お金のプロフェッショナル!FP土井あかりさんの事例紹介 お悩み:万が一のために、子どものためのお金はどう備える?
PROFILE
1 最近増えている“お金の疑問”
2 相談前に知っておくべきポイント
3 家計やマネープランに悩む人へのメッセージ
最近増えている“お金の疑問”
I'm OK? 編集部:土井さんは金融業界で13年のキャリアということですが、以前と比較して最近特に増えている保険の相談内容はどんなことですか?
土井さん:すでに保険に加入している方の、保険内容の見直し相談が増えました。もちろん見直し相談というのは常にあるものですが、その内容は景気や時代で変わることがあります。
最近特に増えているのは、物価高のせいで以前よりも家計の負担が増え、どうにか保険にかかる月額を抑えられないか、という相談です。また、情報化社会が進み、SNSや動画でお金に関する情報が飛び交うようになり、投資に興味を持つ人が増えました。将来の備えとして、保険と投資のバランスをどう考えたらよいのか、という相談も多くなりました。
事例紹介:30代、シングルマザーのケース
I'm OK? 編集部:これまでに印象的だった保険相談事例を教えてください。

土井さん:30代で、お子様が一人いらっしゃるシングルマザーの方が印象的でした。お子様が少し病気がちという背景がある方です。ご相談にいらした時点で、ご自身の万が一の事態に備え、貯蓄や投資等もかなり頑張ってやっていました。その分、日々の生活をかなり切り詰めており、今のままで十分なのか、もっと手厚くするためにはどうしたらよいのか、という相談を受けました。
そもそも、どの相談者様の場合でも、まずはライフプランを一緒に整理し、将来必要になるお金を可視化したうえで、適切なマネープランを考えていきます。その結果、この方の場合は大きな変更をしなくても、現状の備えで将来に対する対策は概ねできていることが分かりました。
ただし、お金というのは、いつ、誰のために、どう使うのか、という視点が重要です。この方はとにかくお子様のために、という目的が明確でした。しかし、全てをご自身の名義で対策していたので、そのままだと万が一のときに相続税の対象になってしまうこと等を説明し、いくつかの保険をお子様ご自身の名義で加入できるものに変更するといった見直しを提案しました。
また、解約した保険もあります。
I'm OK? 編集部:解約した理由はなんですか?
土井さん:月額の掛け金を減らすためです。
このご家庭の場合、とにかくお子様の幸せを考えたいというのが相談者様の希望であり、将来の備えはきちんとできている状態。貯蓄や投資のために、立地や広さを妥協した家に住んでいる等、今の生活への負担が少し大きいように見えました。
私は、お金というのは自分の人生を豊かにする一つのツールだと考えています。もちろん資産形成そのものに興味があるという人もいますが、誰かが困らないため、何かを購入したいため、というように、お金を貯めるのはその先の目的があることがほとんどです。
備えを少し減らしても、マネープランとしては、十分理想通りのものが出来上がることが分かったので、頑張りすぎず、今現在の生活の方にお金をかけるのも幸せの一つかもしれない、というお話をさせていただきました。
不安な毎日から今をもっと大切にする生活へ
I'm OK? 編集部:保険相談の前後で、その方にはどんな変化がありましたか?

土井さん:もちろん保険の名義自体や、月額は変わりました。でもこの方の場合、一番大きかったのは、心理的負担の軽減だと思っています。
実は、私とお話されていたとき、途中から泣いていたんです。
I'm OK? 編集部:それはどういう涙だったのでしょうか?
土井さん:安心感だと思います。今までのご自身の頑張りを理解してもらえたという気持ちもあったとは思うのですが、とにかく不安が強いようだったので「安心した」と。こんなに自分に厳しくしなくても大丈夫、もう少し自分を労っても大丈夫、と感じていただけたようでした。
相談前に知っておくべきポイント
I'm OK? 編集部:例えば同じようにシングルマザーの方が相談に行く場合、どんな準備をしていけばよいですか?
土井さん:現状の資産運用、保険、貯蓄、それぞれの内容とその名義、受取人を整理しておいていただけると話がスムーズです。
あとは、どの方にも言えることですが、現状の家計の収支の内訳だけは整理してあると助かります。どの方も、ここが最初のステップになります。
I'm OK? 編集部:同様のケースでの見落としやすいポイントはどんなことですか?
土井さん:お金は、何に使いたいか、ということと同じぐらい、誰が使うのか、ということが重要だということです。教育費であっても、誰の名義で使うお金になるのかを考えると、それに合わせた資産形成等の対策が具体的になることがあります。
家計やマネープランに悩む人へのメッセージ
土井さん:今後も情報化社会はどんどん進んでいくと思います。保険のことを自分で調べることも簡単にできるし、AIを使ってシミュレーションを立てたり、最善のプランを立てることもできるようになるでしょう。
でも、何にどんなふうにお金を使うのが幸せか、というのは本当に十人十色です。ご自身の価値観や人生観をじっくりお話ししたうえで、本当に最善なのがなんなのか、最後の一押しをマネーのプロと一緒に考えてみるのがおすすめです。
また、逆に周囲の人がどんどん投資や備えを始めているのに、自分が取り残されている不安を持っている方も増えています。「現状をどう整理したらよいかも分からない!」という場合でも、順を追ってゴールに導くのがプロの仕事です。まずは相談してみよう、と気軽な気持ちで相談に行ってみてください。