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妊娠と出産

つわり中の飲み物は何がよい?注意が必要なものやおすすめを紹介

公開日:2024.09.20
更新日:2024.09.20
つわり中の飲み物は何がよい?注意が必要なものやおすすめを紹介
つわり中にはどのような飲み物を選べばよいか知りたい方に向けて、つわり中におすすめの飲み物を5種類、注意が必要な飲み物を3種類紹介します。つわり中で飲み物も飲めない時の対策も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

PROFILE

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専門家/エキスパート 馬場 敦志
筑波大学医学専門学類卒業/現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務/専門は産婦人科
INDEX

1 つわり中でも水分補給が必要な理由

2 つわり中に注意が必要な3種類の飲み物

3 つわり中におすすめの飲み物5選

4 つわり中で飲み物も飲めない時の対策

5 つわりの時期には飲み物選びも重要

つわり中でも水分補給が必要な理由

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妊娠初期には、つわりの諸症状に悩む方も少なくありません。症状がつらい時には、飲み物すら口にできない方もいるのが現状です。しかし、母体や胎児への影響を考えると、つわり中でも水分補給が欠かせません。

胎児への栄養供給

つわり中でも水分補給が必要な理由の一つは、胎児に適切な栄養を供給するためです。胎児への栄養は、血液によって運ばれます。妊娠すると、胎児に栄養を供給するために血液量が増加します。

その血液量は、通常の1.5倍程度です。血液には胎児に栄養の他、酸素を届ける役割もあります。つわりの症状が強く、十分に水分を補給できない場合、血液がドロドロになって血の巡りが悪くなります。

水分不足は胎児だけでなく、母体に悪影響を及ぼすリスクもあるので注意が必要です。十分に水分を補給できない状況が続けば、母体が閉塞性動脈硬化症を引き起こす可能性もあります。

羊水の状態維持

妊娠中のつわりの時期は、羊水の状態を維持するためにも水分補給が必要です。羊水には母体内の胎児を守り、成長を促す役割があるため、羊水の状態は胎児の発育に影響します。

羊水の質と量が十分な場合、外部からの衝撃を和らげ、胎児が自由に動き回れる運動空間をつくることが可能です。また、胎児は羊水を飲み込んだり排出したりしながら母体内で成長します。

胎児の成長を促すには、羊水の適切な状態を維持することが大切です。しかし、母体が水分不足に陥ると、羊水の質や量が低下します。水分不足が引き金となり、羊水過少症の原因となることもあるため注意が必要です。

便秘の対策

女性は、妊娠すると便秘になりがちです。その原因は、妊娠中に増えるホルモンの影響や子宮が大きくなること等が深く関係しています。特に、妊娠中にはプロゲステロンの分泌量の増加により、腸の動きが弱まり、便の押し出しが難しくなりがちです。

また、胎児の成長に伴って子宮が大きくなることにより、腸が圧迫され、便がとおりにくくなることがあります。便秘は腹痛や嘔吐の原因にもなるため、つわり中でも何らかの対策が必要です。

しかし、母体が十分な水分を摂取していない場合、便が硬くなり、便秘を引き起こしやすくなります。便秘自体は胎児の成長に直接影響を与えるわけではありませんが、痔のリスクが高まるため注意が必要です。

つわり中に注意が必要な3種類の飲み物

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妊娠中に飲み物を選ぶ際には、特に注意が必要なものもあります。普段は何気なく口にする飲み物でも、妊娠中は母体や胎児に負担をかける可能性があるため注意が必要です。ここからは、妊娠中に注意が必要な飲み物とその理由を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

アルコールが含まれる飲み物

ビールをはじめとするアルコール飲料は、妊娠中に注意したい飲み物の一つです。胎児には、胎盤を通じて母体が摂取した成分が供給されます。そのため、妊娠中にアルコールが含まれる飲み物を摂取すると、胎盤を通じて胎児にも吸収されます。

成人の場合、摂取したアルコールは肝臓内で分解され、汗や尿、呼気を通して外部に排出される仕組みです。一方で胎児はアルコールを分解できず、脳や体の発達に影響が出る可能性があります。

また、甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれており、栄養価が高い飲み物です。しかし、妊娠中は、アルコールが含まれている甘酒は避けるようにしましょう。また、ノンアルコール飲料の中にも、微量のアルコールが含まれているケースもあるため注意が必要です。

