「強くならなきゃ」と思わなくていい──今の私が思う“自分らしさ”【連載Vol.4】
女性が自分自身のからだとこころに目を向け、「今のわたしは、どんな状態だろう?」と考えるきっかけを届ける「I’m OK? PROJECT」。本連載では、 I’m OK? PROJECTアンバサダーである梅宮アンナさんのこれまでの経験や、日々の中で感じてきたことを通して、読者の皆さんも「わたしは、大丈夫?」と一歩立ち止まって、自分自身に問いかけてみませんか?
Vol.4のテーマは「強さ」。これまで「強い人」とのイメージを持たれることが多かったという梅宮さんですが、ご本人は「自分が特別強いとは思っていない」と語ります。強く見られることへの違和感や葛藤、そしてその中で見えてきた自分なりの「強さ」について、これまでの経験を振り返りながら語っていただきました。
PROFILE
1 強そうに見られてきた私と、感じていた違和感
2 夢中になれるものが、私を少しずつ変えてくれた
3 泣いたり、立ち止まったりすることは“弱さ”ではない
強そうに見られてきた私と、感じていた違和感
I'm OK?編集部:周囲から「強い人」というイメージを持たれることもあるかと思いますが、ご自身ではどう感じていらっしゃいますか?
梅宮アンナさん:昔から「強そう」と言われることは多かったですね。顔の印象もあるのかもしれませんし、テレビでもあまり笑わないので、クールに見られることも多かったんだと思います。実際に現場で初めてお会いした方に、「もっと怖い人かと思っていました」と言われたこともありました。
ただ、私自身は、そんなに強い人間だと思ったことはないんです。泣くこともあるし、普通に落ち込むこともあります。だから、そうやって見られることに対して、どこかずっと違和感があったんです。
その違和感がどこから来ているのかと振り返ると、小さい頃からあったように思います。
例えば、小中学生ぐらいの女の子って誰かと一緒に行動したがることが多いですよね。私はそういう時に、必要以上に周りに合わせることはなく、自分の感覚を大事にするタイプでした。自分はそこに自然になじめていないような感覚もあって、「どこか周囲と違うのかもしれない」と感じることもありました。
そうした感覚に加えて、母がアメリカ人で、いわゆるハーフとして育ったこともあり、「周りと違う」と感じる場面も少なくありませんでした。「アンナ」という名前もその一つで、当時は日本人らしい名前に憧れたこともあったんです。
I'm OK?編集部:「強く見られること」や「周りとの違い」に対して、どのように感じていましたか?
梅宮アンナさん:「強そう」という印象や、周りとの違いによって誤解されることもあって、人との関係に悩むこともありました。本当は、周りの友達と同じように関わりたかったし、分かってほしいという気持ちもあったと思います。
でも、その気持ちをうまく言葉にすることができなくて、「自分をちゃんと見てもらえていないのではないか」と感じることもありました。
大人になってからも、その感覚がなくなったわけではありませんでした。モデルとして活動していた時期も、「自分らしさ」と「求められるイメージ」との間にズレを感じることがあって、自信を持てなかったり、疑問を感じたりすることもありました。
ただ、私はその出来事から目を背けないようにしていました。嫌なものは嫌だし、つらいものはつらい。でも、「なぜこう感じるのか」「自分はどうしたいのか」と、自分なりに意味を考えるようにしていたんです。そうやって向き合う姿勢が、結果的に「強い人」と見られていたのかもしれません。
でも、私自身はそれを「強さ」だとは思っていなくて。自分にとっては、それしかできなかったというか、ただそうしてきただけなんです。だからこそ、「強い」と言われることに対して、自分の中ではどこかしっくりきていなかったのかもしれません。
夢中になれるものが、私を少しずつ変えてくれた
I'm OK?編集部:これまで、ご自身の内面に変化を感じたきっかけはありましたか?
梅宮アンナさん:実は、あまり「強くなろう」と思ったことはないんです。強さとか弱さとかよりも、「自分らしくいられること」のほうが大事だと思っていたので。
そのせいか、これまで、自分が苦手だと思うことや嫌だと感じることからは、どこか距離を置いてきた部分があったんです。ただある時、ふと「これはちょっと嫌だな」と思うことにも、あえて向き合ってみようと思ったことがありました。そうして始めたのが運動です。
最初に挑戦したのがホノルルマラソンです。とても大変でしたが、ゴールした瞬間にこれまでに感じたことのない感覚があって、「自分でもここまでやれるんだ」と思えたんです。
それまでの私は、「やりきった」と思える経験があまりなかったので、その時初めて、自分の中に一つ軸のようなものができた感覚がありました。その感覚が忘れられなくて、トレイルランニングを続けるようになりました。
I'm OK?編集部:実際に挑戦してみて、どのような変化がありましたか?
梅宮アンナさん:以前だったらメソメソしていたようなことでも、そこまで落ち込まなくなったんです。
SNSで誹謗中傷されるコメント等を見ても、「こういうことを言ってくる人って、トレイルラン完走できるのかな?」って思えるようになったりして。そう思えるだけで、気持ちが少し楽になるんですよね。
仕事とは関係ないところで、夢中になれるものがあるというのは、自分にとって大きかったのかもしれません。私の場合は運動だったんですけど、そういうものがあることで、結果的に自分との向き合い方が少し変わってきたのかな、と感じます。
泣いたり、立ち止まったりすることは“弱さ”ではない
I'm OK?編集部:いまご自身では、「強さ」についてどのように感じていますか?
梅宮アンナさん:強さって「弱さがないこと」ではないと思っています。むしろ、泣ける人のほうが強いのかもしれないと思うんです。自分の弱さや感情を隠すのではなく、向き合い、受け止めることができる人。それが「強さ」なのかはわかりませんが、そういう在り方に近いのかなと思っています。
私は人に弱さを見せることにあまり抵抗がありません。もともと広く浅い付き合いをするタイプではなくて、ありのままの自分を見せられる人とだけ付き合ってきたので、自然とそうなったのかもしれません。だから、無理に取り繕わなくてもいいのかなと思うんです。自分をそのまま見せられることも、強さなのではないでしょうか。
I'm OK?編集部:内面的な弱さに悩む方に対して、メッセージをお願いします。
梅宮アンナさん:「強くならないと」と気負う必要はないと思います。人は誰でも悩むし、立ち止まることもあります。泣きたい時は泣けばいいし、喜怒哀楽があるほうが人間らしい。私はそういう人が好きなんです。
ただ、立ち止まるというよりは、「何がつらいのか」「何が怖いのか」を、自分なりに考えていく時間は必要なのかなとも思います。その出来事にどんな意味があるのか、一つ一つ向き合っていくことで、自分なりの答えが見えてくるのではないでしょうか。
私の場合、この先起こりそうな出来事については、最悪のケースもイメージするようにしています。もしその最悪のケースにならなければ、「よかった」と思えますし、実際にその状況になったとしても、「想定していたことが起きたんだな」と受け止めることができます。気持ちが極端に落ち込むこともなくなって、冷静に「じゃあ次はどうしよう」と考えられるようになるんです。
悩むことも、泣くことも、立ち止まることも悪いことではないと思います。その中で、一つ一つの出来事と向き合い、自分なりの意味を見つけていく。その積み重ねが、きっと前に進む力になっていくのではないでしょうか。