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カラダとココロ

更年期に太るのはなぜ?体重増加が止まらない原因と痩せる方法を解説

公開日:2024.10.01
更新日:2024.10.01
更年期に太るのはなぜ?体重増加が止まらない原因と痩せる方法を解説
「更年期に太るのはなぜなのか」「太るのはどのようなことが原因なのか」と悩んでいる女性は多いでしょう。更年期は女性の体に大きな変化が訪れる時期です。多くの女性が体重増加に悩まされますが、その原因は複雑で多岐にわたります。一方で、ストレスや栄養不足により痩せてしまうケースもあるのです。この記事では、更年期の体型変化の原因と効果的な対策を詳しく解説します。

PROFILE

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専門家/エキスパート 阿部 一也
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業/現在は板橋中央総合病院勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 更年期太りの原因

2 更年期太りを予防する食事のポイント

3 更年期太りを解消する方法

4 更年期太りにおすすめの漢方薬

5 更年期に痩せる人の特徴は

6 更年期に太る原因理解して自身に合った方法を実践してみよう

更年期太りの原因

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更年期になると体重が増加しやすくなります。主な原因は、以下のとおりです。

● 加齢による筋力量低下
● 女性ホルモンの分泌低下
● 自律神経の乱れによるイライラ

更年期は、このような要因が複合的に作用し、体重管理が難しくなることがあります。
それぞれの原因を詳しくみていきましょう。

加齢による筋力量低下

更年期の世代になると基礎代謝が低下し、体脂肪がつきやすくなるため、10代、20代と比べて筋肉量が減少します。基礎代謝とは、最低限体が必要とするエネルギー量のことです。年齢とともに基礎代謝は低下し、同じ食事量でも太りやすくなります。厚生労働省のデータでは、30歳〜49歳の女性の平均基礎代謝量は1日約1150kcalですが、50歳〜69歳になると1日約1100kcalまで低下します。このデータから、年齢とともに基礎代謝量が減少していく傾向が明らかです。
参考:厚生労働省「e-ヘルスネット 加齢とエネルギー代謝」

女性ホルモンの分泌低下

閉経前後になると、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が急激に減少します。エストロゲンは脂質代謝を調整する機能を持つため、分泌が減少することにより血中のLDLコレステロールと中性脂肪が増加しやすくなります。若い頃と同じ生活習慣でも体重が増加しやすくなるのはこのためです。また、エストロゲンの減少は更年期特有の症状を引き起こし、ストレスによる過食も体重増加の一因となります。

自律神経の乱れによるイライラ

更年期には自律神経系の乱れが生じやすく、これも体重増加の一因となります。自律神経は交感神経と副交感神経に分かれ、生命維持に必要な機能を24時間調整しています。

● 交感神経:活動時に優位となり、心拍数増加や血圧上昇等を引き起こす
● 副交感神経:休息時に優位となり、心拍数低下や血圧降下等を促進する

更年期のホルモンバランスの変化は自律神経のバランスを崩し、ストレスや情緒不安定を引き起こします。これにより、甘い食べ物への欲求や食欲の変動、過食等につながる可能性があるのです。自律神経の乱れとホルモンバランスの崩れは相互に影響し、代謝異常と体重増加の悪循環を引き起こします。更年期のメンタルバランスを保つことが、体重管理の重要なポイントとなります。

更年期太りを予防する食事のポイント

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更年期太りを予防するためには、以下のポイントを押さえて食事を取るのがおすすめです。

● 大豆イソフラボンを摂取する
● タンパク質を摂取する
● 間食は我慢しない
● 起床後に白湯を飲む
● 食べる順番を変える

これらのポイントを意識した食生活を心がけることで、更年期太りの予防に役立ちます。

大豆イソフラボンを摂取する

大豆製品は更年期太り予防に効果的です。特に以下の食品には、大豆イソフラボンが豊富に含まれています。

● 納豆
● 豆腐
● 豆乳
● 味噌 等

このような食品を積極的に取り入れることで、大豆イソフラボンだけでなく、良質なタンパク質、ミネラル、ビタミン、食物繊維等、多様な栄養素を効率的に摂取できます。大豆は栄養価が高く、バランスの取れた食生活に役立つでしょう。毎日の食事に大豆製品を取り入れることで、更年期の体調管理をサポートすることが可能です。

