お金のプロフェッショナル!トータル・ライフ・コンサルタント 時廣寛子さんの事例紹介 お悩み:病気が増える年齢だからこその備えとは?
PROFILE
1 金額だけで比較できないのが備えというもの
2 家計やマネープランに悩む人へのメッセージ
金額だけで比較できないのが備えというもの
I'm OK? 編集部:保険のプロの視点から見て、相談に来る方が見落としやすいこと、思い込んでいること、というのはどんなことですか?
時廣さん:保険は安く入れるものだと思っている人が多いことです。もちろん金額が高い、安いというのは個人の価値観も反映されるので、一概には言えないのですが、特に共済や掛捨てタイプの保険では、安さを全面に押し出しているものがあります。
この年齢であればこのぐらいの金額、とイメージして相談に来られると、思ったよりお金がかかるという印象を持つ方が多いようです。これは共済や掛捨てタイプが悪いということではなく、保険料というのは機能や備えの手厚さによって金額が変わるものです。
「貯蓄機能を付けたい」「より多くの病気に備えたい」等、保障内容によって保険料の相場は異なります。保険を比べるときは、保険料だけでなく、保障内容をしっかり見て比較することが重要です。
事例紹介:50代後半・ご夫婦「将来の病気に備えたい」
I'm OK? 編集部:想定より保険料が高い、ということで悩まれた事例はありますか?

時廣さん:はい。そこで悩まれる方は少なくないのですが、印象的な事例は50代のご夫婦で相談に来られたケースです。ご主人の今後の病気等に備えて保険加入を検討していたのですが、基本的に保険料というのは加入や更新時点での年齢が上がるにつれて高くなります。
また、保険には基本的な内容に加え、オプションとして保障内容を充実させていくことができる「特約」というものがあります。例えばがん保険だと、実際にがんと診断された際には、そこから先の保険料の支払いが免除され、保障を維持できる特約が付けられる商品も多くあります。
I'm OK? 編集部:病状や闘病を理由に仕事を制限せざるを得ない場合もあると思うので、とても助かりますね。
時廣さん:そうなんです。考え方によりますが、比較的若い人が万が一ということでがん保険に入る場合には、払込み免除までは必要ない、と考える人もいるでしょう。ただ、例えば40歳~49歳の男性ががんに罹患する確率は2.7%ですが、50歳~59歳だと7.2%、60~69歳では19.8%、70~79歳では40.5%です。生涯でがんに罹患する確率自体、男性は女性と比較しても高いことが分かっています。
いつ病気になるか、あるいは病気にならないのかは、誰にも分かりません。ただ、保険料は加入時の年齢が上がるほど高くなるため、50歳になると「そろそろリスクが高くなるのでは」と考える人が増える傾向があります。
覚えておいてほしいのは、先ほどご説明した特約の保険料も、加入時の年齢とともに高くなります。このご夫婦も、特約まで含めると想定の予算より高くなり、かなり悩まれていましたね。
出典:がんの統計2025 累積がん罹患・死亡リスク(国立がん研究センターがん情報サービス)
累積罹患リスクとは…ある年齢までにある病気に罹患する(その病気と診断される)確率
1年後にがんの診断。仕事を退職する流れに
I'm OK? 編集部:結果的には特約をつけてがん保険に加入されたのでしょうか?

時廣さん:はい。どのお客様でも同じですが、私としてはあくまでもご提案させていただくという気持ちです。最終的には保障内容、費用のバランス等を鑑みて、ご本人が納得できる保険に入るのが一番です。参考までに、同年代でがんになった方の事例等をご紹介したところ、もしがんと診断された場合、その後は生涯その分の保険料を支払わなくてよいという点を魅力に感じていただき、ご契約に至りました。
実はその後、約1年後に実際にがんの診断を受けることになりました。だいぶ時間がたった今もお元気なのですが、お仕事自体は休職からそのまま定年退職されたとのことで「本当にありがとうございました」と、とても感謝されました。
家計やマネープランに悩む人へのメッセージ
時廣さん:保険の相談に行く際は、直近の健康診断の結果があればぜひお持ちいただきたいです。
I'm OK? 編集部:それによって何か変わるということですか?
時廣さん:はい。持病や指摘事項によって、入れる保険と入れない保険があります。また、指摘項目によっては、ほとんど同じ保障内容に見える保険でも、保険会社ごとに入れる場合と入れない場合があるというケースもあります。
特に女性の場合は、乳がんや子宮がんのように女性特有の病気や疾患を不安に感じている人も多いです。女性特有の病気や疾患に備える特約を「女性特約」というのですが、この内容も商品や会社ごとに異なるので、女性はその点にも着目してください。
保険というのはリスクに備えるためのものなので、私たちはどうしても病気のことや死亡時のこと、事故や病気で障がいが残ったときのこと等をお話させていただくことが多いです。不安な話ばかりしてくる…とネガティブな気持ちになる人もいるかもしれません。全てが自分に起こること、というわけではなく、病気や事故は誰がいつ当事者になるか分からないものだからこそ、知らないリスクを教えてくれる場所だと考えてみてください。