カフェインが含まれる飲み物

妊娠中に注意が必要な飲み物の一つは、カフェインが含まれるものです。カフェインが含まれる飲み物の例は、次のものが挙げられます。

● コーヒー
● 紅茶
● 緑茶
● エナジードリンク 等

妊娠の有無にかかわらず、カフェインの取りすぎは中枢神経に作用し、不眠や高血圧を引き起こす可能性があります。カフェインを摂取することにより、消化器官に刺激を与えると、つわりが悪化することもあるため注意が必要です。

また、カフェインは胎児の発育に悪影響を及ぼすことがあります。妊娠中にカフェインを摂取すると、低出生体重や流産のリスクが高まるため、つわりの時期にかかわらず、妊娠中はカフェインが含まれる飲み物を摂取する際には摂取量に注意しましょう。

糖分が多く含まれる飲み物

飲み物の中には、糖分が多く含まれるものもあります。妊娠中には、無性に甘い飲み物を口にしたくなることもあるかもしれません。しかし、妊娠中は、糖分が多く含まれる飲み物には注意が必要です。


果糖ブドウ糖液糖をはじめとする人工甘味料が含まれる飲み物は、体内で吸収されやすく、血糖値を上げる原因になります。甘い飲み物を摂取し続けると、妊娠糖尿病や肥満につながる可能性もあるため注意が必要です。


野菜のみを使用した野菜ジュースやビネガードリンク等は、比較的糖分が少ない飲み物です。妊娠糖尿病や肥満のリスクを軽減するためにも、妊娠中は糖分が多く含まれる飲み物は避けるようにしましょう。

つわり中におすすめの飲み物5選

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つわりの時期は、食べ物や飲み物を受付けにくくなります。そのため、体に負担をかけない飲み物選びを心がけることが大切です。適切な飲み物を選ぶことで、つわりの時期も十分に水分補給ができるようになります。

口内をさっぱりさせる炭酸水

妊娠中のつわりの時期には、炭酸水がおすすめです。つわりの時期に炭酸水がおすすめな理由は、いくつかあります。その一つは炭酸水に味がなく、口当たりがさっぱりしているためです。

つわりの時期には、食べ物や飲み物のにおいで気分が悪くなることがあります。しかし、炭酸水は無味無臭なので、つわりの症状が強い時でも口にしやすいでしょう。また、炭酸水には爽快感があるため、気分もリフレッシュできます。

ただし、妊娠中に炭酸水を摂取する際には、糖分が控えめなものを選ぶことが大切です。妊娠糖尿病や肥満のリスクを避けるためにも、妊娠中は無糖の炭酸水を選ぶようにしましょう。

栄養補給に野菜ジュース

母体が栄養失調に陥ると、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、つわりの症状が強い時には食べ物を受付けず、十分に栄養を摂取できないことも珍しくありません。

つわりによる諸症状で満足に食べ物を摂取できない時には、栄養を手軽に補給できる野菜ジュースがおすすめです。ただし、果物が多く含まれる野菜ジュースは、糖分の過剰摂取につながるリスクがあるので注意しましょう。

野菜ジュースで栄養を補給できても、糖分の過剰摂取によって妊娠糖尿病や肥満を引き起こすと本末転倒です。市販の野菜ジュースで糖分が気になる場合は、自宅で作ることも検討してみましょう。

カルシウムの摂取に牛乳

日本人は、全体的にカルシウム不足だといわれています。特に妊娠中は、普段よりも積極的にカルシウムを摂取することが大切です。カルシウムは体内で最もミネラルが多く、骨や歯の材料となる栄養素のため、意識的に取り入れるようにしましょう。

また妊娠中は、胎児の骨や歯の成長を促すためにカルシウムを多く摂取する必要があります。カルシウムは、さまざまな食べ物や飲み物に含まれており、その代表的な飲み物は、牛乳です。

牛乳は食品の中でも体内にカルシウムを取り入れやすく、約40%ほどが吸収されるといわれています。牛乳を飲むのが苦手な場合は、クリームシチューやグラタン等の料理に使用して摂取しましょう。

安心して飲めるノンカフェインの飲み物

妊娠中は、コーヒーや緑茶等のカフェインが含まれている飲み物には注意が必要です。しかし、飲み物の中には、カフェインが含まれていないものも多くあります。ノンカフェインの飲み物の例は、次のとおりです。

