お金のプロフェッショナル!FP大嶋 藍さんの事例紹介 お悩み:自分に万が一のことがあったら、両親はどうなるの?
PROFILE
1 多くの人が抱く、保険の誤解
2 家計やマネープランに悩む人へのメッセージ
多くの人が抱く、保険の誤解
I'm OK? 編集部:たくさんの方の保険のお悩みを解決してきたご経験から、保険に関するよくある勘違いを教えてください。
大嶋さん:まず一つ目は「保険は必ず入らなければならないものではない」ということです。保険を取扱っている私がこんなことを言ってはいけないのかもしれないですが(笑)。
相談に来られる方の中には、もちろん既に加入している保険を見直したい人もいれば、これから初めて保険に入る人もいます。特に後者の場合、「そろそろ保険に入った方がよいとは思うけれど、どうやって選べばよいか分からない」という人が大勢います。けれども保険というのは、自分や周りの人が経済的に困らないようにするための手段の一つに過ぎません。極端な話、既に多くの資産があって、入院や手術をしても十分に貯蓄から費用を捻出できるのであれば、必ずしも保険が必要とはいえないケースもあります。まずはその前提を理解するからこそ、ご自身が本当にお金で困ることがあるとすればどんな時か、ということが想像できるようになるはずです。
I'm OK? 編集部:保険加入の必要性も、人によって違うということですね。他にもありますか?
大嶋さん:二つ目は、保険は入院や死亡時のためのもので、貯蓄には向いていないという考え方です。最近の投資ブームも追い風になって、ますます掛捨て型の保険のニーズが高まっています。保険はケガや病気に備えるためのもので、貯蓄や資産形成には向いていないという情報が先行しているせいもあるかもしれません。
しかし、例えば積立型の投資をしている場合、入院等で一時的に収入が減った時には積立てを続けられなくなることがあります。確かに投資の中には手数料や税制が保険よりも優遇されているものがありますが、保険であれば特定の病気の診断により支払いが免除になる商品もあります。どちらがよい、という話ではなく、どんな不測の事態に備えたいのか、いつ使いたいお金なのかを考えて選択することが重要です。
事例紹介:30代独身、自身が一人っ子の女性
I'm OK? 編集部:それを踏まえて、これまでに大嶋さんの印象に残った事例というのはどんなものですか?

大嶋さん:30代前半で独身の女性です。この方も、漠然と将来のお金に対する不安は持っていましたが、ライフプランが明確なわけではなく、何が不安なのかという整理はできていませんでした。お話をしているうちに、兄弟姉妹がいないため、いつか自分が両親の面倒を見たいと思っているからこそ、万が一自分が病気になった際に、ご両親がどうなってしまうのか、ということに不安を抱えていることが分かってきました。
保険というのは、ご自身やお子様の生活を維持するために備える人が多いものですが、ご両親のためにというのは、少子高齢化が進んだ現代ならではの考え方ともいえるのではないでしょうか。
収入保障保険でご両親の介護にも安心感
I'm OK? 編集部:その結果、その方はどんな保険に加入したのでしょうか?

大嶋さん:収入保障保険といって、ご自身が死亡、または高度障がい状態になった時に、毎月一定額の年金や給付金を保険期間満了時まで受取れる、定期型の保険です。ご提案時に「まさに私が備えたかったのはこれです!」と、感動していただけました。
この方の場合が良い例ですが、私は保険の相談に来ていただいた方から、お金や保険の話を聞くだけではなく、それよりも価値観や人生観をどう引き出すかということを重視しています。そこまでして親の面倒を見なくてもよい、という意見もあれば、ご本人の希望として自分で介護まで寄り添いたい、と思っている人もいます。他の人がどうしているかというのは参考にはなりますが、理想や不安に正解はありません。
この方の場合も、ご自身でも気がついていなかった希望や不安を整理できたことで、信頼を築くことができたのではないかと思います。それからは、まるで友達のように、お仕事のことや、お金の疑問等、ちょっとしたことでもすぐに電話で相談していただけるようになりました。
家計やマネープランに悩む人へのメッセージ
大嶋さん:万が一の備えとして保険加入を検討する人や、資産形成として投資に興味を持つ人の中には、手法や商品の違いをとにかくたくさん比較検討しているケースがあります。もちろんそれは大切なことですが、自分がどんな人生を送りたいのか、自分がどんなことを不安に感じているのか、という自分自身の整理も同じぐらい重要です。
私は、プロにお金の相談をすることは、体の不調で病院を受診するのと、とても似ていると思っています。症状や不調を隠したり、日頃の生活習慣を背伸びして答えても、正しい診断はできませんよね。それと同じで、飾らず、気負わず、ありのままの自分でお金のプロに相談していただくことが、個人に合わせた最適なマネープランを導き出す近道です。