タンパク質を摂取する

タンパク質は筋肉の構築やホルモン生成等、体内の重要な機能を担っています。タンパク質を取る際は、以下の動物性と植物性のタンパク質をバランスよく摂取しましょう。

動物性タンパク質:肉、魚、卵、乳・乳製品
植物性タンパク質:豆類、穀類、アスパラガスやブロッコリー等の野菜類 等

ただし、過剰摂取には注意が必要です。厚生労働省のデータによると、女性のタンパク質の1日の摂取量目安は、以下のとおりです。

30〜49歳:1日67〜103g
50〜64歳:1日68〜98g
65〜74歳:1日69〜93g

タンパク質は、年齢や個人の状況に応じて適切な量を摂取しましょう。
参考:[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」}(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf)

間食は我慢しない

適切な間食は、減量中でも更年期太りを予防する助けとなります。間食を上手に取り入れることで、ストレスを軽減し、ダイエットの継続をサポートできるでしょう。
体重管理中の間食は、200kcal未満、炭水化物10g未満を目安に摂取することが大切です。過剰摂取した場合は、他の食事で調整しましょう。また、良質なタンパク質、食物繊維、ビタミンを含む間食は栄養バランスの改善に役立ちます。例えば間食には以下のようなものがおすすめです。

● 季節の果物
● 小豆製品
● 大豆加工品
● ナッツ類
● ヨーグルト
● ハーブティー 等

このように栄養価が高い間食は、更年期の健康維持にも役立つといえるでしょう。

起床後に白湯を飲む

朝一番の白湯は体の活性化に効果的です。沸騰させた水を50度程度まで冷ました白湯を飲むことで、消化器系を穏やかに刺激し、血液循環を改善します。ただし、寝ている間に口腔細菌は増殖しているので、起床後はまず口腔ケアを済ませてから、白湯を一杯飲むようにしましょう。そうすることで歯周病を予防できます。歯周病の予防は、心筋梗塞や糖尿病等のさまざまな病気のリスクを軽減することにつながるのです。起床後に白湯を飲む習慣は代謝を上げ、一日のスタートを健康的にする助けとなります。簡単に始められ、長期的な健康維持に貢献する効果的な方法です。

食べる順番を変える

更年期の体重管理には食事摂取の順番が重要です。更年期は女性ホルモンの低下によりインスリン感受性が減少するため、血糖値の急激な上昇を抑える必要があります。推奨される食事の順番は以下のとおりです。

1.食物繊維:穀類、野菜、果実、いも類、豆類、きのこ類、海藻類等
1.タンパク質:肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品等
1.炭水化物:米やパン、麺等の主食類
1.糖質:砂糖類、菓子(スイーツ)類等

この順番で食べることで、血糖値の上昇を緩やかにできます。また規則正しい食事パターンを維持し、食事を抜かないことや、ゆっくりとよく噛んで食べることも血糖値の急上昇を防ぐ効果があります。

更年期太りを解消する方法

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更年期太りの解消には、以下のような方法があります。

● 脂肪燃焼効果のある運動をする
● 筋肉を鍛える
● ヨガで筋肉を柔らかくする

運動を日常生活に取り入れることで、更年期特有の体の変化に対応できます。無理のない範囲で健康的な体づくりを目指しましょう。

脂肪燃焼効果のある運動をする

更年期になると筋肉量が減少しがちですが、適切な運動を行うことで補えます。特に脂肪燃焼効果のある運動が重要で、これにより代謝が促進され、ストレス軽減や気分改善にもつながります。運動に慣れていない方は、次のような簡単な有酸素運動から始めるのがおすすめです。

● ウォーキング
● 軽いジョギング
● 水中運動
● サイクリング
● 体操
階段昇降

このような運動は脂肪燃焼を促し、全身の健康維持に役立ちます。また、日常生活で多く体を動かすことも筋肉量の維持に効果があります。筋肉は基礎代謝の約20%を担っているため、適度な運動で筋力を保つことが大切です。無理せず続けられる範囲で運動を行うことにより、更年期太りの解消に近づけます。

筋肉を鍛える

筋力トレーニングは基礎代謝の向上に役立ちます。筋力トレーニングは筋肉に適度な負荷を与えることで効果を発揮します。筋肉を鍛える際は、一部分のトレーニングだけでなく、全身の筋力向上に取り組むのがおすすめです。これにより、代謝機能の強化だけでなく、骨や関節の強化も期待できます。