● ハーブティー
● ルイボスティー
● 麦茶 等

普段は緑茶を飲む習慣がある方でも、ルイボスティーや麦茶に替えれば、カフェインの摂取を避けられます。ハーブティーにはさまざまな香りがあり、リラックス効果も期待できます。

また、妊娠中でもコーヒーが飲みたい場合は、ノンカフェインコーヒーを選びましょう。
ノンカフェインコーヒーは、コーヒーチェーンやコンビニでも提供されています。ノンカフェインドリンクなら、妊娠中でも安心して飲むことが可能です。

手軽に飲める水

飲み物の多くは何らかの香りがあるため、つわりの症状によっては手に取りにくい方も多いかもしれません。飲み物の香りが気になる場合は、手軽に摂取できる水道水を検討してみましょう。

日本の水道水は水道局が定める基準をクリアしているため、安全に摂取できます。水道水独特のカルキのにおいが気になる時には、一度沸騰させるのがおすすめです。外出する際には、持ち運びできるペットボトルのミネラルウォーターを用意しておくとよいでしょう。

水道水やペットボトル以外では、ウォーターサーバーを設置するのも一つの手です。自宅にウォーターサーバーを設置すれば、買い物の手間を省け、手軽においしい水を摂取できます。

つわり中で飲み物も飲めない時の対策

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つわりの症状が強く、飲み物さえ口にできない時は、脱水や栄養不足が懸念されます。しかし、無理に飲み物を口にしようとすると、つわりの症状が悪化することもあるため、このような時には、飲み物以外での水分補給を検討しましょう。

氷を食べる

飲み物を口にするのが難しい時は、氷を活用しましょう。氷は無味無臭であり、気分が悪い時でも口にしやすいです。氷を口の中に入れると体温で自然と溶けるため、手軽に水分補給できます。

また、冷たい氷にはリフレッシュ効果もあり、つわり中に気分が落ち込んだ時にも効果的です。氷はカロリーゼロで糖分や塩分も含まれていないため、妊娠中のどの時期にも安心して摂取できます。

ただし、体を冷やさないためにも、氷の食べ過ぎには注意が必要です。氷が異常に食べたくなった場合、氷食症を引き起こしている可能性があるため、医師に相談することをおすすめします。

病院で薬を処方してもらう

つわりの症状が強く、どうしても飲み物を摂取できない時は、医療機関に相談するのも一つの手です。症状の中には、処方薬を服用することで和らぐこともあります。つわりの症状が落ち着けば、食べ物や飲み物を摂取しやすくなるでしょう。

ただし、つわりの症状がつらい時に、吐き気止めや胃薬等の市販薬は服用しないようにしましょう。市販薬の中には、胎児の発育に悪影響を及ぼす成分が含まれている可能性があるためです。

胎児には胎盤を通して栄養や酸素が供給されており、市販薬の一部が血液中に入り込んでも、まだ排せつする能力がありません。現時点では、つわり用の市販薬は販売されていないため、薬を服用する際には必ず医師または薬剤師に相談するようにしましょう。

病院で点滴を受ける

医師から処方された薬だけでは、つわりの症状が十分に改善されず、飲み物を摂取できない状況が続くこともあります。水分不足が続くと、脱水症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

また、近年は平均気温が上昇しており、特に夏季は熱中症のリスクも高まります。このような時には、病院で点滴治療を受けることを検討しましょう。適切な点滴治療を受けると症状が和らぎ、飲み物を摂取できるようになることもあります。

点滴治療には費用がかかるため、症状が強くても受診をためらう方もいるかもしれません。しかし、医師によって重症と判断されれば、保険適用になります。点滴治療を受けると栄養補給もできるため、食べ物を十分に摂取できていない時にも効果的です。

つわりの時期には飲み物選びも重要

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つわりの時期に適切な飲み物を選ぶことは、妊娠中の健康管理において重要です。体への負担が少ない飲み物を選ぶことで、水分補給はもちろんのこと、つわりの症状を和らげられる可能性もあります。

一方でつわりの時期にかかわらず、妊娠中は避けたほうがよい飲み物もいくつかあります。特にアルコールやカフェインが含まれる飲み物は、胎児の発育に悪影響があるので注意しましょう。

また、飲み物を摂取できない状況が続くと、脱水症状に陥るリスクがあります。どうしても飲み物を摂取できない時には、無理をせずに病院を受診し、適切な治療を受けることも大切です。

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