更年期に太りやすくなる理由とは?原因と食事・運動・生活習慣別の対策

PROFILE


1 更年期に太るのはなぜ?
2 【食事編】更年期に太るのを防ぐ対策
3 【運動編】更年期に太るのを防ぐ対策
4 【生活習慣編】更年期に太るのを防ぐ対策
更年期に太るのはなぜ?

更年期に太りやすくなるのはホルモンバランスの変化や代謝の低下、自律神経の乱れ等が影響しています。
ホルモンバランスの変化
更年期が始まる40代半ば頃から、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が急激に減少します。このホルモンには、脂肪の蓄積を抑えたり、食欲をコントロールしたりする働きがあります。そのため、エストロゲンが減少すると、脂肪がつきやすくなり、食欲の調整も難しくなります。
さらに、エストロゲンはインスリンの働きを助ける役割も果たしているため、分泌量が減ると血糖値が不安定になりやすくなります。その結果、糖質を脂肪として蓄えやすい状態になるのです。
こうした変化が重なることで、更年期には体重が増加しやすくなります。
代謝の低下
年齢を重ねると筋肉量が減少しやすく、基礎代謝も低下します。
基礎代謝が下がると、1日に消費されるカロリーが減り、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。
さらに、筋肉量の減少は姿勢の乱れや運動能力の低下を招き、活動量が減ることでエネルギー消費も低下。結果として、太りやすい体になってしまいます。
自律神経の乱れ
エストロゲンの減少により、自律神経の働きが低下しやすくなります。自律神経の乱れは、食欲やエネルギー消費に大きく影響を与え、太りやすい原因になります。
例えば、次のような変化が起こります。
● 食欲のコントロールが難しくなる
● 体脂肪がうまく燃焼されなくなる
● 体温調節がうまくできなくなる
これらの変化が重なることで消費エネルギーが減少し、結果として体重が増えやすい状態になります。
【食事編】更年期に太るのを防ぐ対策

食事にちょっとした工夫を加えるだけで、更年期太りの対策になります。

高たんぱくな食事を意識する
筋肉量を維持するために、たんぱく質をしっかり取ることが大切です。鶏胸肉や魚、大豆製品、卵といった良質なたんぱく質を意識して取り入れましょう。
たんぱく質には筋肉の減少を防ぎ、基礎代謝を維持する効果があります。また、食事による熱産生効果(DIT)が高いため、摂取することで消費カロリーが増えやすいというメリットもあります。
食物繊維をしっかり取る
食物繊維が豊富な野菜や果物、海藻類は、満腹感を得やすく食べすぎを防ぐほか、脂質や糖の吸収を抑え、腸内環境を整えることで代謝を高める効果があります。
食物繊維には二つの種類があり、それぞれ異なる働きをします。
● 食物繊維:糖や脂質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ
● 不溶性食物繊維:腸の動きを活発にし、便秘解消をサポートする
どちらも健康維持に欠かせないため、毎日の食事でバランスよく摂取することが大切です。
血糖値の急上昇を防ぐ食べ方をする
血糖値を安定させることで、空腹感をコントロールしやすくなり、脂肪の蓄積を抑える効果が期待できます。
血糖値の急上昇を防ぐために、次のポイントを意識しましょう。
● 野菜から食べる
● よく噛んでゆっくり食べる
● 糖質の摂取量をコントロールする
血糖値の急激な変動を抑え、脂肪の蓄積を防ぎましょう。
【運動編】更年期に太るのを防ぐ対策
更年期太りを防ぐには、適度な運動もおすすめです。
有酸素運動を取り入れる

有酸素運動は、酸素を使って糖質や脂肪を燃焼します。
特に20分程度のウォーキングは、手軽に始められ、毎日の習慣として取り入れやすいためおすすめです。
ストレッチやヨガで体の柔軟性を高める
更年期はホルモンバランスの変化により、筋肉がかたくなりやすいです。ストレッチやヨガを習慣にすると、柔軟性が向上し、代謝アップにつながります。
また、ストレッチやヨガには自律神経を整える効果もあり、心身をリラックスさせながら運動を続けられます。無理のない範囲で日常に取り入れ、体の調子を整えましょう。
無理のない運動習慣を続ける
運動は継続することが大切です。無理なく続けるために、具体的な目標を設定し、体調や体力に合わせて始めることを意識しましょう。
運動を習慣化することで、更年期の体重管理がしやすくなり、健康維持にもつながります。
【生活習慣編】更年期に太るのを防ぐ対策

質の良い睡眠を確保する
睡眠不足になると食欲を調整するホルモンのバランスが乱れ、太りやすくなる原因になります。質の良い睡眠を確保するために、以下のポイントを意識しましょう。
● 寝る前にスマホやタブレットを見ない
● 1日6〜10時間の睡眠をとる
しっかりと休息をとることで、体のリズムを整え、健康的な体型を維持できます。
リラックスする時間をつくる
ストレスがたまるとホルモンバランスが乱れ、代謝が低下しやすくなります。
副交感神経を優位にして、リラックスする時間をつくりましょう。
瞑想や深呼吸をする、ハーブティーを飲む等、リラックスする時間をとって心と体のバランスを整えます。
漢方薬を活用する
体質に合わせて漢方薬を取り入れるのも一つの方法です。
脂肪を燃やしたい:防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
水太りしやすい:防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
ストレスによる過食を防ぎたい:胡湯(だいさいことう)
更年期の体の変化を理解し、自分に合った対策を取り入れるとよいでしょう。