルモン補充療法

ホルモン補充療法は、女性ホルモンを補充することで更年期の症状を改善・緩和する治療方法です。ホルモンを投与することで減少するホルモンの影響を受けにくくなります。

具体的には、めまいを含めた自律神経系の不調の改善、ホルモン減少によって弱くなりやすい骨や血管の状態の改善に効果的です。

特に自律神経系の不調に悩んでいる人は、効果を実感しやすい傾向があります。

漢方薬の服用

漢方薬治療では、更年期症状にあわせた漢方の服用で症状を緩和します。

根本原因を治療するというより、漢方で体質改善を行って不調を起こしにくい体を目指すイメージです。

治療を行うほどではない方の症状緩和に使われることも多いですが、ホルモン補充療法を行っている方が併用することもあります。

ここではめまい対策に使われることの多い漢方を一部ご紹介します。

漢方の種類

効能

沢瀉湯

めまい・頭痛・耳鳴り等

苓桂朮甘湯

めまい・立ちくらみ・頭痛・耳鳴り・動悸(どうき)等

五積散

めまい・頭痛・吐き気・むくみ・下痢等

真武湯

めまい・動悸(どうき)・むくみ・胃腸炎・皮膚の炎症等

治療薬の服用

西洋医学の治療薬を服用する治療方法もあります。投薬治療では、主に次のいずれかの治療薬を用います。

● めまい改善薬
● 神経障害改善薬
● ピント調節機能改善薬

更年期のめまいに関するQ&A

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更年期は体の変化を感じることが多くなるので不安を感じるかもしれません。

そこで、ここからは更年期に不安を抱えている方に向け、更年期のめまいに関する疑問にお答えします。

更年期のめまいはいつまで続く?

更年期のめまいが終わる時期は断言することができません。

ただ、ホルモンの減少に体が慣れると、更年期の症状が落ち着いてきやすいといわれています。
中見出し:更年期にめまいを感じる人の割合は?
厚生労働省の「更年期症状・障害に関する意識調査」によれば、更年期にめまいを感じる人は40代が約46%、50代が約43%という結果になっています。

更年期にあたる年代のほぼ半分の方が、めまいの症状を自覚していると言えるでしょう。
※参考:厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査」

めまい以外の更年期症状は?

めまい以外の更年期症状では、次のような症状がみられます。

● 顔がほてる(ホットフラッシュ)
● 発汗が増える
● 動悸(どうき)・息切れ
● 頭痛
● 吐き気
● 手足や腰の冷え
● 眠りが浅い
● イライラ感・憂うつ感
● 疲れやすい等

めまいが強い場合は病院を受診しよう

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更年期に入ったことで起こるめまいは、女性ホルモンの分泌低下だけではなく、二次的に発症した疾患が関係している可能性があります。

特に耳の疾患や高血圧は、体の変化を迎える更年期に発症しやすいです。頭痛持ちの人が更年期を機に症状が悪化することもあります。

ただ、いずれにせよ、めまいが気になってきた場合は一度病院で検査することが大切です。何が原因で発症しているかによって、めまいの対処法や治療方法も異なってきます。

もしセルフケアができる「めまい」の場合は、ご紹介しためまいへの対処法を参考に、付き合い方を模索してみてください。

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