更年期世代に適した具体的な筋力トレーニングの例は、以下のとおりです。

スクワット:下半身全体の筋力を向上
ランジ:脚と臀部の筋力を強化
腕立て伏せ:上半身の筋力を強化
プランク:体幹(コア)の筋力を向上

このような自重エクササイズは、複数の主要筋群を同時に鍛えられる複合エクササイズです。また、以下の道具を使用するのもおすすめです。

ダンベル:さまざまな部位の筋トレに活用可能
チューブ:関節への負担が少なく、抵抗を調整しやすい

ただし、過度な筋力トレーニングはケガや継続困難になるリスクがあるため、自身の体力に合わせた適切な強度で行うことが大切です。徐々に負荷を増やしていくことで、安全かつ効果的に筋力アップを図れます。

筋力トレーニングは基礎代謝の向上に役立ちます。筋力トレーニングは筋肉に適度な負荷を与えることで効果を発揮します。筋肉を鍛える際は、一部分のトレーニングだけでなく、全身の筋力向上に取り組むのがおすすめです。これにより、代謝機能の強化だけでなく、骨や関節の強化も期待できます。

更年期世代に適した具体的な筋力トレーニングの例は、以下のとおりです。

● スクワット:下半身全体の筋力を向上
● ランジ:脚と臀部の筋力を強化
● 腕立て伏せ:上半身の筋力を強化
● プランク:体幹(コア)の筋力を向上

このような自重エクササイズは、複数の主要筋群を同時に鍛えられる複合エクササイズです。また、以下の道具を使用するのもおすすめです。

● ダンベル:さまざまな部位の筋トレに活用可能
● チューブ:関節への負担が少なく、抵抗を調整しやすい

ただし、過度な筋力トレーニングはケガや継続困難になるリスクがあるため、自身の体力に合わせた適切な強度で行うことが大切です。徐々に負荷を増やしていくことで、安全かつ効果的に筋力アップを図れます。

ヨガで筋肉を柔らかくする

ヨガで筋肉を柔らかくすることでホルモンバランスの改善が期待できます。特に腰部の柔軟性向上は女性ホルモン分泌を促進します。姿勢の悪さは腰部の緊張を引き起こすため、正しい姿勢を意識しましょう。
以下の簡単なヨガの自己ケアを日常的に行うことで腰部の柔軟性が高まり、ホルモンバランスの改善に役立つため、参考にしてください。

STEP1: 正座のポーズをとる

骨盤を適切に保持し、背筋を伸ばす
手のひらを上向きに太もも部分に置く
リラックスした状態で深呼吸を5回繰り返す

STEP2: 四つんばいのポーズに移行

背筋を伸ばしたまま四つんばいになる
骨盤を固定しながら脊柱を伸ばす
この姿勢で深呼吸を5回行う

STEP3: 背中を伸ばす

手の位置はそのままで、背中を後方に引き伸ばす
この状態で深呼吸を5回行う

STEP4: 正座に戻る

ゆっくりと正座の姿勢に戻す
深呼吸を3回行い、体をリラックスさせる

このような動作を毎日継続することで、柔軟性が向上し、ホルモンバランスの改善が期待できます。
    
※参考:https://www.kyoritsu-biyo.com/column/slim/menopausal_weight_gain/#3

更年期太りにおすすめの漢方薬

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更年期太りの改善には、症状に合わせた漢方薬が効果的です。目的別のおすすめの漢方薬は、以下のとおりです。

● 脂肪を燃やしたいなら防風通聖散
● 水太りには防已黄耆湯
● ストレスによる過食を防ぎたいなら大柴胡湯

それぞれ脂肪燃焼、水分代謝、ストレス緩和等に特化した効果があり、更年期特有の体型変化の改善が期待できます。

脂肪を燃やしたいなら防風通聖散

防風通聖散は、更年期太りに効果的な漢方薬です。この漢方薬は便秘と肥満を同時に改善する働きがあり、特に腹部脂肪の減少に効果を示します。体温を上げて代謝を促進し、脂肪を燃焼しやすくするとともに、腸の動きを活発にして排便を促します。また、体内の過剰な熱を発散させることで、肌トラブルの改善にも役立ちます。
防風通聖散は肥満症以外にも、高血圧に伴う動悸(どうき)や肩こり、のぼせ、むくみ、副鼻腔炎、皮膚炎、にきび等の症状にも効果があります。便秘がちな方に適しており、おなか周りが気になり始めた時期からの使用がおすすめです。

