お金のプロフェッショナル!FP松尾知恵さんの事例紹介 お悩み:20代・3人姉妹の保険事例 保険の正解は、他者との比較では見つからない
保険相談の内容や傾向は、店舗の立地によっても大きく左右されることを教えてくれた、ほけんの110番イオン穂波店 副店長の松尾知恵さん。現在は、ファミリー層の来店が多い店舗で勤務しているため、既婚者や子育て世代からの相談が多いそうです。
結婚や出産は、マネープランを見直すきっかけになります。また、子ども名義で加入していた保険を、子どもの自立に伴って引継ぐケースも珍しくありません。お金は自身のためでなく、周囲の人のための備えとも言えるものです。
松尾さんに、これまで印象的だった相談事例や、ファイナンシャルプランナーに相談する際のポイントを伺いました。
PROFILE
1 最近増えている“お金の疑問”
2 相談前に知っておくべきポイント
3 家計やマネープランに悩む人へのメッセージ
最近増えている“お金の疑問”
I'm OK? 編集部:以前と比較して、最近、特に増えているお金の不安というのはどのようなものがありますか?
松尾さん:老後資金に不安を抱いている人が圧倒的に増えました。これはもちろん、テレビやメディア等で老後資金の問題が大きく取り沙汰されるようになったのが、原因の一つだと思います。また、少子高齢化に伴い、親の介護を自分が担うことを想定する中で、そこにもお金がかかることを実感し、自身の手元に残るお金に関して不安が大きくなったというケースも見受けられます。
I'm OK? 編集部:介護と年金の問題が表面化することで、不安に直結しているということですね。
松尾さん:そうです。これまでは入院や死亡時に備えて保険に入る方が多かったのですが、親の介護だけでなく、自身に介護が必要となったときに備えたいというニーズも増えました。そもそも保険というのは、自身の生活の備えはもちろんですが、家族が困らないようにと考えて加入する人の方が多いものなので、当然とも言えますね。
I'm OK? 編集部:保険は自分自身のマネープランでもあれば、家族単位でのマネープランでもあるということですね。
事例紹介:20代、3姉妹からの保険相談

I'm OK? 編集部:これまでに印象的だった保険相談の事例を教えてください。
松尾さん:20代の姉妹3名からの保険相談を受けたことがあります。
I'm OK? 編集部:3人ご一緒に、ということですか?
松尾さん:はい。実は最初は姉妹のお母さまが、ご自身の保険の見直し相談に来られました。ここは誤解されている方が多いのですが、保険は他の人と比較できるものではありません。「友人はこういう保険に入っているので、私も入ったほうがいいですか?」とご質問を受けることがありますが、保険というのはそれぞれの資産状況や家族構成はもちろん、どのようなことに、どう備えたいかという希望によって、必要なものが異なります。
I'm OK? 編集部:一人一人必要な備えが違う、ということですよね。
松尾さん:その通りです。健康状態にも左右されますし、生活に必要なお金も違うので、誰かと比較できるものではないんです。けれども、よく知らないものを選ぼうとするときほど、人は目安や基準が欲しくなるものでもあります。20代にとって必要な備えや月々の保険料の相場や傾向を知りたくなったり、比較してしまったりする人も少なくありません。
その説明をさせていただいたときに、お母さまが、ぜひ娘たちの保険も見てほしいということになりました。
I'm OK? 編集部:娘さんたちも、すでに保険には加入していたのでしょうか?
松尾さん:はい。さらに、日頃からお母さまが、ライフステージが変わったら保険を見直したほうがよいことも伝えていたようです。そのため保険に対する意識は比較的高く、定期的な見直しをしていて、それぞれが入っている保険も異なっていました。
受取りをしっかり想定し、保険をより有効に

I'm OK? 編集部:保険相談の前後で、その方々にはどんな変化がありましたか?
松尾さん:保険そのものの話をすれば、積立型の保険を増やしました。今ほどNISA等の資産運用が注目されていたわけではない時期だったので、運用型の保険も存在自体があまり知られていませんでした。そのため、保険で保障を備えながら資産形成をすることも可能だと説明しました。
I'm OK? 編集部:確かに、ケガや病気、死亡時だけでなく、資産形成というのも保険でできる備えですね。他に注意すべきことはどんなことですか?
松尾さん:例えば既婚のお姉さまと、独身の妹さんでは、お金の不安の種類が違うものでした。お姉さまは結婚してお子さまもいらっしゃったので、ご自身に万が一のことがあった場合にご家族が困らないようにしたいという目的が強く、妹さんはご自身の資産形成という目的が強かったんです。
保険の月々の保険料や、万が一の際に受取る金額を気にされる方はたくさんいます。しかし、実際の受取れる条件も保険によって異なります。例えば入院1日目から保障されるものもあれば、5日以上の入院でないと保障が受取れないものもあるのです。
目的が万が一の備えであっても資産形成であっても、いくら受取れるのかだけでなく、どのようなときに受取れるのかまで考えて比較すると、より有効に活用できるものなので、そうした点も含めて、比較、検討していただきました。
相談前に知っておくべきポイント
I'm OK? 編集部:保険の相談に行く際に、あらかじめ理解しておいたほうがよいのはどんなことですか?
松尾さん:お金のことは、点ではなく面で考えた方がよいということです。先ほどもお伝えしたように、保険に新たに加入するだけでなく、定期的な見直しも必要で、そのために相談に来られる方も多くいます。特にこうした見直しの相談の際に、例えばがんの保障を見直したいという理由で、がん保険だけを見直そうとして、加入しているがん保険の詳細を持ってきてくださる方がいます。
しかし、他の保険の特約等でがんに関する保障が付いていることもあれば、収入や貯蓄状況によっても必要な備えは異なります。適切な保障を選ぶには、保険や投資、資産状況等を総合的に考えたいものです。
家計やマネープランに悩む人へのメッセージ
松尾さん:保険相談に行くことを考えると、何を準備して行けばよいのか、何を整理してから行けばよいのか、と悩んでしまう方がいます。でも本当は、何から考えてよいのか分からないというときにも、相談に行ってよいものなんです。準備に悩んでいるうちに、ずるずると時間が過ぎてしまっては、もったいないことです。その間に病気になってしまうこともあれば、その病気が原因で保険に加入できなくなる可能性もあります。
分からないことが多いからこそ、プロに聞いてみる。相談は最初の一歩だと思って、気軽に訪ねてみてください。