水太りには防已黄耆湯

防已黄耆湯は、更年期の水太りに効果的な漢方薬です。特に閉経前後に起こりやすい、体に水分がたまるタイプの体重増加に適しています。
この漢方薬の主な効果は、以下のとおりです。

● 体内の水分バランスを整える
● 余分な水分を体外に排出する
● 全身のだるさを軽減する
● 汗のかき過ぎを抑える

これらの効果により、むくみや水分貯留による体重増加を改善し、体調を整えることができます。

ストレスによる過食を防ぎたいなら大柴胡湯

大柴胡湯は、ストレスが原因で太ってしまう人に適した漢方薬です。主な効果は以下のとおりです。

● 脂肪を燃焼しやすくする
● 腸の働きを良くする
● ストレスによる自律神経の乱れを整える
● 過食や不規則な食事による肥満を改善する

この漢方薬は、ストレスで食べ過ぎてしまう傾向がある人や、精神的な理由で食生活が乱れている人におすすめです。体重を減らすだけでなく、心の安定にも役立つ可能性があります。

更年期に痩せる人の特徴は

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更年期には太りやすくなる傾向がありますが、逆に痩せてしまう場合もあります。更年期に痩せる人の特徴は、以下のとおりです。

● 栄養の摂取量が少ない
● ストレスが多い
● 消化器官の調子が悪い
● 他の病気にかかっている

このような特徴を理解しておくことで、適切な対応ができるでしょう。

栄養の摂取量が少ない

更年期の体重変化は人それぞれです。多くの女性が太る傾向にある一方で、以下のような症状が原因で、必要な栄養が取れなくなることにより、痩せてしまう方もいます。

● 食欲不振
● 吐き気
● 胃腸の不調 等

このような症状は、意図せず体重が減少する原因となります。更年期の急激な体重減少は健康上の問題につながる可能性があります。

ストレスが多い

更年期は子どもの独立や親の介護、体の変化等、生活環境が大きく変わる時期です。このような変化に加え、ホルモンバランスの乱れも重なり、強いストレスを感じやすくなります。このストレスが以下のような不調を引き起こし、結果として体重減少につながることがあります。

● 自律神経の乱れによる胃腸の不調
● 食欲低下
● 女性ホルモンの減少による胃粘膜の弱化
● 更年期特有の症状によるやる気の低下 等

強いストレスが続くと、食べる量が減ったり、体を動かす機会が少なくなったりして、さらに体重が減る可能性があります。

消化器官の調子が悪い

更年期の女性ホルモンの変動は消化系統に大きな影響を及ぼします。特に女性ホルモンの一種であるエストロゲンは粘膜組織の形成と維持に重要な役割を果たすため、その減少は胃粘膜の脆弱化につながる可能性があります。これにより、胃腸の不快感、消化不良、食欲の変化等の症状が現れることがあります。症状の程度は個人差が大きく、栄養吸収にも影響を与える可能性があります。

他の病気にかかっている

予期せぬ体重減少は、更年期症状だけでなく、他の潜在的な病気が隠れている可能性があり、健康上の警告サインかもしれません。半年間で5%を超える体重減少は医療機関への受診が推奨されます。具体的な症状は、以下のとおりです。

● 急激に体重が減少した
● 食事量や運動量に変化がないのに痩せる
● 全身倦怠(けんたい)感や体調不良が持続する

このような場合は医療機関の受診を検討しましょう。専門医による診断は潜在的な健康問題の早期発見に重要です。詳細な検査により、適切な治療や対策を立てることができます。早期の受診が重症化予防につながるため、自己判断せず、専門家に意見を求めましょう。

更年期に太る原因理解して自身に合った方法を実践してみよう

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更年期は加齢による筋力低下、女性ホルモンの分泌減少、自律神経の乱れにより体重が増加しやすくなります。このような変化に対応するため、食事面での対策が重要です。大豆イソフラボンやタンパク質の摂取、食べる順番の工夫等を心がけましょう。

また運動も効果的です。ウォーキング等の有酸素運動や、スクワット等の筋力トレーニングを取り入れてみてください。症状に応じて漢方薬の利用も検討しましょう。自身に合った方法を少しずつでも実践することで、変化を感じられるはずです。

一方で、ストレスや栄養不足、消化器官の不調により痩せてしまうケースもあります。そのため、体重の急激な変化には注意が必要です。異変を感じた際は無理せず、医療機関へ相談することが大切です。

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